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美形悪役(アンチヒーロー、ダークヒーロー)の魅力について

 美形悪役の魅力とはなんだろう。彼らは圧倒的に最強で、美しく、孤高だ。そして時に哀しい。私も、そんなキャラクター達に魅了されることの多いオタクの一人である。特撮やアニメなどで、主人公と対になることの多い悪役は時に主人公より魅力的に映ることがある。もちろん、見た目が2枚目でなくとも視聴者や読者に強烈な印象を与える悪役は多い。また、悪はよく作中で人々から恐れられる。これは、彼彼女らの容貌がやっていることと同じく恐ろしく醜いということを表すものでもあるだろう。しかし、美形悪役にこれを当てはめて考えると自ずと矛盾点が生じてくる。

 何故、美形悪役は時に魅力的に映るのだろうか?

この前ネットサーフィンをしていると「ハロー効果」という心理学用語をとあるサイトで見つけたのだ。ハロー効果とは、何かを評価する時にその何かが持つ特徴に引きずられて他の特性についての評価が歪む現象のことである。この用語のことを取り出してきたのにはちゃんと理由がある。つまり私が言いたいのは何らかの美形悪役を最初に見た時にはそのキャラクターの容姿に惹きつけられると同時に行動が残虐非道なものであっても、そこさえも魅力として映るのではないだろうか。

そして、度々彼らは初登場時に圧倒的な強さを見せつけることが多い。ここが次に注目されるポイントである。その強さに敵わず悔しさや苛立たしさの混ざったような苦しげな表情をする主人公。それとは反対に勝ち誇ったような余裕の表情で主人公を見る美しきアンチヒーロー。時に、「お前なんか相手にするまでもない」という軽蔑するような態度を見せる時もある。こういうシーンを何らかのコンテンツで一度は目にしたことがあるのではないだろうか。

 そして、彼彼女らは時に哀しい過去を持っている場合がある。かつて愛する人を信じていた者に殺されたとか、両親から捨てられたとか周りに冷遇されてきたとかだ。その過去を知る時に一気に彼らへの好感度がアップする。そして同情を覚えるのである。まあ具体的に言うと「そんな過去があったのね。可哀想に…」とかいう感じだ。私もそういう状態に往々としてなるちょろい奴ではあるのだが、まあ冷静に考えたら見た目の美醜に関係なく過去にどんなひどいことをされていようと悪行を行っていい理由にはならないだろう。

 但しイケメン、美女に限るというわけではないけれど、これが如何にもな見た目だったら、その印象に引きずられて「過去に何されたからって悪いことしていい理由にはならないだろ。同情?んなもんするかよ」と辛辣な評価をされることが多い、気がする。

美形悪役の魅力はまずは言動に反した美しい容姿というギャップだ。個人的には冷酷な微笑みとか見せられたらたまらない。次に哀しい過去がある、圧倒的に強いなどというキャラクター設定もそうだ。正義の味方であることの多い主人公と比べるとそんな主人公にはない良さを彼彼女らは持っている。もしよければ、独自の美学を持つそんな彼彼女の魅力に気づいてくれて、推しにでもしてもらえれば、個人的には嬉しい限りである。


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