2023年11月8日付経済教室米中対立の行方(上) 米、「二正面作戦」に対応可能

米国はウクライナの支援と台湾防衛の両方を同時に対応できるか?共和党の外交政策担当者と外交政策分析官の間ではできないと答える人が増えている。一方筆者はその考えは間違いであると主張する。
台湾防衛のためにウクライナを放棄すべきと考える人は、米国の軍事力低下により二者択一しなければならないと考えている。筆者はこの仮説は誤りであり、米国は依然として超大国であると指摘する。軍事力でも、技術力でも、経済力でも依然とした中国とはまだ大きな差がある。
またウクライナの支援を米国が放棄し、その対応を欧州にに任せた場合、欧州は緊急事態となり、台湾防衛に協力する意欲と能力は減退する。台湾への協力は軍事的なものだけでなく経済的な手段もある。例えば中国に軍事利用可能な技術が渡らないように最先端の半導体製造装置を手がける欧州企業の協力を得る必要がある。
ウクライナを放棄したら、米国の抑止力に対する信用力が失われる。武力衝突を避けるために抑止力の信用力に傷をつけるようなことはすべきでない。
今すべきことは台湾の防衛戦略に適切に投資することだと筆者は指摘する。

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