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NHKドラマ『団地のふたり』の心地良さはどこからくるのか

NHK-BSで9/1から始まったドラマ
『団地のふたり』の感想です


50代、独身、実家暮らし。 団地で生まれた幼なじみのふたり。
心がざわつくことがあっても、ふたりなら大丈夫。
小泉今日子×小林聡美の名コンビで送る、温かくユーモラスな友情の物語。

【あらすじ】
団地で生まれた幼なじみのノエチと奈津子。
結婚したり羽振り良く仕事したり、若い頃は色々あったけれど、わけあって昭和な団地に戻ってきた。
小さな恥も誇りも、本気だった初恋のゆくえもお互いよく知っているから、今さらなにかを取り繕う必要もない。
一緒にご飯を食べてバカなことを言い合いながら、日々へこんだ心をぷーぷー膨らませている。
古くなった団地では、50代でも十分若手。
子どもの頃から知っているおじちゃん・おばちゃんの家の網戸を張り替えてあげたり、昭和な品をネットで売ってあげたり。 時代遅れの「ガラクタ」でも、どこかにいる誰かにとっては、きっと「宝物」。
運よく高値で売れたら、その日のご飯はちょっとだけ贅沢にする。
一方、新たに越してくる住人たちもそれぞれにワケありで。
助け合いながら、変わらないようで変わっていくコミュニティがそこにある。
まったり、さらり、時々ほろり。
幸せってなんだろう。 今日もなんとか生きていく。


主演の小泉今日子さん、小林聡美さんの関係性
わきを固める実力派俳優さんの演技力
美味しそうな料理を監修する飯島奈美さん
家ごとの個性を上手に表現している美術スタッフさん
原作の空気感を丁寧に生かす脚本家さん
そしてそれらを作品として表現する監督さん

とても心地良い作品です

そして私は考えた
この『心地良さ』はどこからくるのかと

もちろん主演の小林聡美さんの醸し出す”空気感”が
ちょうどいい『心地良さ』になっているのは当然として

今回はもうひとりの主演
小泉今日子さんの”信念”という目線で
読み解いてみたいと思います


サンデー毎日で短期連載されていた
音楽プロデューサー松尾潔さんの
『小泉今日子の心意気』という記事の中に
その信念が垣間見える

小泉さんがNetflixのドラマを降板したことがあった
表向きは「スケジュール的な問題で断った」と報道されていたが・・・

小泉さんは出演条件として「原作者の了承を得ていること」を提示していた
衣装合わせまで進んでいたときに
プロデューサーに原作者の了承の件を確認したところ
「まだです」という返事
小泉さんは
「そういうことを軽視するならあなたとは仕事ができません」
「私を降ろすか、延期して了承を得るか、どちらかしかない」
と伝え、結果小泉さんは降板されて他の役者さんが務めた。
小泉さんは言う
「プロデューサーさんはとてもいい映画を作っていたけど
いろいろな事情が重なると
大切なものを見失ってしまうのかなと思いました」

小泉さんが考える『大切なもの』とは何か
それは原作者さんが作品の中で伝えたい
意思”なのではないか

原作のある作品をドラマ化・映画化するにあたり
スタッフ・脚本家・監督がその”意思”を軽んじ
好き勝手に歪曲して表現することが
この業界では通例になっている

昨今もその”意思”のずれが
原作者さんの苦悩となり
悲しい結末になったことも

大切なもの』を守るためなら
自身の犠牲や批判を厭わない
そんな”信念”を持つ小泉さんがいたからこそ
このドラマには「ぬくもり」を感じる

それが「心地良さ」に繋がっている


最後に原作者・藤野千代さんのコメント

【原作者:藤野千夜さんコメント】

『団地のふたり』のなっちゃんとノエチは、幼なじみで、よく一緒にテレビを見ています。きっと自分たちのドラマも、毎週楽しみにするでしょう。
五十代にして、だいたいふざけているふたりですから、「あ! なっちゃんの部屋、おしゃれになってる! ここも早く片づけなきゃ」とか、「ぬか漬け、私もはじめようかな」とか、ドラマの細部にこだわりつつ、わくわく視聴するはずです。
生まれ育った団地に出戻って、平和に暮らすふたりの話です。
出来事の少ない原作を丁寧に生かしていただき、とても嬉しく思っています。
さらにふたりにぴったりな、新たな物語が生まれることを、視聴者のひとりとしても(今から)テレビの前で心待ちにしております。

皆様も、ぜひお楽しみください!

プレミアムドラマ「団地のふたり」制作決定のお知らせ



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