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YKJUN18|作品感想

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作品を観て・読んで、「ここ好き」と思ったこととか、「ここ不満」 と思ったこととか。  ★5=期待以上 ★4=満足 ★3=好し悪し半々 ★2=不満が大きい ★1=不満しかない
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#海外ドラマ

『タイタンズ〈シーズン4〉』感想

お気に入り度:★★★★・ 4 / 5  2018年から始まった『タイタンズ』の最終シーズン。ただし、脚本家たちが次のシーズン5のアイディアを出し合った後に、シーズン4が最終シーズンになることが決まったんだそう。そんな経緯を辿ってはいるが、しっかり最終シーズンらしい内容に仕上がっていたと思う。 戦闘シーンがイマイチだとか、ジンクスの扱いが悪いだとか、コナーの闇堕ちが唐突だとか、犬の活躍がないだとか、不満もあるにはある。けれど、若きヒーローたちの活躍と、人が備える善と悪の二面

『タイタンズ〈シーズン3〉』感想

お気に入り度:★★★★・ 4 / 5  2年越しの新シーズンだけあるのか、それともHBO maxに移籍したからなのか、これまでよりも段違いで面白い。相変わらずDCコミックスの知識がある程度必要な「DCコミックス中級者以上向けエルス作品」といった作りだが、ちゃんと熱くて泣けるヒーロードラマに仕上がっている。 こうも面白く感じられるのは、物語の進行が小気味良いのは勿論のこと、犯罪都市や宇宙など登場人物ごとに背景の世界観が異なりながらも、物語の中心軸である「タイタンズ vs レ

『ブラックライトニング〈シーズン3〉』感想

お気に入り度:★★★★★ 5 / 5  シーズン3は、『ダークナイト・ライジング』や『ゴッサム〈シーズン5〉』の原案となった『バットマン:ノーマンズ・ランド』のブラックライトニング版だ。外部と断絶された街を舞台に、引き離されたヒーロー家族、苦しむ市民、権力をめぐり争うギャング、暗躍する政府機関、野望を抱くテロリストなど、様々な人間の思惑が絡み合う。 『ブラックライトニング』は脇役が印象的なシリーズだと思う。A.S.A.を率いるオデルほど嫌な人物は見たことがない。対マルコビ

『ARROW / アロー〈シーズン8〉』感想

お気に入り度:★★★★★ 5 / 5  第8話にあたるクロスオーバー・イベント「クライシス・オン・インフィニット・アース」を山場に、それに至るまでの7話と、後日談2話で構成される『ARROW /  アロー』ファイナル・シーズンの感想。 第1話から第7話までこれまでオリバーは、死んだ家族や仲間からバトンを受け取って人生を歩んできた。それがシーズン8では、オリバーの方がバトンを渡す側となる。懐かしい人物も登場し、本当に最終シーズンらしさを感じる。各話のタイトルカードにシーズン

『ザ・ループ TALES FROM THE LOOP』感想

お気に入り度:★★★★★ 5 / 5  ロボットや並行世界など、様々なSF的題材を扱ったオムニバス形式の群像劇。だが、SF作品という感じはあまりしない。なぜなら、先端技術や超常現象について、作中で理屈的な解説がされないから。最も重要なループの設定ですら「宇宙の謎を解き明かそうとしている」と大雑把なものである。危険な機械がその辺に放置されているのなんて、どうにもおかしい。 しかし、そんなツッコミは野暮だ。本作が描くのは、恋愛や孤独、劣等感、意地など、普遍的な人間の様である。

MARVEL ディフェンダーズ系作品 各ファイナル・シーズン 短文感想

MARVELのクライム系スーパーヒーローのテレビシリーズでアベンジャーズな展開をするも、残念ながら一斉打ち切りとなったディフェンダーズ系作品の各ファイナル・シーズンの手短な感想。 『ルーク・ケイジ〈シーズン2〉』感想お気に入り度:★★★★・ 4 / 5  地面を這って生きるしかない者たちの物語だ。誰もがハッピーエンドを迎えられない。鋼鉄の男たる主人公のルークケイジですら例外ではない。キャラクターも劇伴も力強いのに世界観は刹那的。シーズン1より断然好き。 『アイアン・フィ

『タイタンズ〈シーズン2〉』感想

お気に入り度:★★★・・ 3 / 5  シーズン2はシーズン1最終話の直後、トライゴンとの決戦から幕を開ける。この辺はシーズン1の真の最終話と云える内容で、普通にシーズン1で済ませておくべきだった気がする。まあ、レイチェルとガーを助けに来たはずのタイタンズの仲間たちが揃いも揃って役に立たず、結局レイチェルとガーだけで敵を倒す展開は、最終話としてやるにはかなり微妙だが。 そうしてトライゴンを倒し、新生タイタンズが結成されると、デスストロークとの戦いが始まる。やがてタイタンズ

