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いついなくなるか分からんもんや

こないだ、SNSのトレンドにも上がっていたMBSの高井美紀アナウンサーの訃報。関西のアナウンサーの中ではかなり活躍し知名度ある方で英語も話せるバイリンガル。18時台のローカルニュース『VOICE』キャスターの他、『住人十色』のアシスタントを長らく担当していて現役。2月4日放送分も担当していたとのこと。さらにかつて土曜の朝にやっていた『知っとこ!』でもアシスタントをしていて、関西以外でも知ってる人は多いかも。この時点で『住人十色』や『皇室アルバム(ナレーター)』MBSラジオ『日本一明るい経済電波新聞』などで現役レギュラーだった。

関西育ちで小学生頃から声の良さに敏感になっていた僕にとっては『知っとこ!』『VOICE』で聴いていた「良い『ボイス』」は耳に残っている。上手い人であることは分かっていたし、聴き心地もよかった。

何があったかは会社の意向で知らされないままだが、こんな上手い人がこの若さで去ってしまうのは惜しい。まだまだこれからという歳で、やつれの無い元気そうでバイタリティのあるビジュアルだったし、ついこないだまでもいろんなところで耳にしていただけにこの衝撃はデカい。

人間というものいついなくなるかは分からないもの。特に身近だとか、好き好んでいた人がいなくなったときに存在のデカさに気づいて、そういう弱みも生まれる。それでも、前を向く力とか今できることに力を注げば意外に寂しさは忘れるもの。僕の父方のじいちゃんがこの世を去ったときも母がそんな形の言葉をかけてくれたのも覚えてる。それが現実になって、「メモを取る大事さ」を教えられた良い転換点だった。

その上、「赤い公園」ギタリストがこの世を去ったときも

良い曲、好きな曲をたくさん聴いてあげる。これがせめてもの供養だ。

と切り替えたことでたくさん聴くようになって、ある年の曲のプレイ回数、『オレンジ』がベスト5に入るほどに。

それはそうと、まさかこんなタイミングで久々に『住人十色』を見てみた。これまでと変わらない感じで大阪阿倍野にある「崖っぷちハウス」を紹介。本来の主役は「家と『arujiアルジ』とその家族」ではあるし、今回も出てくる良いとこ不便なとこ、ちょっとしたハプニングや家族のストーリーはよく見える。その上でスタジオで進行する高井さんの明るいトーンは見ていて楽しかったし、松尾さんと三船さんも楽しそう。そしてエンディングでは

機転とユーモア そして深い愛情で
番組を支えてくれた あなたを忘れません。
ありがとう 安らかに

という言葉と担当した14年間の選りすぐりの映像、ピアノのBGMとともにノーナレーションで追悼した。「一体何があってん!?」と言いたくなるぐらい元気そうな姿だったし、この世にいないことが信じられない。先週分は体調不良を起こしていたからそういう節もありそうだが、解せない。

こういうことは何度でもありそうなことではあるが、やっぱり自分の身近にもそういうことが降りかかることは無きにしもあらず。「もしも…」と考えてしまう。それよりも癒しの声で、関西の今を伝えたり、見る人を楽しませて活躍したことを讃えたい。どうか安らかに。

ストリートミュージシャンの投げ銭のような感覚でお気軽にどうぞ。