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展覧会への単なる感想

展覧会の感想を記事にするのなんて久しぶり。

ものすごい展示だった。快楽、恐怖と不安、苦しみ、そして、はちゃめちゃな面白さ!

「日本現代美術私観:高橋龍太郎コレクション」に行ってきました。東京都現代美術館です。

高橋の「私観」による戦後美術史は、彼の個人的な出会いから編まれたもので、美術館の語ってきた美術史とは異なる趣を持っています。

1. 胎内記憶

美術史が好きだったり、サブカルチャーに足を突っ込んだ経験がある人に特におすすめしたい。

ただ、刺激の強いものが半分くらいを占めるので、向き合い続けていると大変体力を消耗します。

でも空腹で行くと、作品の世界により浸れるような気がして私は好きです。

他の展覧会で観たことのある作品もあって、あれもこれもそれも高橋さんのものだったんだ…とはなった。すごい人だ。コレクターの展示であるという性質は一旦のぞいて、心に残った作品を忘れないように書いていく

感想

空山基氏
メタリックは女性の体をとても美しくロボットのように魅せる。そこにある凹凸を包み隠さずに
日本で最初のメタリックは、螺鈿細工だったりしない?って最近思ってる。

撮影禁止だったので、二つ前の個展のリンクを。

合田佐和子氏
どの作品も瞳が悲しい。押し込められていて、どこにも行けない。
しかし艶かしさが行き過ぎると、案外そうでもなく感じるのは不思議だなと思った

こちらは回顧展の図録リンクを。

会田誠氏

《紐育空爆之図(にゅうようくくうばくのず) (戦争画RETURNS)》1996年

ニューヨークの街と空襲

天明屋尚氏
描く道具を変え、モチーフを一部変えて過去の作品を現代に生き返らせるのが面白い

《ネオ千手観音》2009年
岩絵具ではなくアクリル絵の具で描いている

やなぎみわ氏
作り込まれた構図の写真に強く惹かれた。
いつも笑顔のエレベーターガールが憂鬱な表情を見せることで、そのギャップに特別感を覚える

《案内嬢の部屋 3F》

[どなたの作品かをメモし忘れてしまいました。あとで必ず追加します]氏
制作過程として、まず少女の人形を作り、それを絵に描いているという。
手間がすごい。
肉と骨、質感。
骨への安心感。

ざらつきは人形らしさを感じさせる
犬の骨
繊細なまつ毛
犬の骨と少女の髪の毛

鴻池朋子氏
2020年9月のアーティゾンでの個展、「ちゅうがえり」から気になっている方。とても鴻池朋子さんらしい作品があって嬉しくて、楽しかった。

《皮緞帳》 2015年

雑談
この時点で作品たちの圧がとてつもなくて、30分くらい椅子で休憩したりしている。ありがたい話です、ほんとうに。

作品に対する感想とはズレるけど、好きな美術館の近くには住みたくないように思う。

観ることではなく、つくることを生活の一部にしたい。

それに、少し遠くまで出向いて出会う作品の方がなんだかワクワクする。

閑話休題

梅沢和木氏
最近よく見かけるバグやグリッチ表現か?と思いきや、自らの筆跡をPhotoshopで加工して作品に使っているそう。好き。

《ジェノサイド(抹殺)の筆跡》2009年

川内理香子氏
内臓のきらめきについて私も最近考えていたので、ヒントをもらえた。

《stars》2019年

最近焼肉食べたとき、ハラミが美しすぎて思わず撮影。宇宙があるみたいにきらめいてキレイ。普段見ることのできない内蔵だけど、私の体内もこんなにキレイだといいなあ、と思った

最近食べたハラミ

[どなたの作品かをメモし忘れてしまいました。あとで必ず追加します]氏
金木犀の葉の葉脈を加工して繋げた織り物。
圧巻

ここに載せたような作品がある一方、何度観ても、アーティストのルーツを知っても、分からない作品はあると思う。
実を言うと、草間彌生氏やアート・コレクティブ Chim↑Pomの作品がまだ分からない。私にはまだ早いのか。10年後観たらどう思うかな。

会期11月までなので、観に行ってみてください。他にもここに載せきれない、というか載せづらい作品がたくさんあるのでぜひその目で

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