☆与信管理
☆与信管理について
海外に出て行く企業それも体力がまだない中小企業はちょっとしたことで、会社の資金繰りに困ることが出てくる。特に、客先からの入金が滞ることだけは避けたいし、早期に入金されるよう解決したい。
偉そうにいう僕も、アメリカで事業を開始するようになって、幾度も期日どおりに入金されないケースを経験してきている。今回は、そのできる限りの対策とその心構え、また支払い遅延時の対応について数回に分けて共有しておきたいと思う。
まず、経験則からアメリカローカル企業の支払いは非常にルーズだ。
支払い期日から2、3日から1週間程度は何も言わずに遅れてくる。
もちろん期日どおりもしくはそれ以前に支払うということを売り文句にしている
企業もあるが、売り文句になるぐらいルーズだ。
対策としてやれることは、
①相手企業の情報収集
②きちんと会っておく
③契約書の徹底
①相手企業の信用情報をきちんととってリスク分析をしておく
日本の帝国データバンクの発行する信用調査票のようなものが、アメリカにありいわゆるクレジット調査会社が数多くある。
Dun&Bradstreet (以下、D&B)
http://www.dnb.com
が一番有名で、
Googleで”Credit report company”と入れるだけでも
他にも多数ヒットしてくる。彼らの発行する報告書の内容は、
調査対象企業の財務状況や過去の取引から支払いリスクを分析したもので
過去の支払い遅延や訴訟の情報まで入っているので(報告書による)、リスク
分析には役に立つ。過去に支払い遅延のある企業とは取引しないという判断もできる。一部($65前後)買うと、翌日にはD&Bの営業担当から電話がかかってくることがあり、「5コピー(1年間有効)で$250でどうだ!!?」などとディスカウントが入るので、色々と賢くつかうとお得かもしれない。
しかし、ビジネスはリスクの上に成り立つものもあるはずで、
お客様を選んでばかりではビジネスにならないことも事実だ。
②のきちんと会っておくについてをお話しておきたい。
そう、取引前にきちんと担当者やSmall Compnayであれば社長にも簡単に
会えるはずなので会っておく。
会った際に、彼らの所在地、オフィス、彼らの雰囲気や世間話し程度に今までの支払い問題や顧客からのクレームなどの有無や対応についても聞ければベターである。
理由は、支払い遅延や何らかのクレームが発生した際に彼らときちんと解決ができるかどうかを事前に予測しておくことが必要なのである。
オフィスがないかもしれない、そもそも会社がないのかもしれない、支払い遅延が当たり前の会社かもしれない(ここまでは①のCredit Reportで判明すると思いますが)、悪い人たちなのかもしれない、こういうことを事前に見ておく必要がある。
見た後は直感に従って、彼らとビジネスをやる、やらないを決めていく。
やる場合でも、感じたリスク度合いに応じ、間に信用できる会社(問屋、ブローカー、商社)などを入れたり、直接やる場合は、決済は前金にするかなど可能な限りリスクヘッジをしておくこと。
僕の場合も、決済を前金にしたり、製品出荷と引き換えにする会社もあります。断わられたら?そういう会社です。
本当に欲しい製品で、長い取引を希望するのであれば相手は受け入れてきます。
そして、どこかで取引条件の緩和を求めてくるのが大抵です。
③契約書の徹底
米国では契約書には生活の至る所で見ることになります。
住居賃貸契約から始まり、医療を受ける際にも!!
日本では、賃貸契約は大家さんとの間に不動産代理店が仲人してくれるのでお任せモードでしょうが、こちらは(もちろん代理店さんもいますが)契約者本人の契約の確認と意思がとても重要になってきます。最終的に何か問題があった際に、「サインしたのはあなたですよ」というところに行き着くことになるのです。
つまり、逆のことが言えるようにしっかりと契約書は完備しておきましょうということです。Credit Application*, メールの履歴(何でも文書に残すのが良い)、発注書、製品保証書(問題が発生した際の責任の所在)は最低限しっかりしたほうが良いです。*Credit Application : 簡単にいうと、個人のクレジットカード申込書の法人バージョンです。取引申込者の法人の情報、取引先情報、銀行口座情報などを記入してもらいます。ポイントは、支払いが遅延した際に、どういう対応をするか承認を得ておくことも必要です。私は債権回収業者に依頼するつもりなので、その回収費用も請求するよ〜!と伝えています。あと有効なのは、遅延ペナルティーですね。遅延したら、遅延後から日毎、週ごと、月ごとに請求額の何%の請求をしますとCredit Applicationに記載しておくのが良いです。これで私も結構遅延料もらいましたし、遅延の抑止にもつながりました。
これがサンプルです。
内容は、(取引先の相手の会社に向けて) とーふの会社は必要であれば、あなたの銀行や取引先に信用調査をお願いするし、状況によっては、突然与信をなくすことがあるから覚悟してね。もし支払いが遅れたら、1週間あたり0.25%の遅延ペネルティーもらうし、それでも支払わないときは、債権回収業社や弁護士を雇うから、その費用はきちんと出してよね、です。
自由に使ってください。
The undersigned individual, who is either a principal of the credit applicant or a guarantor of its obligations, provides this written instruction to 自分の会社名 .(hereby called 会社の略称), or its assignees, authorizing them to obtain and use his/her personal credit profile from a national credit bureau. Furthermore, 会社の略称 is hereby authorized to request credit information from the bank and trade references provided on the above form. 会社の略称 reserves the right to revoke at any time upon demand all extensions of credit and/or rquire that further services be made on a C.O.D. basis. Should 会社の略称 deem it necessary to turn account over for collection, the customer agrees to pay any collection costs incurred to collect any unpaid baalance, including interest (weekly rate 0.25% ) on the unpaid balance (late payment charge) as allowed by Federal and State law and any reasonable attorney's fee that may be incureed by 会社の略称, in protecting, or enforcing any of its right under this agreement.
以上、きちんと会っておき、直感からビジネスをする、しないを決める。
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