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【RiJ2021冬】Touhou Luna Nights のRTA 見どころとか

こんにちは。YKNと申します。
この度RTA in Japan 2021 winterというすごいイベントにTouhou Luna Nightsというゲームの走者として出させていただくことになりました。
本記事ではこのゲームのRTAのルールとか難所の紹介をしていきます。

はじめに

Touhou Luna Nightsは2019年にTeam Ladybugによりリリースされた、東方Project二次創作の2D探索型アクションゲーム(いわゆる"メトロイドヴァニア"系)です。
ちなみにSteam、Xbox One(Microsoft Store)、Nintendo Switchにてダウンロード版がリリースされています。あと箱だとゲーパスに収録されているらしいです。
PV: https://youtu.be/VCfO9quNN5g

RTA in Japan 2021 winterではこのゲームを「Reverse Boss Order (略称RBO)」というカテゴリで走ります。
一般的なルールの「any%:なんでもあり」や「NMG (No Major Glitches):バグ無し」とは異なる少し変わったカテゴリなので、レギュレーションも含めて色々と説明していこうと思います。

より詳しい内容を知りたい方はこちらもどうぞ↓
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自己ベスト動画(youtube)

※以下の内容からゲームやRTAのネタバレが含まれますので気にする方は注意してください。

ルール

カテゴリ名:Reverse Boss Order (略称RBO。以降こちらで表記します。)
読んで字のごとくボスを逆順で攻略するという特殊なカテゴリとなっています。
このゲームは探索型アクションではあるのですが、次のステージに行くためには今いる面のボスを倒して鍵などのアイテムを入手しなければいけない設計になっています。そのため通常の攻略ではボス戦の順番は固定されていますが、本カテゴリでは色々な悪さをしてボス戦をスキップしまくり、逆回りに攻略していこう、というものです。

ちなみに通常の攻略で戦うボスの順番は、
1. 紅美鈴(ほん めいりん)
2. 霧雨魔理沙(きりさめ まりさ)
3. パチュリー・ノーレッジ
4. レミリア・スカーレット
5. 河城にとり(かわしろ にとり)
6. フランドール・スカーレット
7. チルノ
8. 博麗霊夢(はくれい れいむ)
となっています。

これがRBOだと、
1. 紅美鈴
2. 博麗霊夢
3. チルノ
4. 河城にとり
5. フランドール・スカーレット
6. レミリア・スカーレット
7. パチュリー・ノーレッジ
8. 霧雨魔理沙
という順番になります。

聡明な方は「逆順じゃないじゃん!」とお気づきになられたと思います。その通りです。
本ゲームのRBOでは完全な逆順で攻略することはできず、一部のボスには例外が認められています。理由を含めて以下にまとめます。
・美鈴
1面のボスだが、現状スキップする手段が見つかっていないため、本来は最後に倒さなければいけないところを最初に倒すことが認められている。
・にとり→フラン
シナリオ上連戦のため、逆順で戦うことができない。

以上が大まかなルールとなります。
ちなみにタイマースタートは「New Gameを選択した瞬間」、タイマーストップは「霧雨魔理沙を撃破した瞬間」と定められています。

難所&テクニック紹介

そんな特殊なカテゴリRBOですが、当然(?)バグを利用したテクニックを駆使して攻略していくこととなります。これらの技は先人の調査や知恵が集まったものなので結構色々とあるのですが、その中でも目立つものをいくつか紹介していこうと思います。
中には成功率があまり高くないものや運要素が関わるものもあるので、それらを知っておくと本走をみたときに少し楽しみが増えるかもしれません。
テクニックの名称については英語のものがほとんどですが、ここでは日本語に置き換えてます。

イエロースキップ

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3面冒頭で使用するテクニックです。本来3面は2面ボスを撃破することにより入手できる「黄色い鍵」を持っていないと先に進むことができません。しかし、RBOだと2面ボスは最後に戦わないといけないので「黄色い鍵」はどうやっても入手することができません。
したがって、「黄色い鍵」無しでも3面を進めるようになる「イエロースキップ」は本カテゴリにおいて進行するために必須となっています。

