日本滞在

京成立石に一カ月弱住むことになったのは、偶然成田空港へのアクセスと東京駅のアクセスを考えて滞在先を探しているうちにお得な物件が見つかったからで、特に京成立石という場所にこだわりがあったわけではなかった。
でも、実際に行ってみるとなかなかこれはディープな下町でとても面白かった。駅前は古い商店街が並んでいる。だいたいは飲み屋かテイクアウトの食べ物を売っている店みたいだ。どの店も非常に年季が入っているので一見の客が入るのは相当敷居が高そうである。もつ焼きの「宇ち多」が有名みたいだけど、いつ見てもいっぱいだしルールとかもよく分からないので外から雰囲気を見るだけにしておく。
コロナの第七波がピークになる前に数件入るチャンスのあった店の中では「四つ木製麺所」といううどん屋さんが秀逸だった。ここは駅から歩いて10分弱というあまり便利とは言えない場所にあるのでお客さんもローカルっぽく、いかにも地元に愛される店という雰囲気である。最初に食べた海老天丼・わかめうどんの定食はものすごいボリュームがあり(エビは大きいのが2本)値段は850円という信じられない値段だ。うどんも手打ちのもちもち感と、だしとみりんの味が秀逸なつゆがとてもおいしい。ここはテイクアウトも含めて1カ月の間に4回も通った。他の店は1回ずつ試しただけなので、それだけこの店が気に入ってしまったのだ。
立石には他にも昔からある和食の店(魚つぐ)とかパン屋(マルキ)とかそれぞれ昔から変わらない品ぞろえを提供する店もあるし、もっとこじゃれたバーや、なんでもそろうイトーヨーカドー四つ木店もあるので、すっかりファンになってしまった。道路が狭くて入り組んでいるので車の運転は難しそうだけど散歩するのはとても楽しい土地である。湾岸のタワーマンションに住むのよりはこっちに住むほうが面白いな、と個人的には思う。

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