アローバース 第7期 感想

来期の展開にも直接関わるクロスオーバー・イベント『エルスワールド』を実施した第7期のアローバースの各作品感想。 『ARROW / アロー〈シーズン7〉』感想お気に入り度:★★★★★ 5 / 5  『ARROW / アロー』はこれまでに「贖罪」と「意志の継承」の物語を描いてきた。シーズン7はその集大成と云える内容だ。シーズン前半ではオリバーが刑務所という正に贖罪の為の場所にいて、シーズン後半ではオリバーが自らも当事者である暴力の連鎖を断ち切るという使命を帯びる。また、オリバ

『GOTHAM / ゴッサム〈シーズン5〉』感想

お気に入り度:★★★★・ 4 / 5  バットマン出現前のゴッサム・シティを舞台に、そこに住まう人々の姿を描いた実写テレビシリーズの最終シーズン。本編11話+後日談1話の計12話で構成される。街としての機能が失われた秩序なきゴッサムで展開される緊迫感漂う本編が面白いのは勿論のこと、後日談では遂にあの姿が……。 ゴッサム・シティ。あまりに狂気が蔓延りすぎて、真っ当に生きる市民が全然見当たらず、いっそ滅んだ方がいいんじゃないかと何度も思えてしまうような街。そんなゴッサムの市民

『ブラックライトニング〈シーズン2〉』感想

お気に入り度:★★★・・ 3 / 5  シーズン2は2~4話完結型の構成が取られており、シーズン1よりも物語にメリハリがあったように感じる。全員がスピードスターなギャングとの戦い、高校生カップルの逃避行、政府に造られたマスターズ・オブ・ディザスターなるけったいな名前の極悪4人組能力者の復活など、『アロー』や『フラッシュ』では見たことのない物語が楽しい。 一方で、登場人物があっさり死にすぎるのが難点。シオナイドの退場の仕方なんてあんまりだ。中には、あっさり死ぬだけでなく、た

『クリプトン〈シーズン1〉』感想

お気に入り度:★★★★・ 4 / 5  滅亡前のスーパーマンの故郷 クリプトンを舞台としたSF叙事詩。観る前は「架空の星が滅亡するまでの歴史物語なんて面白いのか」などと思ったが、いざ観てみると、面白い。スーパーマンの活躍する時代からやってきた未来人の存在によって、スーパーマン版『ターミネーター』のような物語となっている。セグがサラで、アダムがカイル、スーパーマンがジョンだ。 正直なところ、最初の2話はクリプトンの状況説明が主で、あまり面白くはなかった。しかし、クリプトン滅

アローバース 第6期 感想

クロスオーバー・イベント『クライシス・オン・アースX』を実施した第6期のアローバースの各作品感想。 『ARROW / アロー〈シーズン6〉』感想お気に入り度:★★★・・ 3 / 5  シーズン6は、オリバーの5年前を描いた過去編がなくなった分、オリバー以外の登場人物に割かれる尺が若干増えたように感じる。メインヴィランも複数登場し、前半ではサイバーテロリストのケイデン・ジェームズが、後半ではスター・シティを影で支配するリカルド・ディアスが立ちはだかる。 ケイデンとディアス

『タイタンズ〈シーズン1〉』感想

お気に入り度:★★★・・ 3 / 5  DCコミックス専門配信サービス「DC Universe」のオリジナル実写作品の第1弾。DCコミックスのファン向けな作りをしていて、ヴィジランテに悪魔に宇宙人にアマゾン族と、DCコミックスのあのキャラこのキャラがぞろぞろ登場するので、DCコミックス満足度が高い。人里離れた洋館で共同生活を営む異能力集団 ドゥーム・パトロールには、センス・オブ・ワンダーを感じた。 本作で描かれているのは、自分の中に存在する自分でも未知の部分に対しての苦悩

『パニッシャー〈シーズン1〉』感想

お気に入り度:★★★★・ 4 / 5  帰還兵の悲劇に焦点を合わせている本作は、「帰る場所」が物語の主要なテーマだ。帰る場所の無い者、帰れない者、他人を犠牲に自分の居場所をつくった者……登場人物を対比することで、それぞれの人物像を掘り下げる。パニッシャーと彼と手を組むマイクロの相棒劇が特に良かった。 本筋とは別に用意された、アメリカで社会問題となっている銃規制を扱ったエピソードも印象に残る。銃規制問題については、『パニッシャー』と同じくクライムファイター系のヒーロードラマ