細かい手順や原理は省きますが、大体の流れを説明すると、
・2体の妖精(エネミー)をいい感じの位置に誘導する
・妖精の攻撃を誘発し、壁際にシャボン玉を配置する
・咲夜(自機)はシャボン玉に向かってスライディングをヒットさせる
・当たりどころがいいと壁抜けが成功
以上のようになります。
壁抜けが成功すると、地図上で一つ右のフロアへ一気に移動することができます。もちろん「黄色い鍵」も不要です。

先述したように「イエロースキップ」は必須の技なのですが、いくつか難しい要素があります。
一つ目が妖精誘導のランダム性です。妖精系のエネミーは自機を追従するように移動する習性があるため、自機を上手いこと動かすことである程度制御できます。しかし、その移動習性に加えて若干のランダム移動があるようで理想の配置にならないことがしばしばあります。(ちなみに理想の状態は2体の妖精のグラフィックがぴったり重なること)。妖精の位置によってはどう頑張っても壁抜けが成功しないので、最悪の配置パターンを引いてしまった場合には仕方なくフロアの再入場をしなければなりません。もちろんタイムロスになります。
二つ目はシャボン玉へのスライディングです。詳しい原理は割愛しますが、壁抜けを成功させるには一度に多くのシャボン玉にスライディングをヒットさせる必要があります。幸い、咲夜(自機)には時間停止の能力があるので複数のシャボン玉を一か所にまとめることはそこまで難しくはありません。それでもスライディングの当たりどころが悪いと壁抜けに失敗して積み状態になってしまいます。そうなったらリセットして最後にセーブした地点まで戻らないといけなくなるので大きなロスとなってしまいます。

グリップクリップ

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3面で入手できるアイテム「グリップナイフ」を利用した壁抜けテクニックです。
「グリップナイフ」とは時間停止中のナイフに足場及び壁判定を付与させるアイテムで、本来はナイフを足場にして探索範囲を広げるという用途で使われます。「グリップクリップ」はこの「グリップナイフ」を利用したバグ技で、「グリップナイフ」とマップ上の壁に挟まれることで壁抜けをすることができます。基本的には右側に壁がある状態でないと壁抜けできませんが、この条件さえ満たしていればマップのほぼ全域で壁抜けが可能になるという非常に強力なテクニックです。
本RTAでもボス戦のスキップや道中のショートカットなど、あらゆる場面で使用されます。

ちなみに筆者はこの技が苦手なので、本番はミスしないように応援してあげてください。

クラゲクリップ

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4面で使用される、これまた壁抜けのテクニックです。
手順は簡単で、時止め中に所定のポジションでしゃがみ、時止め解除するだけです。落下してくるオブジェクトに自機が押しこまれ、その勢いでクラゲ(エネミー)に被弾することで壁抜けします。イエロースキップと異なりカテゴリの進行上必須のテクニックという技ではないのですが、成功すると道中かなりのショートカットになります。
ただし、簡単な手順とは裏腹に成功率100%というわけではありません。オブジェクトが落下して自機が押し出されるまでの間に、クラゲが上空に跳ね上がる(自機から離れる)モーションをすると自機は被弾することができずに壁抜けが失敗してしまいます。そしてクラゲの動きはプレイヤー側から完全に制御することはできません。要するに運ゲーです。(クラゲのホッピングを抑制するテクニックもあるのですが、これも確実な技ではないためどうしても運ゲーの要素が残ってしまいます)
クラゲの機嫌次第では遠回りした方がよかったと思えるレベルでタイムを溶かされる危険性のある恐ろしい技です。

紫扉スキップ

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5面で使用される扉抜けのテクニックです。
本来紫色の扉の先に進むためには、少し離れた場所にある「紫の鍵」というアイテムを回収する必要があります。この回収時間が勿体ないので、先述の「グリップクリップ」を応用した技で紫扉の向こう側へ強引に進みます。
手順は紫扉から若干離れた位置で時止めし、その場二段ジャンプを4回したら左上へジャンプするだけ。「紫扉から若干離れた位置」というのが少し曲者で、ピクセルパーフェクトほどの精度は必要ないものの、少しズレると失敗してしまいます。また、1回のセットアップにかかる時間が長めで、失敗したときのロスが大きいのでリスクのある技です。

