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小宇 応援報告 8 ◆『冰雨火』中国ドラマレビュー

今『冰雨火』の2周目、第25話を観終わったところなのだけど、23話あたりからは一瞬も気を抜けない場面が連続する。
このドラマは元々、画面や展開の密度がとても高いところにもってきて、更に緊迫度が増してくる。正直、視聴後しばらくは脳がボーっとお休み状態になります(笑)

さて今回はその25話からの鳥肌シーンをピックアップしようかなと。お付き合いいただければ幸いです。
いつものようにネタバレなので、まだこのエピをご覧になっていない方にはオススメしかねます。ごめんなさい。


杨兴权 VS 陈宇 の心理戦 カフェ『弥香』にて

玲玲のカフェ弥香のテラスは夜が似合う。後ろにはプール。街路樹や植え込みの緑に囲まれた、広めの空間に大きなテーブル。キャンドルが灯って美味しそうなお料理が並ぶ食事風景は、とても魅力的。
一度お呼ばれしてみたいものだ…


ちょうどこのシーン 冰雨火 公式微博


さて、そのテーブルに今夜は玲玲、杨兴权、小宇の3人。
玲玲に頼んで茶工場の帳簿を調べた小宇に、杨兴权が自分を疑っているのかと聞く。証拠がなければ疑わない、と答えるが
「楊叔、あなたは何故当時林局の情報提供者になったのですか?」と逆質問する。

このシーンが出色なのは、同時に林局と龚队の会話が交互に挟まれ、それぞれ杨の秘密が暴露されていく仕掛けになっていることだ。
しかも背景に流れるのはセピア色の回想シーン。
小宇の質問の後は、林局の回想シーンに切り替わり当時杨が情報提供している様子が映し出される。

その後小宇が
「海外に出たあとは苦労したんじゃないですか?」
と水を向けると、杨が当時のことを話し出し映像は20年前の回想に切り替わる。

「山も野も、茶の木が茂っていた」
という言葉に被せて映る画は、"茶" ではなく "大麻" の栽培風景だ。
赤やピンク、白の花が毒々しい。
「 除草し殺虫し…」
映像には大麻の液を採取する杨。
「時期が来ると茶葉を積み茶工場に運び精製し茶になる…」
映像は麻薬の製造工程だ。

一言一言に注意深く耳を傾ける小宇。

この後、いかに茶(麻薬)ビジネスが成長し、自分が何故茶園を持つに至ったのかの説明をする杨兴权。働いていた茶工場主の娘、琼姐と恋愛関係になりその父の財産を手にしたのだ。
「彼女がわたしに新しい人生をくれた」とのたまうに至り、玲玲は耐え切れず離席する。

杨の話は "茶" に例えられているが、林の方はより具体的(というより露骨)に杨の悪行が暴かれていく。
自分の麻薬密売の商売敵を潰すために、林に "情報提供" して摘発させていた過去。
恨みを買い、自分の妻を殺されるに至り海外に逃亡。その時点で娘 玲玲を林に預ける。 
「20年もの間、ずっとあいつは自分を騙し続けていたんだ!」
という林局の悔しそうな声が辛い。

この一連で、印象深いのはこの小宇の台詞。
「君はわたしの話を信じるかね?」と問う杨に対する返事、
「楊叔、それはあなたの人生経験です。僕が信じるか信じないかが重要ですか?」
真っすぐに相手を見つめてそう答える小宇に対し、してやられた、とでもいうような表情の杨。
この攻防、勝負あり!だ。

そのあと、吴振峰は自分を騙し利用していた、とはぐらかし、彼は警察と協力体制にないことを強調する。


冰雨火 公式微博


本当にこのシークエンス、つなぎ方が見事としか言いようがない。2つの場面でそれぞれ映像と台詞、合計4つの場面展開で一つの流れを作り出している。

陳宇の探るような、半ばあざけるような、寸分の嘘も見過ごさないぞ!という気迫のこもった目つきがすごい。

余談だが、彼の警察の取調室での眼光も、鬼気迫るものがあって素晴らしい!!




今回の "鳥肌シーン" は以上です。
まだまだ見所がいっぱいの本作、また更新するのでよろしければお立ち寄りくださいね!
ありがとうございました。