トキ鉄で寄り道(上越妙高→糸魚川)
フリーきっぷだけでJR西日本の最果て駅「上越妙高駅」にたどり着いた。だが、そのまま新幹線で戻るにはもったいない。ここから別の鉄道へ寄り道する。
えちごトキめき鉄道
上越妙高駅に乗り入れるもう1つの鉄道
「えちごトキめき鉄道(通称トキ鉄)」
2015年北陸新幹線金沢開業に際して、JR信越本線(一部)と同北陸本線のそれぞれ新潟県内区間を引き継ぐ第三セクター鉄道として誕生した。路線は2つ。
妙高はねうまライン(信越本線直江津〜妙高高原間)
日本海ひすいライン(北陸本線直江津〜市振間)
両線とも同じ管轄ながら、景色や使われる車両が大きく異なる。
懐にビビる
現金できっぷを購入した。トキ鉄では全線交通系ICが未導入となっている。この時に財布を開いたら、1000円あと1枚と小銭だけ。キャッシュオンリーの場所でこの残額不足はヒヤヒヤする。
5000円あればそれでええねん。使わんすぎて下ろすの忘れんねん。
特急「しらゆき」
改札に入ってホームに降りる。1番線には特急「しらゆき」が停車していた。上越妙高駅で北陸新幹線に接続し、新潟駅までを結ぶ特急列車でトキ鉄発足、新幹線開通とともに誕生した。
元は「北越」という特急として金沢〜新潟間を結んだが、新幹線に一部を譲る形で廃止。残った新潟県内区間は「しらゆき」に引き継がれた。この当時の「北越」の復刻塗装が最近復活している。
スカ色風ラッピング電車
しらゆきを横目に普通列車に乗り込む。やってきた列車は国鉄時代の新潟で見られた車両を復刻したラッピング車両だ。なぜかこういう鉄道運はあるときはある。
紺色とクリーム色のカラーは「横須賀色(スカ色)」と呼ばれる。由来になった横須賀線の他、山梨、長野の中央東線、トキ鉄の本拠地である新潟でも見られた。横須賀線の車両が大阪万博(EXPO70)の応援で関西に異動した車両もいた。閉幕後、塗装変えずに「初代新快速」になったこともあった。
ラッピングは「田島ルーフィング」のフィルム製品を使用。会社のアピールを兼ねてロゴマークが掲出されている。
妙高はねうまラインの電車
ちなみに、本来のビジュアルはこんな感じ。沿線にそびえる「妙高山」をモチーフにしている。この電車が走る「妙高はねうまライン」の名はこの山の残雪が「跳ね馬」に見えるところから来ている。
レトロな外観だが、車内はモダン。90年代デビューのJR信越本線の電車を譲ったものが使われている。設計は首都圏の電車をベースにしていて東京の雰囲気を感じる。
直江津駅
直江津駅に着いた。3方向に路線が分岐し、4系統の列車がやってくる。トキ鉄の2路線の他、以下の2路線が乗り入れる。
北越急行ほくほく線(2つ先の犀潟駅が分岐駅だが、大部分は直江津駅に直通)
JR信越本線(直江津〜新潟間は引き続きJRのまま。)
ほくほく線
隣のホームには「北越急行ほくほく線」が停車。アーティスティックなこちらは芸術祭とのコラボ車両。NHK『にほんごであそぼ』にも携わった「ひびのこづえ」さんがデザインした。言われてみればなんとなく、「コニちゃん」や野村萬斎さん、セットデザインの雰囲気を感じられる。
このアート電車はプラネタリウム列車「ゆめぞら」を兼ねる。トンネルに入ると、天井にプラネタリウムを上映するという特別仕様車になっている。
ホームの自習室
直江津駅には待合室を改造した自習室がある。列車の乗り換えにはちょうどいいが、鉄オタ高校生は気が散るだろう。
日本海ひすいライン
直江津からはトキ鉄のもう1つの路線「日本海ひすいライン」へ乗り換える。元JR北陸本線の新潟県区間で看板や列車は波をイメージしたデザインが使われる。
ET122形
日本海ひすいラインを走るのは「ET122形」。さっきのは電車だったがこちらはディーゼル車が使われる。
途中で電流の種類が変わる区間を走る北陸本線は2種類の電源に対応する車両が必要となる。しかし、作るには高額となり負担が重く、普通列車となると採算が合わない。ディーゼルの方が経済的という判断だ。
元になってるのはJR西日本のディーゼル車。そのためか座席のデザインや雰囲気がどことなく関西チックになっている。
海が見える
北陸本線は海が迫り、トンネルが多い。駅間もかなり長めになっている。スピードもかなり出る。
一度は行きたい秘境「筒石駅」
トンネルの中にある筒石駅。最低限の蛍光灯しかない暗い空間が広がる地下深い秘境駅としてメディアでよく取り上げられる。一度は降りてみたいという人は多く、乗ってた列車からも1名が降車した。
トンネルを駆け抜ける普通列車は時速90〜100㎞をマークする。年代もののディーゼルに比べたら、高速性能は高いし、これぐらいなら貨物から逃げられる。
トキ鉄二大観光列車
能生駅では観光列車「雪月花」が停車していた。普段は土日しか走らないが、この日は団体列車として走っていたそう。その雪月花を追い越した列車もまたすごい。
あずき色にクリーム色の列車。「観光急行」というもう1つの観光列車が追い越して行った。こちらも平日は走らない列車。こちらも団体列車の可能性はあるが、なぜ走ってたのかは定かではない。
まさかの出会いだったが、撮るだけじゃなく一度は乗ってみたい。滋賀県の北陸本線で育った人間で、観光急行の車両もふるさとを駆け抜けていた。そんな列車にもう一度乗って、童心に返ってみたい。
またヨルシカ
道中聴いてた曲は全部ヨルシカ。海が見えるとこでは『老人と海』が聴きたくなり、長いトンネル内では『逃亡』『夜紛い』という夜ソングをセレクト。この日だけでもリピート含めて最低4時間以上もヨルシカまみれだった。
糸魚川駅
糸魚川駅に到着。列車はこの先、県境を越えて富山県「泊駅」まで走る。
ここでは鉄道資料館へ寄り道。大糸線を走った往年のディーゼル「キハ52」が保存されていたり、トワイライトエクスプレス風の模型が展示されている。思わずテンション上がって2時間長居してしまった笑
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