前走より「楽に感じる馬」を狙う
毎週馬券を買っているあなたの周りに「馬のストレス」という言葉を発して予想している人はいますか?
おそらく皆無でしょう。
私が予想で使う『Mの法則』という馬券術の概念は「馬のストレスがいかにレースに影響するか」が重要とされている。
今回はそんなマイナー理論使いの私が、馬券を買うときにどんなことを考えているのか、その中身を書いてみたいと思う。
京王杯2歳ステークス
私の得意レースは『2・3歳の世代限定戦』。
今週行われる重賞レースでは京王杯2歳SかファンタジーSが該当レースとなります。
ファンタジーSはかなり難解なのでパスして、『京王杯2歳ステークス(GⅡ)』が私の対象レースとなります。
Mの法則の定義
テン4Fのタイムで比較
新馬戦・未勝利戦を勝ちあがってきた2歳馬が次走で苦しい思いをするのが『テンの速い競馬』である。
前半から追走に戸惑い、体力を消耗して惨敗することも多い。
そこで、今回京成杯2歳Sに出走する馬の中で、前走のテン4F(芝で行われたレースタイム)を速い順に並べてみた。
この時期に上位にあがるのはやはり重賞レースになる。
過去10年の前走データ
私はこういうデータはあまり信用していませんがw
一応過去10年の前走成績を載せてみる。
上記2つの過去10年データを見て、この時期の2歳重賞において重要なことが3つあることがわかる。
③を除けば、つまり
「前走しんどい経験をしてきた馬が、今回楽に感じて好走する」
ことが、この京王杯2歳Sを読み解くカギだと私は思う。
今回狙う馬は
この中に狙い馬がいるはずだ。
ここでデータの上っ面しか見ていない人は
「前走重賞組で距離延長、しかも重馬場実績のある③エイシンワンドが正解!」
と安易に決めつけて馬券を買うだろう。
しかし、その予想は甘い!そして思考が浅い!!
データを分析する能力とは
上に挙げた『テン4Fベスト3』のデータを見て、なにか気付かないだろうか?
言われずとも、この違和感に気付いた人はたぶん馬券上級者だろう。
普通、この時期の2歳マイル重賞はスローペースからの瞬発力勝負がほとんど。そんな中で芝1200m組のテン4FとサウジアラビアRCのテン4Fはほぼ同等、しかも『稍重馬場』で走ってこの速さ。
これは相当価値のあることだが、このデータに気付く人は少数。
データを分析する能力とは、これまでのデータの中身をいかに理解できるか、ということ。
ローテは同じでも、違う馬が違うラップを経験してくれば『例外データ』となり、そのまま適用しても意味が無い。
そのことを理解せず、安易な思考で勝てるほど今の中央競馬は甘くない。
どちらを狙うべきか
サウジアラビアRCが厳しいレース展開だったことはわかってもらった。
では該当する⑪マイネルチケットと⑫シンフォーエバーのどちらを狙うべきか。
答えは簡単
⑪マイネルチケット
のほうだ。
⑫シンフォーエバー
まずこの2頭、どちらが前走苦しくストレスが掛かる競馬だったか、を考えてみる。
【⑫シンフォーエバーの場合】
新馬戦が 1-1 で逃げて楽勝、2戦目の新潟2歳Sも 1-1 と逃げて9着惨敗、前走サウジRCも 1-1 と逃げて4着粘り込み。
『Mの法則』的には3戦ともノーストレスでフレッシュな状態だが、常に逃げて「楽な競馬」しか経験していない馬が、逃げることが出来なければ「前走より苦しい」と感じてしまいレースを放棄してしまうだろう。
仮に逃げの手を打つにも、テンの速い1200m重賞組もいるので、先頭に立つまでに脚を使うこととなり体力を消耗し馬群に沈む可能性大。
要約すると、どれだけ上手く立ち回っても⑫シンフォーエバーは前走より楽に感じる展開になる可能性はかなり低い、ということ。
そんな馬を軸に据えるなんてありえない。
⑪マイネルチケット
対して
【⑪マイネルチケットの場合】
新馬戦は外枠から上手に 3-3 と先行し、先頭に立ったところで勝ち馬の末脚に屈した。(勝ったマスカレードボールは次走アイビーSを快勝し一躍クラシック候補となっている)
2戦目の未勝利戦は最内枠で閉じ込められるも、3-3-4 から残り100mで外に出して差し切り勝ち。
