電車でヤバい人に絡まれた結果僕の方がヤバかったことが判明した
本日渋谷に向かう途中、ヤバいおじさんに絡まれました。
絡まれたというか喧嘩を売られたというのが正しいのでしょうか。とても怖かったです。なので、まだ気持ちが昂っている間に事の顛末をここに記しておきたいと思います。お付き合いください。
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京王線明大前駅から渋谷へいつも向かいます。時間によってはまぁまぁ混雑していますので、迷惑がかからないように背負っていたリュックを前に抱え直し、僕は列に並び電車の到着を待っていました。
程なくして電車が到着。乗り込もうとした時、列に並ばずに横入りしてきた男性がいました。
その方は僕の前に入ろうとぐいっと体を入れてきました。
そのまま乗り込もうとした僕は、前に抱えていたリュックがその男の人に当たり押してしまうような状態になりました。
その時です。その男の人は僕のカバンをおもくそ殴ったのです。
そしてその男の人がこう言います。
「押してんじゃねーよてめーよー!」
えぇ!と驚きの表情を見せる僕。男の人は続けます。
「カバンが当たってんだよ!おい!」
僕は思いました。あぁ。ヤバいおじさんに当たってしまったと。
その男の人の見た目をご紹介します。
・上下黒のジャージ
・ピンクのキャップ
・ピンクのマスク
・手に携帯を2台持つ
・背丈は中肉中背
・臭い
というような風貌です。ヤバい感じなのは伝わるかと思います。
その男の人は続けます。
「おい。テメェ何なんだよ。喧嘩売ってんのか?」
と、かなりの大きい声で言ってきます。今の状況を説明します。
電車の中。まぁまぁの混雑。その男の人と僕はかなり近い距離で密着している。何なら僕が前に抱えているリュックはずっとその人に当たっているくらいの距離感。
はっきり言って勘弁してほしい。
僕は一応反論をすることにした。でもあくまで穏便に。神経を逆撫でするとどうなるかわからない。
「いや、その。押してはいないです。当たってしまったと言いますか。」
悪くはない言い方だと思われます。だが男の人はこう言います。
「あ?当たってんだったら押してんだろうがよ!」
間違えました。話が通じる相手ではありませんでした。その後このように言ってきました。
「お前喧嘩売ってんの?喧嘩しようぜ。」
勘弁してほしい。僕は喧嘩商売などしていない。
「喧嘩売ってないです。喧嘩しません。」
正しい言い方です。何も悪くない。するとこう来ます。
「俺さ、お前みたいな奴ムカつくんだよ。」
勘弁してほしい。俺が何したというのだ。そう思うと段々腹が立ってきたので言い返すことにしました。
「わかりました。じゃあ喧嘩しましょう。いいですよ。はい。じゃあここで喧嘩しましょう」
真っ直ぐ目を見て言いました。人と人は目と目を見て話すと気持ちが伝わると聞いています。すると男の人は
「ここではやらねぇよ。あのな、俺は大企業で働いてるんだよ。こんなところでお前殴ったら俺捕まっちゃうだろ」
なるほど。これは一本取られました。確かにその通りですね。流石大企業で働くだけあります。感心しました。
ですがここで僕は確信しました。
こいつ殴ってこねぇな。
これがわかってしまえば、ここを穏便に済ますかどうするかは僕次第になります。そこでできるだけ下手に出て神経を逆撫ですることにしました。
やり方は「急に耳が悪くなる」という手法です。
漫才などでよくありますね。
ツ「お前は〇〇何だよ!」
ボ「え?」
ツ「だから、お前は〇〇何だよ!」
ボ「え?」
ツ「だから!!お前は〇〇何だよ!」
ボ「え?」
ツ「なんで急に耳聞こえなくなるんだよ!」
みたいな。よくあるくだりです。それをやることにしました。
男の人がこう言います。
「お前みたいな奴おちょくるの大好きでさ〜」
「え?」
これはだいぶ賭けに出ました。普通なら「え?じゃねぇよテメェ」とくるはずです。
ですが、この男の人は
「お前みたいな奴おちょくるの大好きでさ〜」
まさかの同じ言葉をもう一回言ってくれました。
僕はそれに対しても「え?」と聞き返しました。これは流石にヤバいと思いましたが
「だから、お前みたいな奴おちょくるの大好きでさ〜」
嘘だろ。ちゃんと伝えようとしてくれました。それをフリだと捉えもう一度「え?」と聞き返しました。これは流石にまずいです。この時にはもう殴られてもしょうがないと思っていました。
「だから、お前みたいな奴おちょくるの大好きでさ〜」
このやりとりをあと8回やりました。盛りなしです。
その時、ふと車内の空気が変わったことに気づきました。周りの人が少しだけ笑い始めたのです。
こうなりゃこっちのもんです。次の手段に移ります。それは「空質問」というものです。
空質問がどういうものか?はこちらのわらふぢなるおさんのネタをご覧ください
必要のない質問をすることが空質問です。キングオブコントの決勝でも披露していたこのネタのことを思い出して、この感じをまんまやってみました。
ここからはその時の会話を記載します。
男「喧嘩売られたら買えよ」
岩「僕がですか?」
男「喧嘩したことねぇんだろ?」
岩「今までですか?」
男「お前みたいな奴ムカつくんだよ」
岩「誰がですか?」
本当にこういう返事の仕方を続けました。今思えばかなり過激なことをしていると思います。すると男の人が
「お前がだ!!」
と素晴らしい間でツッコんでくれました。気持ちが良かったです。
こうなると僕の中の欲しがりさんが出てきてしまい、また耳が聞こえなくなることにしました。
岩「え?」
男「お前がだ!!」
岩「え?」
男「お前がだ!!」
岩「え?」
男「お前がだ!!」
なぜこの男の人はここまで綺麗にやってくれるのかわかりません。
そこで僕は少し変化をつけて「え?もう一回言ってもらえませんか?」とグイッと体を入れて言いました。すると
「いや近ぇよ!」
これはまずい。流石にやりすぎたのかもしれません。ちょっと調子乗りすぎました。僕はすかさず
「僕がですか?」
と言い返しました。そこで渋谷に到着。その人が降りてしまいます。それは嫌です。まだ僕はやりとりを続けたい。僕は男の人に言いました。
「え?喧嘩しないんですか?」
これはかなりの喧嘩売りです。この時は僕もどうなってもいいと思っていました。これには流石に男の人もピキんときたでしょう。
「あ?いいよ。来いよ。おら!」
とかなりの声量で言われたので僕は
「どこにですか?」
と返しました。我ながらすごいなと思います。
するとその男の人は
「お前ヤバいな!もういいよ!」
と走ってどっかに行ってしまいました。
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ということがあったんだよね。と劇場にいた後輩に話したところ
「岩橋さんが一番ヤバいですよ」
と言われましたとさ。
めでたしめでたし。
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