夜にふらっと南海
なんもせずに1日過ごしていたら、日が傾いてきた。「せや!」と思いついて
南海電車のなんば駅にやってきた。ここから和歌山へ向かう。
とその前に飲みたかったものを。
最近よく見かける「搾りたてオレンジジュース自販機」。飲んでみるとオレンジそのまんま。給食にあったやつを思い出す。
なんばエリアだと南海と近鉄の駅ナカで飲める。
特急サザン
和歌山市行きの「特急サザン」。前4両の指定席に乗り込む。すると、レア過ぎるものを発見。
残されたサイン
え!HYDEのサイン残っとる!!
実は乗った車両はかつて「HYDEサザン」を名乗り、黒いラッピングをまとっていた。これは「L'Arc〜en〜Ciel」のボーカルで和歌山市出身のHYDEさんとのコラボ。2020年に乗車された際にこのサインを書き残した。
「HYDEサザン」としての運行は終了し、通常の見た目に戻ったが、サインだけは消さなかった。地元に貢献したロックスターの魂の強いこと。
なんば→和歌山へ
なんばから岸里玉出までは「区間急行/三日市町行き」と並走。同時刻に出発している上にスピードほぼ一緒。
左手に通天閣。今年リニューアル工事が完了。「社会イノベーションの日立」と書かれている広告が液晶画面に更新。多言語による広告メッセージや「ようこそ、おおさか・通天閣へ!」という歓迎メッセージなどバリエーションが増えた。「令和の通天閣」の新しい象徴だ。
和歌山市駅で腹ごしらえ
1時間で和歌山市駅に到着。
とんかつ屋で腹ごしらえしたら、すぐ折り返す。
サザンプレミアム
アプリの「列車位置情報」で「サザンプレミアム」をマークし狙ってみた。
さっきと同じく、指定席と通勤車を4両ずつ。だが、使用車両が異なる。
指定席は先に「車内整理」。清掃や座席の転換などを行う。JRの特急や新幹線と同じ作業が行われる。
お相手は…
その間に後ろも見てみる。
「今夜のお相手」は「9000系」。角張ったフォルム、コルゲートという凹凸が特徴の、「アラフォー」ステンレス車両だ。
2019年にリニューアルが施工されたことで生まれ年を思わせないぐらい若返っている。
リニューアルは南海電鉄社員によるプロジェクトチームが主導。空間デザインを研究する大学教授の監修を受けた上で、最終的に利用者による投票でこのデザインが決まった。
このデザインは新型車両にも反映。白くて都会的な印象からブラッシュアップ。木目調の温かみある雰囲気は視覚的に癒しになる。
2023年度「グッドデザイン賞」でも評価ポイントになった。同時に受賞した「泉北高速鉄道」の新型車にも同じコンセプトを取り入れた。
車内
指定席4両の「サザンプレミアム」。空気清浄機「プラズマクラスター」を搭載し、全席にコンセントも完備した現代的な車両。とはいえ、昭和世代の「サザン」の方が未だ多い上、現時点で増備する計画もない。会えたらレアな車両だ。
プレイリスト
最近は「羊文学」というバンドがお気に入り。『more than wards』を過ぎるぐらい聴き込んでいるが、いろいろ聴いてクリスマスのライブに備えたい。
思い付きで行ってみた夜の南海電車。近いようで遠い私鉄は一種の「非日常」だ。