「Lucid dReaming / RND.K feat. 鏡音リン・レン」を100倍楽しんで聴くためのnote

こんばんは、ゆこなるです!

暑いですね!
東京ではほんとに12月かよと思うほどのHOTなお天気が続いていますがみなさんいかがお過ごしでしょうか? わたしはさっきお風呂屋さんに行って茹で寿司になってきました。お風呂さいこう!

さて、本日公開されましたRND.Kくんの新曲Lucid dReamingの作詞をしました! 曲も動画もやべえぜ!!
この記事では楽曲公開記念として、この曲の歌詞についていろいろ書こうと思います。お付き合いよろしくお願いします!

はじまり

RND.Kくんから作詞のお誘いをもらったのは昨年10月頃のこと。
UTAU音源・無音ムセンくんの10周年を控え、中の人を囲い込みスタジオに閉じ込めて収録した帰りのことでした。

トリキで焼き鳥をたらふく食べている間、RND.Kくんから「実はちょっと厄介な作詞を抱えていて詰んだので手伝ってもらえないか」と声をかけられたので速攻快諾。
その後に届いたのが、この曲のデモとこんな文面でした。

リンレンメロダブ作詞

テーマ : 夢
ストーリー : 離れ離れで暮らしている二人=リンレンが、夢の中でだけは再会できる。

 1番→会えない悲しみと夢への期待
 Drop以降→出会えた喜び
 2番→不安を受け入れて生きていけるよ
みたいな

文面そのまま(許可取り済みです)

わたしは思いました。結構ガッチリ固まってんじゃん!!


デュエット曲、メロディの交錯、レンくんパートのラップに近いフレーズ……等々、ゆこなるにとって初挑戦な内容が盛りだくさん。もともとはRND.Kくん側で歌詞を書くつもりだったようで、冒頭部分の歌詞も決まった状態でした。
つまり、わたしの仕事はある程度決められたテーマから歌詞を膨らませること。

やったことがない内容だったのでかなり苦戦しましたが、そのぶん良いものになったなあと思います。
(とはいえわたしはアイデアを広げる手伝いをしただけで、実際はRND.Kくん自身のアイデアや最終的な調整がこの曲のクオリティのすべてを決めてます。偉大!)

かけあい

この曲で特徴的なのは、何と言ってもリンちゃん・レンくんの歌のかけあいでしょう。複雑なメロディが絡み合っていてめっちゃ聴きごたえがありますよね!
とくにサビなどはふたりとも全く違うメロディを歌っているのに一体感あるのすごすぎる。頭の中マジでどうなってるんですか??

ふたりの歌う旋律があまりにも異なっていることから、わたしは作詞の時勝手に勝手に「本来リンちゃん単体・レンくん単体の別の曲だったのが、いろいろあって一つの曲として合体することになった」と想定して歌詞を書いています。
イメージとしてはパラジクロロベンゼン・アンチクロロベンゼンの関係性、もしくはある調味料さんの楽曲の歌詞などが近いでしょうか。


そんなわけでリンちゃんパート・レンくんパートは別々に書き進めていったのですが、デュエット曲である以上二人で同じフレーズを歌うこともあります。なので違うフレーズを歌っていた二人の歌が重なり合って同じ歌となったときの親和性もかなり意識しました。
こういうことをうまくできたのは、やはりある程度ストーリーの骨組みができた状態で指示をいただけたからなのかな……と思っています。歌詞を書くのにもプロットって大事なんだな~と学びを得ました。
自力でイチから歌詞書く時も、ざっくりとでもプロット決めてから取り掛かろうと思います。

元ネタ

実は、この曲の歌詞には事前にもらったストーリーや指示の内容以外にも(ゆこなるが勝手に)念頭に置いていた元ネタにあたるものが存在します。
それがラジオ番組「JET STREAM」、およびその冒頭ナレーションです。

遠い地平線が消えて、

深々とした夜の闇に心を休めるとき、

はるか雲海の上を音もなく流れ去る気流は、

たゆみない宇宙の営みを告げています。

満天の星をいただく果てしない光の海を、

ゆたかに流れゆく風にこころを開けば、

きらめく星座の物語も聞こえてくる

夜の静寂しじまのなんと饒舌なことでしょうか。

光と影の境に消えていったはるかな地平線も、

瞼に浮かんでまいります。

「JET STREAM」 冒頭ナレーション / 堀内茂男

JET STREAMはTOKYO FMをキー局として平日深夜に放送されている番組。
クラシックやイージーリスニングの楽曲を1時間じっくり楽しめる超素敵な内容なのですが、その特色はなんと言ってもその一貫した世界観にあるといえるでしょう。

