2023年11月17日付経済教室 診療・介護報酬改定の課題(下) 薬剤、「費用対効果」評価を徹底

高額な薬剤が開発され、さらに高齢化も相まって薬剤費の高騰が懸念されている。
19年に薬価と費用対効果評価制度が導入され、費用対効果に問題がある薬剤は価格が引き下げられることとなった。
日本の費用対効果制度の課題について「諸外国に比べ価格調整幅が少ないこと、現場での適正な医薬品選択や使用に十分反映されていないこと」を筆者は指摘する。
筆者は費用対効果の評価結果を医療現場での医薬品の効率的な利用に反映させる方法を提案する。
第一に各臨床学会が発行する診療ガイドの中に費用対効果の評価の結果を導入することである。
第二に各地域で医薬品の推奨リストを共有する地域フォーミュラリへの利用である。費用対効果の概念を導入することで高額薬剤の適正使用が図れると指摘する。
第三に厚生労働省が作成する最適使用推進ガイドラインに費用対効果の要素を加味することである。
24年度の診療報酬改定の議論の中で、費用対効果評価制度のもと適正な薬価の設定、医療現場での効率的な薬剤の使用が推進されることが期待される。

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