真エンディング呼び出し

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名前の通り真エンディングを呼び出すテクニックです。このカテゴリを象徴する非常に強力な技の一つです。
エンディング呼び出しといえばメモリ破壊など高度な技術を使って引き起こすイメージが大きいと思いますが、本ゲームでは特定の座標に移動するだけでお手軽に発生してしまいます。その座標とはラスボス手前のフロアの左上端なのですが、ここに行くためには壁抜けが必要なのであらかじめどこかで「グリップクリップ」をしておきます。
本カテゴリRBOはクリアの条件が「エンディングを見ること」ではなく「規定の順番でボスを倒すこと」なので、このバグを起こしてもタイマーストップとはなりません。まだまだ続きます。
このバグを起こす目的は、裏面クリアのフラグを立てることと、エンディングムービー終了後に6面のラストフロア前へワープすることの二つです。このワープを利用することで様々なイベントを無視して裏ボスである霊夢と戦うことが可能となります。

霊夢戦

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難所の一つです。
RBOというカテゴリの性質上、序盤に戦うボスほど苦戦を強いられます。1面ボスの美鈴は通常攻略と順番は変わらないので難易度はさほどでもないですが、その次に戦う相手の霊夢は裏ボスなので非常に強いです。
もちろんRTAなので勝つための戦闘チャートがあるのですが、こちらが低レベルで防御能力が低いため、少しのミスが大ダメージひいてはゲームオーバーに繋がってしまいます。油断はできません。
ちなみに上の動画の技は本カテゴリだと喰らうと即死します。(こちらのHP100に対して合計104ダメージくらいます)

水クリップ

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6面で使用される水オブジェクトを利用した壁抜けテクニックです。
スネイル(時間の流れをゆっくりにする能力)を使用している間に画面端でジャンプし、水面が一定の高さになったところで時止めをすると右側に壁抜けします。こちらも細かい原理の説明は割愛します。
霊夢を倒した後、次のボスであるチルノを倒しに行く道中をショートカットすることができます。
水の動きが不安定なため、水面の位置をおもったように調整できず失敗しやすい技です。

ショップワープ

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「ショップチケット」を利用したワープテクニックです。ちなみにバグ技ではありません。
真エンディングを見ると、おまけモードとしてボスラッシュが解放されます。ボスラッシュは「ショップチケット」を使用し、ショップ画面から「BOSS RUSH」を選択することでマップのほぼどこからでも移行することができます。ボスラッシュへ移行すると専用のマップへワープし、そのマップから退出すると更に1面へワープします。つまり「ショップチケット」を1面へのワープ券として使うということです。
ワープ自体にそれなりに時間がかかる上、「ショップチケット」も使い捨てでワープの回数分集める必要があるので活用できる場面はあまり多くありません。(ワープせずに徒歩で目的地へ向かった方が速い場合もあります)

表エンディングスキップ

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「グリップクリップ」と「ショップワープ」を組み合わせた、エンディングイベントを丸々カットする大技です。成功した場合、通常に進行させた場合よりも2分30秒程度タイムが短縮されます。
表ストーリーのラスボスであるフランを撃破すると、そのまま表エンディングが始まってしまいます。そこで撃破後の会話イベントが発生する前に先述の「ショップワープ」のテクニックを割り込ませることでエンディングイベントを全てスキップすることができます。
ただし、ラスボスのフロアでは「ショップチケット」を使うことができないという仕様があるので、「グリップクリップ」で無理矢理ラスボスのフロアから脱出し「ショップチケット」を使用可能な状態にさせています。
今まで存在は知られていたものの、成功率があまりにも低い技だったため敬遠されていた技ですが、最近になって安定して成功させる手順が発見されたため実用化されました。

おわりに

以上が大体のテクニックの紹介になります。本番ではこれら以外にも色々なテクニックを駆使して攻略していきます。楽しんでいただけたら幸いです。

RTA in Japan 2021 winterは日本時間で12月26日(日曜日)の昼12時から開始し、私が走るTouhou Luna Nightsは1日目である26日の20:53頃からのスタートを予定しています。よろしくお願いします。

ではでは~