前走は4番枠から掛かり気味に 3-3 と速いペースを先行し、直線前の馬を捕らえに行き先頭に立つも追い込んできた2頭に交わされ3着。
前走は非常に苦しいレースだったしストレスも掛かっていた。
それが今回は、一番良いレースをした新馬戦と同じように外枠、前走で掛かって先行したぐらいなので距離短縮で気分良く追走できる。
(Mの法則では『短縮ショッカー』と呼ばれる)
しかも速い上りのレースが苦手な中、馬場が渋れば相殺され、血統構成からも渋った馬場適性は相当高く、他馬と比べて有利になることが予想される。
(父は馬場が渋った外枠だと好走率が上がるダノンバラード、母は重馬場の北九州短距離Sを勝っている)
距離短縮と重馬場で蓄積されたストレスも今回一時的にリフレッシュされると私は思っているので、前走から比べて⑪マイネルチケットは「楽に追走できて、走りやすい馬場で競馬ができる」ということが予想出来る。
これがつまり「前走より楽に感じる馬」ということになる。
購入馬券
あと確認しなければいけないのは馬体重。
マイネルチケットは使い詰めの中3週で二度の関東遠征なので、もしマイナス体重だと黄信号。
連戦でも馬が充実していれば+2~+4キロで収まると想定していたところ、発表された馬体重は「+2キロ」。
その瞬間、マイネルチケットの馬券内確率は私の試算では90%まで上昇。通常レースの圧倒的1番人気馬(複勝オッズ1.0-1.1レベル)の馬券内確率並みの信頼度。
そして1着になる確率は20%と試算。
期待値の数字で購入金額を決めるのが私の決まり。
期待値1.7は大勝負するにふさわしい数字。
購入資金を増額して、その90%を⑪の複勝に投入。
購入資金の残り10%は的中した際に大きく回収率を上げるためのボーナスになるような馬券を買うのが私の得意な買い方。
⑪マイネルチケットの単勝、と思ったが7.8倍では的中時の回収率爆上げには少し足りない。
そこで、このレースの人気馬を精査してみたが、どれも不安だらけ。
これだけ上位人気馬に不安点があるならば、穴馬への馬連が有効になる、と直感した。
私は血統派なので、すぐに今日の東京芝コースの血統傾向を確認してみた。
一目見て『欧州型×日本型サンデー』の組み合わせが多いこと
そして、『欧州型ミスプロ系(特にキングマンボ)』が毎レース来ていることに気付くだろう。
その血統傾向を京王杯2歳Sで再度確認した。
上位人気以外で血統的に狙えるのは
②④⑤⑦⑧⑨⑩⑭の8頭。4番人気の④はオッズが安いので外し、実力不足の②⑤⑭を外せば買えるのは⑦⑧⑨⑩の4頭に絞れる。
オッズも美味しいので買おうとしたときに気付いた。
「これ、枠連でいいんじゃね?」
馬連なら4点購入、ハズレ馬券が3点出る。
枠連なら2点購入、ハズレ馬券は1点で済む。
枠連2点の合成オッズは13.7倍。マイネルチケットの単勝オッズ7.8倍の約2倍つくので迷わず購入!
オッズも良いし、仮にマイネルチケットがアクシデントで飛んだ場合、同枠のシンフォーエバーが保険となる。(来るとは思っていないが)
こうして⑪マイネルチケット複勝を本線として購入資金の90%購入し、人気馬を全て消した枠連2点買いを10%購入する馬券構成となった。
レース結果
⑪マイネルチケットは私の想定通り、前走より「楽に感じながら」走り、稍重馬場を苦にせず直線抜け出すも⑦パンジャタワーの猛追に屈し2着。
⑪の複勝は250円もついたし、枠連5⃣‐7⃣は3,750円の高配当。
購入資金の412倍の回収となり大勝。
人気馬は私の予想通り馬券内に絡めなかった。
レース後コメント
1番人気 ヒシアマン
2番人気 エイシンワンド
3番人気 レモンバーム
1着 8番人気 パンジャタワー
2着 4番人気 マイネルチケット
レース後のコメントに真実は隠されているからね~
まとめ
先日しょうもない菊花賞の負けがありましたが
おつりが来るほど儲けましたw
今回紹介した「馬のストレス」からの予想。
マイナーで手間が掛かるが故に、このような普通の予想では取れない馬券を獲ることが出来ます。
これだけやって、なんとか年間プラスのレベル。
「本気で馬券で勝ちたい」、「馬券の年間収支プラスにしたい」と思っているあなたはどれくらい努力をしていますか?