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ミーターの大冒険 オーロラへ 14 「ウォンダと『極素輻射体』」

14 イルミナ、オリンサスさんがお前をつくるのにどれだけ奮闘したかわかってるよな。最期の最期になってどうしても解決しない部分があったんだ。

 わたしを産み出すための産みの苦しみといったところですね。

 イルミナ、いいか、オリンサスさんは、ハニスさんの努力でレアアースも手にいれた。しかし、イルミネショナーをどうしても完成させることができなかった。完成させるのには、ある機能が必要だったんだ。その手がかりを血なまこになって探した。その不休不眠の結果、持病の心臓病を悪化させた。ある日、その欠落部分の手がかりを思いついた。最期の気力を振り絞ってピレンヌ像の土台部分を探った。
 若い頃知り合ったコンポレロンの友人の言葉を思いだしたからなんだ。

 ミーター、それってもしかしたら、「極素輻射体」っていわれている例の装置のことかしら?

 そうだ図星だ!イルミナ、実はコンポレロンは、もうひとつのファウンデーションと関係があるって、知ってるよな。そのもうひとつのファウンデーションは、セルダンの孫ウォンダとステッティン・パルヴァーの二人から出発した、と言われている。その後、ボー・アルーリンが加わり、初期のターミナスでガールとファウンデーションの創立に尽力した。そのアルーリンはハーディンを指導した。そして、ハーディンにその銅像と「時間霊廟」建設を託し、目立たないように陰ながらハーディンにターミナスの全権を託して世を去った。もしかしたら、アルーリンはコンポレロンの出身だったかもね。これ以上は、推測の域をでないが、そのコンポレロンと「不死の従僕」とは何らかの関係がある。

 ミーター、すごいわ!その「極輻射素体」とやらってどういう形状で、どういう機能があるのかしら?

 残念だが、今は、ハリ・セルダンの「心理歴史学」の研究と密接に関係があるカオス理論を形状的に現出させた機能的道具としかわからない。ハリ・セルダンの初期の研究同僚のユーゴ・アマリルがそれを頻繁に使用していて、ハリの孫娘ウォンダが幼児の時からそれを遊具としていた立方体、という文脈がアルカディアの『続・追憶の鍵を開けて』に記されてある。そしてウォンダから引き継がれきたペンダント。
 しかし、イルミナ、それがまた少しずつわかってきた。われわれの大事な使命を手伝ってくれるものが、もうひとつ見つかったような気がするんだ。

 すごいわ、ミーター。おさらいするね。
 この銀河復興には、カビレ第三惑星、アタカナの発見と再生がもとめられている。それと同時に歴史消滅以前の全容もわかってこなくちゃね。
 その任務遂行には、えへん、わたしという素晴らしい新兵器、それとミーター。そしてこの航宙船ファー・スター2世号。

 それで、ミーター、オリンサスが見つけた手がかりというのは?

 今から話す。

yatcha john s.  ミーターの大冒険 オーロラへ 14 「ウォンダと『極輻射素体』」

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