サイコロきっぷ5投目(涙と夕暮れ、城崎→姫路)
信号トラブルでとんでもない目に遭いながら城崎温泉に到着。わずか2時間の外湯めぐりを4つ制覇してきた。残りは定休日で、再びのリベンジも考えている。それを除けば最低限はクリアできた。
最後の外湯を後にし、帰りの予約した列車をアプリの列車位置情報で調べた。探してみても「あれ?おらん?」と思って、調べてみると衝撃の情報を目の当たりにした。
運休で猛ダッシュ
はまかぜ6号に乗る予約をしていたが、城崎温泉駅の2つ手前で折り返すように変更され、乗れなくなってしまった。城崎温泉駅から出る列車は特急と普通列車が1時間に1本ずつ、危機を感じた僕はややダッシュで駅へ向かう。
こういうぶった斬る手法は非常時にたくさんあるが、よくも悪くもある。ただ指定席のある特急で、中途半端に途切れさせられると困ってしまう。
城崎温泉駅
城崎温泉駅へ戻った。「はまかぜ」がまだ豊岡からはるか先で、乗れそうな普通列車が遅れていることをアプリで知り、少し希望を持っていると何やら放送が。内容が理解し切れず、改めて改札で駅員に聞いてみると嬉しいニュースが飛び込んだ。
救済措置発動!
17時2分発の普通列車がわざと遅延し、豊岡駅始発に変更された「はまかぜ6号」に乗り換えられるよう調整されていた。本数の事情を鑑みたと思うし、こんな救済措置は最高レベルに嬉しい。ホッとしたら、お弁当を調達しにお土産屋で弁当を買うことにした。
JR西日本×駅メモ!
17時17分、言われた通りに鳥取方面からの普通列車が到着。中国地方や富山でお馴染みのたらこ色のディーゼル車だが、いつもと見た目が違うのが1両。
位置情報ゲーム「駅メモ!」とのコラボ仕様だ!側面にはコウノトリや温泉など兵庫県但馬地方の名物がイラストで描かれている。
但馬地方の市町とJR西日本が「駅メモ!」とタッグを組み、この地域で指定された観光名所を巡って、報酬アイテムをゲットするもの。
このコラボで新キャラクター「但馬ひょうこ」が誕生。ラッピング列車内と城崎温泉駅で出迎えてくれる。
円山川と涙とヨルシカ
特急がここまで来ないという最悪な状況ながら、遅延した普通列車に救われ、その列車が特別仕様というサプライズ。こんな事態で願ったり叶ったりしまくり。
その状態でヨルシカの「パレード」を聴いた途端に涙が止まらない。たくさん聴いてるはずだが、こんなときに涙となると嬉しさの感情が重なっていい意味で追い込みかけられたよう。玄武洞の景色、ヴィンテージのディーゼルカーと合わせるこの曲も思い出深い。
豊岡駅
列車は終点豊岡に到着。特急の姿はなく、豊岡に向かっている最中。まだしばらく待つ模様だ。なんとか助かったとホッとしているとこの奥に止まってる列車に僕は興奮した。
幻の福知山色
黄色と青の帯を巻いたこの電車は「福知山色」という復刻カラー。国鉄だった1986年の福知山線電車化を機に初お目見えした。しかし、JR西日本に移行した1990年以降は新塗装に塗り替えられて消滅した。わずか4年ぐらいしか見られなかった。
幻と消えてから30年以上。JRの復刻塗装プロジェクト「懐鉄」の一環で2024年に復活。山陰線や舞鶴線で見ることができる。緑の電車に紛れている「幸せの黄色い普通電車」。会えたらいいこと起こるかも。(知らんけど)
どーでもええ話やけど、この色を逆転させたら、新デザインの「Vポイント」ができてしまうかもと妄想している。コラボしたらおもろそうやなぁ。と思うのは僕だけか?(ホンマになんの話やねん)
はまかぜ6号
黄色い電車に興奮してから30分。豊岡折り返しの「はまかぜ6号」がやってきた。3時間遅れながらもダイヤ乱れの過酷な道をたどり着いた。
