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ひょうご夏の体験デジタルパス×らくラクはりま(京都→網干→姫路)

2024年夏に発売されている
「まるっとひょうご夏の体験デジタルパス」
兵庫県内と周辺のJR各路線がICOCAで乗り放題になるのを筆頭に

  • 「神戸ポートタワー」「姫路城」などの観光施設の入場券

  • おとクーポン

  • 但馬地域の観光周遊バス「たじまわる」乗り放題

  • 神戸市内の観光周遊バス「シティ・ループ」「ポート・ループ」乗り放題

  • 三宮〜有馬温泉間の地下鉄と神戸電鉄連絡きっぷ(往復分)

これだけ付いて5500円。ICOCAの乗り放題は先に払い落とした後、使った分を「WESTERポイント」で全額還元。ポイ活にもなるし、これで貯めたポイントで特急や新幹線に乗れる。このチケットを使って乗ってみたかった特急に乗車する。

祇園祭宵山の京都駅

京都駅の伊勢丹
祇園祭のときはちょうちんがぶらさがる。

京都駅にやってきた。乗車当日は、祇園祭山鉾巡行の前夜祭「宵山」。浴衣を着た人、ラフな格好した人たちが夕暮れから夜の四条通へ繰り出す。

京都駅西口には山鉾巡行の「山」「鉾」の名前が並ぶ。毎年「くじ」で順番が決まり、今年はこの順に決定。7月17日の前祭さきまつり23基、同月24日の後祭あとまつり11基が都大路を練り歩く。

ひだや!

ボルテージが高まるのを横目に京都駅のホームへ。僕は一路西へ向かう。

今回乗るのは通勤特急「らくラクはりま」。京阪神〜兵庫県「播磨地方(県西部)」間の着席通勤ニーズに応えるべく2019年にデビュー。最初は大阪〜姫路間でスタートし、コロナ禍による密回避もあってか勢力を拡大。2024年3月のダイヤ改正から東は京都、西は網干あぼしまで延長された。朝に京都行き、夜に網干行きの1往復が運行される。

通勤特急らくラクはりま

289系
オーシャングリーンの帯は特急「くろしお」用の車両
2015年以前は北陸線で使用されていた。

19時20分過ぎ、「らくラクはりま」が7番のりばに入線。

オール和歌山

JR西日本アプリ「WESTER」のクーポン
全部和歌山。
きのくに線標準装備の避難マニュアル
和歌山にちなんでパンダのイラストで解説。

車両は和歌山への特急「くろしお」で使われる車両を活用。パンフレット類は元より、「避難はしご」「避難マニュアル」が装備。南海トラフ地震対策として和歌山のJRきのくに線(紀勢本線)では全列車にはしごが搭載されている。

オレンジのシートに包まれた「避難はしご」
これがある車両はきのくに線を走ることができる。

天井の電光掲示板に出てくる文言も和歌山県内で使えるデジタルチケットの宣伝。電車の主戦場はあくまで和歌山。「はりま」は小遣い稼ぎだ。

19:35 京都駅出発

お月さん見えてる。
いい宵山やないの。

京都駅を出発すると、お月様が顔を出す。雨上がりはけっこう晴れてるもんだ。特に夕立後。

Nidec

緑のネオン「Nidec」

向日町駅で見えてくるビル2つと緑の看板は精密機器メーカー「Nidecニデック(旧日本電産)」。向日市に本社を置いている京都発の大企業だ。

ちなみに「京都タワー」はネーミングライツで2024年から「ニデック京都タワー」に改名。創業者の大胆で常識にとらわれない経営手腕はけっこう聞くし、京都に住んでいるとすごい企業なのがよくわかる。

高槻通過

高槻を通過。北陸特急「サンダーバード」関空特急「はるか」とは異なり、停車はしない。あくまでメインは「はりま」。

高槻を通過した途端、速度が低下。「はるか」の後ろをつけた。新快速が4本/hに特急が5種、貨物もいるなど、かなり過密ダイヤだ。

茨木付近で「はるか」が貨物線へはけ、スピードアップ。京都発の「くろしお」なら同じとこへはけるが、「はりま」はフルスピードで直進する。

19:59 新大阪駅

新大阪駅
隣にいるのは特急「こうのとり」
同形式の行き別れた兄弟みたいなやつ。
淀川

20:04 大阪駅

大阪駅

新大阪、大阪と停車。大阪駅からはかなりの人が乗り込んできた。運行開始から丸5年で知ってる人は使ってるようだ。なんせ神戸、明石まではすごく混むもの。

もうすぐグランドオープンする「JPタワー大阪」
関西初上陸のたいめいけんがむっちゃ気になる。
尼崎を通過。
芦屋を通過。
短距離は快速に丸投げ。

尼崎、芦屋を通過。短距離は新快速、快速や並行私鉄に丸投げしているかのよう。高槻と同じくメインは「はりま」。

普通列車に追い抜かれた?!

