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FX初心者のこれだけは〜ダウ理論〜

1. ダウ理論とは

FXは、数学のように、勉強すれば、稼げるようになるものではありません。
しかし、知識として、最低限覚えておかないといけないものがあります。
そのうちの一つが、このダウ理論です。

ダウ理論は、チャールズ・ダウが提唱したテクニカル分析の一つです。
チャールズ・ダウは、金融専門誌『ウォールストリートジャーナル』を創刊し、1896年には、ダウ・ジョーンズ工業株平均株価を開発しています。

元々、株価に対しての理論だったようですが、為替にも当てはめて考えることができます。

2. 6つの基本原則

①平均株価(価格)は全ての事象を織り込む
株式の場合、平均株価という言葉になりますが、FXにおいては、為替レート(価格)に置き換えることができます。

経済指標や要人発言、政治イベントや自然発生事象まであらゆる内容のものがチャートに反映されているという考え方です。

現時点のファンダメンタルズ情報は、価格チャートに織り込まれているので、このチャートを用いてテクニカル分析をしていきましょうということですね。

②トレンド短期・中期・長期の3つに分類される
短期トレンド:3週間未満の「小トレンド」。確認する時間足は、1時間足以下。

中期トレンド:3週間〜3ヶ月間の「二次トレンド」。確認する時間足は、日足や4時間足。

長期トレンド:1年間〜数年間の「主要トレンド」。確認する時間足は、週足や月足。

③主要なトレンドは3つの段階から形成される
先行期:一部のトレーダーが底値だと判断し、買い始める段階。
※いつ先行期が始まるのかは、個人トレーダーにはわからないため、これを狙うのは、不可能と言えるでしょう。

追随期:価格上昇が始まるのを確認して、他のトレーダーが追随して買い増ししていく段階。
※個人トレーダーは、ここを押し目で狙うようにしましょう。

利食期:利益が出て、利確する段階。
※ちょっとした調整かと思ったら、利食期で、がっつり下げることがある。押し目なのか下落なのか難しいけれど、欲張らず利確するのが大事。利確は正義。

<3つのトレンドを実際のチャートで確認すると下のようになる>

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④価格は、相互に確認される必要がある
元々、株式市場向けに唱えられたダウ理論ですから、工業平均株価と鉄道平均株価の二つの価格が連動していると注目されていました。

本当に強気相場であれば、工業も鉄道もどちらも上向くはずだと。

FXで当てはめた場合、為替変動は、金利と連動しますから、米ドル金利とドルが同時に上昇していれば、ドル高と判断できます。

また、通貨ペアは、複数ありますので、ドル円、ユーロドルで、ドル高方向に向かっていたら、ドルは強いとなります。

よって、金利や通貨ペア強弱も確認することが大事です。

⑤トレンドは出来高でも確認されなければならない
株式市場において、上昇トレンドが発生するときは、出来高(=取引高)も上昇するというものです。

FXにおいては、あまり重要ではないかもしれませんが、出来高が多いと買いと売りの熾烈なせめぎ合いが行われているので、抜けた方に、進む傾向があります。

⑥トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する
ダウ理論の中で、最重要項目です。他の内容は、忘れても良いけど、これだけは理解しないといけません。

特に、転換シグナルとは、なんぞやというところが、わかっていないと、相場が今、上昇トレンドなのか下降トレンドなのかレンジ相場なのかがわからなくなります。また、同じ相場に対しても、違った見え方をしてしまいます。

上昇トレンド、下降トレンド、レンジ相場とは?
下のチャートが全てです。

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3. 抑えておくポイント

大事にしたい事項は、下の2つだけ。

・トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する。

・相互に確認される必要があるということです。

それ以外は、ふーん、でよいでしょう。
では、上の2つをどう捉えていけばよいのかとなりますね。

4.ダウ理論を用いたトレード手法

ダウ理論の知識が必要な理由は、トレンド転換を狙う手法や押し目買い・戻り売りのためには、ダウ理論を用いた相場分析を行うためでした。

では、具体的にダウ理論をどのように使えば良いのかを説明します。

まずは、利益を取りやすい相場を見つける必要があります。相場が動いている通過ペアを探すためには、『相互に確認される必要がある』という理論から、通過強弱を頼りに選びます。

私が利用しているのは、OANDAの通貨の強弱チャートです。
2021年2月25日時点では、GBP(英ポンド)が一番強く、CHF(スイスフラン)が一番弱いですね。ということは、GBP/CHFの通過ペアが上昇していると読めます。

このように、現時点での各通過の強弱が判断できますので、通過ペアの選択に利用しましょう。

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次に、『トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する』というのをどう利用するかです。上昇トレンドでは、高値と安値が切り上がっていきました。そして、高値更新が止まるまでは、トレンド継続と判断できます。

しかし、トレンドといっても、一直線で伸びているわけではないので、調整というのが入ります。これが安値です。我々のような個人トレーダーは、大きなトレンドの中にある小さな調整でエントリしていく必要があるのです。

そして、必ず、トレンドが発生したと判断できる『追随期』で入っていくのです。上記で説明してきたグラフを見れば一目瞭然ですが、追随期を狙うこと、調整を狙うこと、トレンドが終わるまで利益を伸ばすこと。これが大事です。

5.まとめ

FXには、環境認識が必須です。
いま、上昇トレンドなのか下降トレンドなのかレンジ相場なのか。
これを判断するためには、ダウ理論に立ち戻らないといけません。
だから、ダウ理論は、知っていても勝てないが知らないと勝てないのです。

次は、狙う相場は、わかったけど、相場は、連続していて、いまいち、どこでトレードすれば良いかわからないと思うので、別の理論について説明していこうと思います。

今回は、ここまで。

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