この番組は1967年(!!!)の放送開始から現在まで続く長寿番組。現在は複数のスポンサーがついていますが、基本的には日本航空の一社提供で放送されています。
そのためか番組のテーマは一貫して「夜間飛行」。ナレーターは飛行機のパイロットとなり、リスナーの我々は穏やかな音楽の旅に出ることとなります。

わたしは高校生の頃、深夜の別番組を待っている間に偶然耳にしたのがきっかけでこの番組と出会いました。いまも時々眠れない時にアーカイブを聞いています。

世界中の美しい光景をバックに静かに流れる1時間、めちゃくちゃ良いので是非。現在もTOKYO FM系列で放送されていますし、初代機長・城達也さんの代のアーカイブはCDも多く出回っています。気になる方は是非探してみてくださいね。
……ってまずいな、このままじゃラジオ番組のダイマになっちゃう!


初めてデモ音源を聞いた時、そのドラマチックな曲構成やテーマから真っ先にこの番組を思い出しました。歌詞の内容自体もかなりオマージュを捧げています。最終的にふたりで飛んじゃってるところとか特にね。
離れ離れのふたりが深夜にラジオをつけて、同じ音楽を聴きながら想像の世界へ旅に出る……。めちゃくちゃ良くないですか?

この記事の最後に「Lucid dReaming」の歌詞を載せます。もしよければ実質的な元ネタとなった「JET STREAM」のことも念頭に置いて、もう一度曲を聴いてみていただけたら嬉しいです。


――――――

ということで、「Lucid dReaming」の歌詞についてでした!

投稿直前に本人が「自信作」と言っていたのが、作詞でかかわった身としてめちゃくちゃ光栄でした。ヤッタ~!
デモの段階で神曲とわかるこの曲を最高の内容にできるよう、わたし自身も悩みながら歌詞を書きました。いろんな人のところに飛んでいって、寂しい夜を支えられるような存在になってくれたらうれしいな。

どうぞよろしくお願いします!


真夜中 目を閉じる前に
遠くの星空に祈る
いつかは届くと信じて
今日も 夢に
願いを込め 眠りに就く

聞こえるかい?
はかない思いが
瞼の裏に
またたき 尾をひいて
響いた

そう 私たちは
いつも夢をみる
「会いたいよ」
同じことを変わらず呟いて

真夜中 目を閉じる前に
遠くの星空に祈る
こうしてまた会えたならば
それが 君のまぼろしでも
手を握るよ

聞こえるよ
君のその声が
遠くて近い
ぬくもりを分け合う

いつでも同じ夢をみる
夜の隙間のひかりに沿って
「じゃあ、またね」
空に彗星
あしたはきっと
どこまでも行こう

僕たちは
二人でひとつ
夢の中
思い通り
願いを込め 眠りに就く

What's up, 調子はどうだい?
脳内で感情が渋滞
憧憬と後悔でいっぱい

ここからじゃ聞こえない
声ももう届かない
離れ離れのThis night

送信ボタン躊躇うLine
曖昧な思考が揺蕩い
独りじゃ思いわずらい

枕元射すStarlight
夜空に散っては
またたき 尾をひいて
響いた

「会いたい」

夢をみる
いつからだろう
君のことだけ考えるんだ

ここから駆け出したって
触れることさえもできないけど

僕たちは
二人でひとつ
暗闇に
とけるようなまぼろしでも
手を握るよ

All right? 今夜はどうだい
僕の瞳映す虹彩
惹きあった世界 You and I

尋常な感情が膨大
終末世界を巡回
かさなって二人のMidnight

きらめく物語の雲海
着の身着のままでフライト
僕と君いつもショー・タイム

僕らを照らすStarlight
こころの奥の
ぬくもりを分け合う

いつでも同じ夢をみる
夜の隙間のひかりに沿って
「じゃあ、またね」
空に彗星
あしたはきっと
どこまでも行こう


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