三ノ宮駅手前で新快速に追いついて減速。右から普通電車に追い抜かれるという逆転現象も発生する。特急とはいえ、新快速のサブだもの。

20:26 三ノ宮駅

三ノ宮駅
元町の街並み
こんな街の中でも新快速は飛ばす。

元町界隈は新快速の後ろをゆっくり。

この付近を走ってるときに聴いたこの曲がよく似合う。都会のビル群を突っ走る新快速もいいが、ゆっくり見られる特急の方がちょうどええかもしれない。

20:29 神戸駅

神戸駅
2024年で開業150年
東海道と山陽の境界線

神戸駅に着いた。150年前の開通当初はターミナルで今に至るまで東海道本線と山陽本線の境界線となっている。
県庁所在地を名乗りつつも、三ノ宮駅が中心としての地位が高くなっている。それでも、商業施設「umie」があるし、地下街「デュオこうべ」「メトロこうべ」もある。地下鉄海岸線や高速神戸駅もある。
神戸駅負けてへんで。

新長田駅名物「鉄人28号」
JRから後ろ姿が見える。
須磨駅
海の夜景もなんかええ。
ライトアップされた明石海峡大橋
左手には「淡路SA」の灯りも。
昼間より観覧車目立つやん。

右手に明石海峡大橋。左手奥には神戸淡路鳴門自動車道「淡路SA」も見える。観覧車の明かりが輝いているのが目印だ。

山陽電車とすれ違い

20:42 明石駅

明石駅

20:46 西明石駅

西明石の車庫
紺とオレンジの普通電車の住処

普通電車の車庫が見えるともうすぐ西明石駅。大部分の特急は通過し、新幹線すら「こだま」か各停の「ひかり」しか止まらない。しかし、「はりま」を始めラッシュの特急が停車。最終と始発の「のぞみ」も数年前から止まるようになった。

まもなく大久保
京都府民、東京都民、秋田県民が5度見する。

西明石の次は「大久保駅」。新快速すら停車しない駅だが、2021年3月から「はりま」のみが停車を開始。新快速よりも上位である特急が停車する逆転現象がかなりレアだ。

20:49 大久保駅

駅前はマンションが多いベッドタウンで商業施設「明石ビブレ」も立地。新快速が通過するだけあって後者が目立った。朝方にも京都行きの「はりま」が停車する他、大久保発の普通電車もあり、住み良さそう。

新幹線に抜かれた。

20:59 加古川駅

加古川駅前のヤマトヤシキ
加古川駅
普通電車網干行きに連絡

加古川駅では普通電車と連絡。加古川駅には「はまかぜ5号(豊岡行き)」「スーパーはくと15号(鳥取行き)」も停車。この2つも夜ラッシュの特急で大久保駅以外はほぼ一緒の駅に止まる。

21:09 姫路駅

姫路駅
えきそば屋さんの目の前に停車。

京都駅から1時間半ちょっとで姫路駅に到着。名物グルメ「えきそば」の店が見えるが、僕が今夜いただいた駅弁はそれにちなんだもの。

「えきそば」を運営する「まねき食品」は駅弁屋さんも兼ねている。えきそば横で販売している他、各地の駅弁コーナーにも卸している。

まねきのからあげ弁当

ドーン!と言わんばかりのビジュアル

どこでもありそうな「からあげ弁当」だが、シンプルでインパクトあるパッケージが目を引く。

予約してる東横イン横目にしばらく乗る。

姫路駅で宿を取ったが、引き続き網干まで乗っていく。

21:14 英賀保あがほ

英賀保駅
新駅舎が建設中

姫路からは各駅に停車。いずれも特急が止まるイメージがないこぢんまりした駅だ。新快速も各駅区間で沿線には田園が増えてくる。そんな駅に特急止めさせるには度胸がある。

21:17 はりま勝原駅

はりま勝原駅
むっちゃ新しい駅

はりま勝原駅は2008年開業の新しい駅。周辺は真新しく区画整理されたニュータウンが立ち並ぶ。駅から徒歩10分のところには「イオンモール」もある。

21:21 網干駅

網干駅

終点の網干駅に到着。このまま車庫へと引き上げ1泊することになる。この列車に限らず、朝から晩まで折り返し、当駅止まりは多い。滋賀県から西へ向かう半分はこの行き先でよく見かける。

降りた人は僕のようなファンばかり。その中にいた1人がテレビに出てた新型コロナの専門家に見えた。研究室のプロフィールにも鉄道好きと書いてあって、もしやと思ったが、声はかけられなかった。

南彦根駅に似てる網干駅舎

網干駅の車庫はバカ広く、新快速の検査工場もある。だが、駅前は
「なんもねぇ〜」

たくさん工場がある。
遠くに見える工業地帯の灯り

ただ、工業地帯の一角だからか工場利用者やクルマで駅へ乗りつける人向けの駐車場、タクシーのりばはたくさんある。
名前だけの知名度は高いが、どんなとこ?と言われると答えはこんな感じ。

網干駅で少し暇したのち姫路の宿へチェックインしにいく。

黄色い電車で戻る

やってきたのは岡山県内でお馴染みの黄色い電車。時刻表によれば、広島県「糸崎駅」からはるばるやってきた。昼間は相生で折り返すが、朝と夕方以降は姫路へもやってくる。

英賀保駅

英賀保駅の改札口を改めて見ると
「このサイズの駅が特急止まるんけ?」
と感じる。改築されたらたぶんイメージ変わるかもやけど。

黄色い電車同士の競演

英賀保駅では岡山行きの黄色い電車とすれ違い。桃色の新型電車「Uraraうらら」がデビューし、姫路駅へも進出。いずれは桃に染まっていくことだろう。

姫路駅に到着。電車は車庫へ引き上げる。

エンジ色の播但線と国鉄世代のご対面。黄色はもうすぐいなくなるが、播但線は引き続き国鉄車両が使用される。

夜の白鷺城が美しい。
山陽電車沿いの東横イン
あ…電車見えへん…

今宵の東横インは電車が見えるところと意気込んだが、見えず。なんか言ったらトレインビュー拝めたりするのかなぁ。とはいえ、何事もない「らくラクはりま」の旅だけはよかった他ない。


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