2023年11月10日付経済教室米中対立の行方(下) 米の人権外交、問われる真価

11月中旬のAPECに合わせた米中首脳会談実施の機運が高まっている。
米国が米中関係の改善に積極的になっている理由は中東情勢の悪化だ。
ロシアとウクライナの戦争に加え、ハマスがイスラエルを攻撃し、大規模な戦闘が続いている。これに中国の対立が深まると米国は3つを対応しなければならなくなるからだ。
米国は中東での中国の役割に期待している面もあると筆者は指摘する。中国も中東において調停者として振る舞っている。中東での世論調査によると中国は米国よりも好感度が高いという。
前回の米中首脳会談では台湾問題など本質的な解決しようとするものではなく、本格的な衝突が起きないよう対立を管理することを目指すものだった。今回の米中首脳会談が実現したとしても管理以上の成果は望めなさそうだと筆者は指摘する。

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