僕が乗った普通列車は折り返しで止まっていて、「はまかぜ」からの乗り換えを拾う。はまかぜが普通列車に「遅なってすんません!兄さんあとは任せました!」と言わんばかりに城崎、香住方面へバトンを繋いだ。
清掃というルーティンも欠かさずやってる。どんなに遅れても追加でお金を取る列車はキレイさは捨てないみたい。
普段後ろ側で指定するが、今回はあえて最前に陣取った。後で進行方向が変わった際に真後ろになれるようにした。
豊岡出発
特急きのさきを待った後、18時過ぎに出発。3時間以上の遅れを折り返し後、約30分の遅延で巻き返せた。
斜陽と但馬路
夏至に近い夕方18時はとても美しい。遅れた分1番美しいときに出会えた。
田植え後の水面に映る斜陽はいい画だ。高速で飛ばし、音楽も絶好調だ。
播但線
和田山までやってきた。この駅から山陰線を離れて播但線で姫路へ南下していく。
特別ルール
持ってるきっぷは福知山線経由ではあるが、播但線経由も許可されている。
実際の距離は両者とも異なるが、和田山から城崎温泉方面を発着で大阪駅までは2ルート選択が特例が設定されている。ただし、姫路から新幹線でショートカットすることは認められず、大阪駅まで乗ることが条件だ。
竹田駅
和田山の次が竹田駅。雲海に浮かぶ天空の城「竹田城跡」の最寄り駅だ。はまかぜのうち6号は通過するが、1号と4号は毎日停車し、アクセスを良くしている。
生野峠
播但線最大の難所「生野峠」に差し掛かる。ハイパワーの特急はスルスル登るが、普通列車はパワー不足で減速する。
普通列車でここを通った3年前、「チャリンコの方が速くね?」ってぐらいに遅かったのが印象的。それぐらいの厳しい峠が但馬と播磨(兵庫南西部)を隔てる。
意外と乗ってくる
生野駅、寺前駅と停車。播但線唯一の特急は意外に利用が多い。スーツケースを持ってる人も多数いる。タイミング狙って帰省してる人もいることだろう。
駅メモ!列車2両目
寺前駅では2両目の「駅メモ!」列車を目撃。なぜかレア車両に目撃する運はいいみたい。
この勢いでドクターイエロー3度目拝めんかなぁ。
エンジ色の103系
寺前を境に違う車種が登場。高度成長期のザ・通勤電車「103系」。播但線南半分ではほとんどをエンジ色の電車が独占する。クリムゾンレッドのヴィンテージトレインは未だ健在だ。
福崎駅と妖怪
福崎駅に到着。この駅では姫路からの福崎止まりの普通列車を待ち合わせる。
ちなみにこの駅前ではカッパの妖怪「ガジロウ」が水槽から歓迎してくれる。町おこしとはいえ、その姿は不気味。むしろ、目に留まって、全国ネットのテレビでも紹介される。浮き上がる姿に僕はかなりビビったのが記憶に残ってる。何はともあれ人が来てくれるだけありがたいし、ガジロウは“招き猫”だ。
そんな思い出を語ってると普通列車が来た。2両編成ではあるが、けっこう人が乗ってる。京阪神で活躍した通勤電車は播磨の地でも通勤ラッシュを支えている。
3度の信号待ち
福崎を出ると次は姫路までノンストップ。だが、途中で3度の信号待ちを挟むことになった。
仁豊野駅、野里駅、京口駅の順で列車を待つ。播但線の夕方ラッシュがこんな賑やかなのは少し意外。寺前行きに至ってはかなり密度が高かった。これはまだ長らえそうだ。
姫路城
京口駅の手前から姫路城(白鷺城)が見えてきた。こんな大幅遅れながら、姫路城の解説が車掌から行われた。
月夜で輝く白鷺城は美しい。もし遅れてなかったら見れなかった光景だ。この美しさを姫路市民が誇りにしたくなるのがよくわかる。YouTuberの心にもしっかり刻まれるわけだ。
姫路駅
姫路駅に到着。福崎駅から4度も待ち合わせが発生した結果、50分遅れに広がった。
ここから先も大阪方面へ歩を進めることになるが、長くなったのでここまで。
後半へつづく。
ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。