［6本目］24時間レースという文化

マンションの火災警報に起こされた、けたたましい警告音が一帯に響き渡る。まあ、実際には火災は起きておらず単なる誤報だったけど、自分のように完全に目が覚めてしまった人は多そうだなぁ、、、。ちょうどル・マン24時間レースが行われているから、レースでも観よう。そして、noteでも書こう。

レースに詳しくなくても、ル・マン24時間レースのことは聞いたことがある方は多いと思う。F1モナコGP、インディ500と並び、世界三大レースの一つ。フランスのル・マンという場所にあるサルト・サーキットで毎年行われている、24時間全開走行で行われる耐久レース。全長13kmというとても長いコース、24時間レースなので当然夜も走行が行われる。日本は今5時になったけど、フランスは現在22時。真っ暗の中、昼と変わらず全開でレースが行われている。え、夜になって涼しくなってきたからペースがいいだって？　真っ暗なコースを鮮烈なフロントライトで照らす、なっがいストレートのスピード見たら340km/hとか表示されてるんだけど、、、ヤベーレースだよ、ホントに。

今年はCOVOD-19の影響でこの時期の開催に、通常は6月頃に行われているけど今年は9月に行われている。それは日本も同じで、9月5-6日に富士スピードウェイで24時間レースが行われた。そう、日本にも24時間耐久レースが行われている、レースが好きな人、それもF1とかじゃなくて国内レースが好きな人じゃないと知らないだろうけど。今は富士スピードウェイで行われている日本の24時間レースですが、かつては北海道の十勝スピードウェイで行われていて、過去に一度だけ観戦しに行ったことがある。

十勝24時間レースは、スーパー耐久というレースシリーズの一戦として、毎年7月に行われていた日本唯一の24時間レース。2007年、ちょうどレース関係への興味が大きくなっていた時期で、当時の国内トップレースであるフォーミュラニッポンやスーパーGTを観ていた勢いで24時間レースを観に行こうと。それまで北海道には行ったこともなくて、レースで十勝に行ったのが初北海道だった。この年の十勝24時間は、国内ではずば抜けた人気を持つスーパーGTで使われていたスープラをハイブリッド化して走らせるという注目のレースだった。今でこそハイブリッドカーがレースで走りまくってるし、Formula Eみたいな電気自動車のレースも行われているけど、当時は画期的な話で結果としてこのマシンが2位に20周近い差を付けて優勝している。いや、クラス（速さのグレード）が全然違うし、壊れなければ優勝して当たり前なんだけど、この壊れなければというのが試されるのが24時間レースなのである。

それまでに観たレースで最長は、鈴鹿の1000kmレースで6時間弱。24時間と言えば、その4倍であり自分の中では全く未知のモノだった。今でも結構鮮明に覚えてるけど、レンタカーを借りてサーキットの中で寝泊まりしたわけですが、駐車場がコース内のパドック近くにあって寝るときも爆音が鳴り響き、当然だけど起きた瞬間も爆音が鳴り響いてる、、、。人は爆音になれすぎると、それが心地よくて逆に眠くなってくる。そして、それが24時間続くレース、意味分からないよなぁ。

あの時も3時くらいに目が覚めて、メインスタンドで真夜中に走りまくるレーシングカー（とは言っても、スーパー耐久は市販車を限界までチューニングした車だけど）をぼんやり見つめてた。そもそも、コースをぐるぐる走り続けるレースという存在も興味のない人には面白さが理解できないみたいだけど、24時間レースなんてさらに意味が分からないだろうなぁ。まあ、限界にチャレンジしたいんだよな、人は。そして、それを熱狂的になれる人がいるから成立するんだろうな。メディアセンターの外で床に寝てるメディア関係者の姿を見ながら、そんな哲学的なことを考えていた。

結局、24時間レースを現地で観たのはその年だけ。観る方も結構大変なんだよ、24時間レースって。小さいレンタカーで車中泊を選択してしまったから余計に大変だったからなぁ。そして、2020年のル・マン、現在日本時間で5時40分だけど、残り時間は15時間50分だそうです、まだまだ序盤じゃねーか。トップは7号車 Toyota TS050 - Hybrid、トヨタにとっては3連覇がかかっているレースです。同じくトヨタの8号車はなんかトラブルで9分くらいピットストップしてたけど、現在2位です。トヨタにとってはあの時、十勝で優勝したハイブリッドスープラがあって、今のル・マンがあると考えると毎年熱くなっちゃうんだよねぇ。例え、ライバル不在だとしても。

ああ、外が明るくなってきた。あの火災警報器の誤報は何だったんだろう。まあ、いいや、なんかよくわかんないけど散歩でもしてこよ。