往年の特急を動かしてみた。
大阪枚方市、樟葉駅前にあるショッピングモール「くずはモール」。この中の一角に京阪電車の博物館「SANZEN-HIROBA」がある。僕は何度か行っているが、今年リニューアルして仲間入りした車両がいるとのこと。そして実際に運転しているかのような体験もしてきた。
「クセがすごい」5扉電車
まずは仲間入りした展示車両から。「5000系」は日本で初めてにして最後の「多扉車」。増加する利用客に対応するためにドアを5ヶ所に増やした車両。
朝は「5扉」、それ以外は「3扉」で締め切り「ラッシュ用ドア」の真上から座席を下ろしていた。京阪の中では伝説に残る「クセがすごい」電車だ。しかし、その「クセ」が仇となって、ホームドアに合わなかった。結果、全車引退となった。
現役時代に撮った。
京阪をよく使い、祇園四条や大阪方面などで何枚か写真、何本か動画にして撮ってきた。
歴史と時代を超えてきた名車
もう一つ追加されたのが「2600系」。1959年にデビューした「2000系」にルーツを持つ。架線電圧昇圧や冷房改造などで部品を再利用しつつ新車に生まれ変わったという遍歴もある。「2000系」時代には加減速の良さから「スーパーカー」という愛称も付けられていた。
現在もほぼ毎日、同型が線路上を走っているし、今でもそれなりにいる。それでも、歴史と時代を超えてきた名車は引退するとなったときに皆が惜しむことになるだろう。
3000系で運転体験
と来たところで真打。施設の由来になった京阪の特急車両「3000系」。この「3000系」では実際の運転台に乗って「運転体験」もできる。
受付で2000円払って車両へ。運転台の扉を開けて、車両の前にはプロジェクター用スクリーンが降りている。
リアル度高い。
スタッフさんから運転の説明を受ける。通常の運転シミュレータとは違ってかなりリアル。
ライトの操作や窓の上げ下げが可能
前進、後退のレバーを操作する。
合図ベルを鳴らせる。
などいろんなものをいじれる。
しかも、特にリアリティあるのが
デッドマン装置
「運転士が意識を失った」などで暴走を食い止めるための安全装置のこと。形式や会社によるが「3000系」では左の「マスコン(アクセル)」に付いている。これを常に押し込む必要がある。走行中に手を離すと自動的に非常ブレーキが作動する。
シミュレータという環境でも、ここまでリアルを追求してるのは多分大好きな人が本気出したのだろうか。他のシュミレーターではなかなか無い。
3択から選ぶ。
運転は
淀屋橋から枚方市(特急)
淀屋橋から香里園(急行)
中之島から守口市(普通)
の3択。今回は「急行」を選んだ。
出オチの出発進行
早速出発させようとしたが、マスコンが動かず、前進レバーを動かすのを忘れる出オチ。すぐに気づいてようやく出発。標識と信号を見ながら運転してはみるが、制限速度は出ない。少し速度を超えても、ATS(自動列車停止装置)が作動することもない。最近は6号車の指定席「プレミアムカー 」に乗ってばかりだからどんな感じで動いてるのかあまり気にしたことがない。
「これでええのんか?」
「これでええのんか?」と思いつつ、列車を進める。でも、ブレーキの効きが良いのかけっこう止めやすい。オーバーランしたら後退しなければならないが、それも一切なく、「緑の数字」はクリアしている。
そうして香里園駅まで運転したところでスタッフから声が掛かる。
撮影タイム
粋な計らいで車内を少し撮らせてもらったり、記念撮影もさせてもらった。このサイドの髪型が重苦しいなぁと思って後日セルフカット。「鉄オタ」だろうがなんだろうがカッコよくいたいものだ。
満足感
それはともかく、ちょっと夢のようなことをさせてもらった。半分本物、半分バーチャルながら、満足感は確かなもの。以前からあったし、やってみたかった。しかし、時間が固定されていて機会が無かった。が、リニューアルでいつでもスタッフに声をかけることでできるようになった。
シミュレータとして2000円は高価かもしれないが、本物を動かしてるかのような経験ができるのなら安いもんなのかもしれない。
他にも
他にも、他形式のシミュレータや部品展示、駅メロ試聴、ジオラマなどたくさんの展示。