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イルミナ


galaxy20000yearslater series

第二段
ミーターの大冒険

第二部
イルミナ


あらすじ
 ミーターより約500年前、ウォンダ・セルダンは彼女の鋭い精神感応力に目覚めたのは、彼女の幼児期から遊び道具によってであった。その遊び道具とは、ハリ・セルダンとその盟友ユーゴ・アマリルの考案した心理歴史学から導き出された公式を具現化できる装置であり、それが「極素輻射体」である。その後、ウォンダから繋がる第2ファウンデーションだけが、その使用を継承してきた。しかし、銀河帝国が滅んで新たな銀河文明を復興する手立ての一部としてにわかに第1ファウンデーションもそれに注目しなければならなくなった。アルカディアの目指した銀河の復興は、彼女の遺した翻訳・通訳ロボット、ミーター一人(?)に託されたようにみえた。しかし、アルカディアは巧妙に彼女が息をひきとる前に、その大事業のお膳立てを仕組んでいた。「極素輻射体」もまた別な形態となって、ミーターを大いに助けることになる。


第1話 into the deep space 


ミーター    君って、「帝国辞書編纂図書館」っていう名前じゃ呼びづらいけど、もっと簡単な名前にできないのか?

イルミナ そうですね。ミーター君。もうこの銀河に帝国なんて存在してないのに、自分でもおかしいと思っていたところなんですね。自分自身はターミナスの地下にいるのに、バーチャルコントロールで可愛い女の子の姿で男の子Rの前に映っているんですから。じゃあ、うんとねえ、わたしのこと、「イルミナ」って呼んでね。わたしね、この銀河空間深く、しかもターミナスから離れて自由に翔ぶのが夢だったの。

ミーター    イルミナ。君もこの改造スペース・ワゴンの操縦、上手いもんだね。これじゃ、アルカディアの遺言、簡単にクリアできるってもんだね。楽勝!

イルミナ ミーター。そもそもまだ「わたしたち」の目的、目的地、聞いてないんだけど?

ミーター 今なんて言った?「わたしたち」?

ミーター    いけない? あなたも一人っていうのも変じゃない?一台っていうのが正しいんじゃないの?

それに、あなたって、Rの癖に元のボスのアルカディアがいなくて寂しがっているんですからね。

イルミナ    そうかも。それじゃ、とりあえず、そういうことにしようぜ。目的地は、君のデータからは「アタカナ」星。シリウス星域の「カビレ」の第三惑星。ホントの名前は別にあるらしいんだがね。目的はその星の「再生」を探ること。できるだけやってみたいんだ。なんたってアルカディアの悲願だったからね。

ミーター    イルミナ、聞いてるのか?

イルミナ ミーター、大変!カビレから624.5光年の元のオリオン座という星域のベテルギウスが超新星爆発している。その真っ只中に入ってしまったらしいわ!この船、ガンマ線バーストの直撃で破壊されそうなの!

ミーター さっきの発言、撤回。

おまえって最低!

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