見出し画像

哀しみのアダージョ

https://music.apple.com/jp/playlist/%E5%93%80%E3%81%97%E3%81%BF%E3%81%AE%E3%82%A2%E3%83%80%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%A7/pl.u-ZmbDz8rc0Gxxa0

61 プリシラ・アーン/T'en va pas(哀しみのアダージョ)

映画「悲しみのバイオリン」(フランス、1986年)で主役を演じた若干16歳のエルザが歌い、1994年に"Papa, please don't go"というタイトルで再発されるまで幻の名曲と言われた「哀しみのアダージョ」は、国内では大貫妙子が作詞して、原田知世が歌った「彼と彼女のソネット」としてよく知られている。同一曲に4つの題名があるという稀有な例で、原曲のフランス語盤や日本語カバー盤をいろいろ聴き比べてみたが、プリシラ・アーンが断トツによかった。「サヨナラcolor」と同じ「ナチュラル・カラーズ」(2012年)に収録されている。

62 山本潤子/竹田の子守唄

1971年のフォークグループ「赤い鳥」のヒット曲「竹田の子守唄」を元「赤い鳥」の山本潤子さんがソロで弾き語りをしている。その透き通る歌声は吸い込まれるような不思議な魅力があり、森山直太郎は山本潤子さんを「ゆらぎの女王」と呼び、天賦の歌声だと評価している。誰もが知る ♪この大空に~翼をひろげ~とんで~ゆきた~い~な~♪ の「翼をください」を歌っているのはこの山本潤子さんに他ならない。

63 アストラッド・ジルベルト/いそしぎ(Shadow of your Smile)

ブラジルの至宝、アストラッド・ジルベルトが手掛けたスタンダード曲はボサノバの少しライトでファッショナブルな息吹を吹き込まれたことで、多くのジャズボーカリストがその後更にカバーを重ねる契機となった。夏に女性ボーカルがステージに立つ都内ジャズバーを訪れると必ずアストラッド風アレンジの「いそしぎ」や「黒い瞳のオルフェ」を聴くことができる。1965年頃の白黒のライブ映像が多く残されており、映像や音質は今一だがアストラッドの麗しい歌声と息を飲む美しさを堪能することができる。

64 ビル・ウィザース/Lovely Day

昨年惜しまれつつ亡くなられたビル・ウィザース。1977年の曲。まだ、横浜の米軍基地が本牧にあった頃、米兵達が憩う小さなバーがあった。一階のイタリアンGardenはまだ残っているものの、今はもう無いSHUFFLEという小さな店が2階にあった。元のオーナーからその店を引き継いだ同級生の順ちゃんが1988年からその店を切り盛りしてきた。順ちゃんが米兵達が残していった膨大なレコードの中から聴かせてくれたうちの一曲。明るい曲調とソウルフルなビートが楽しい。今、順ちゃんは介護食を配達する仕事について頑張っている。

65 R.E.M./Imitation of Life

ブリューゲルの絵画のような不可思議なPVとともに「シャレードというジェスチャーゲームは予期しないスキルを必要とする/ホテイアオイが詩人によって名付けられたように/人生とは模倣そのものなのだ/凍った池にいる鯉のように/金魚鉢の中の金魚のように/僕は君の泣き声を聞きたくはない」という歌詞が不思議な魅力を湛えている。2001年の曲で、R.E.Mの中では"Man on the Moon"とこの曲が一番のお気に入り。なお、そのようにいうと、R.E.M.のコアなファンからは「わかっていない」と言われてしまうのは何故なのか。

66 デュラン・デュラン/Save the Prayer

1981年から現在に至るまで40年のキャリアを誇る英国のデュラン・デュラン。本曲が収録されたアルバム"Rio"が発売された1982年から”The Reflex”が大ヒットした1984年の頃は一介のニューウェイヴ・アイドル・バンドと思われていたが、自らの音楽スタイルを「ネオ・ロマンティクス」と称したり、この曲を聴いたりして「ちょっと待てよ、ひょっとして…大物になるのでは」と思った人は私だけではないはず。中学生はデュラン・デュランが好きだと公言するのは憚られる雰囲気があったけれども密かにデュラン・デュランを愛聴し続けて、後日、"ordinary world"やツェッペリンのカバー"thank you"などの名曲を残している。

67 シカゴ & アル・グリーン/Tired of being alone

ゴスペルを歌う教会の賛美歌隊出身のアルグリーンがブラスロック時代のまだまだマイナーだった頃のシカゴと組んだ名曲。アルグリーンが本当に心地良さそうに歌う姿が印象的。アルグリーンのヒット曲”Let’s Stay Together”は1984年にティナ・ターナーがソロとして復活する契機となった名曲で、この曲を含めてアルグリーンのソングライティングの才能が光る。

68 ハーブ・アルパート/Rise

トランペット奏者のハーブ・アルパートといえば、ラジオのニッポン放送オールナイト・ニッポンの「ビタースウィートサンバ」が有名で、他の曲を聴いてもらえていない傾向があるが、1980年に発売した”Rise”は歌詞がないにも関わらず全米No.1を獲得するほどの大ヒットを記録をした。ゆったりとしたテンポにソウルフルなトランペットの旋律が絡むこの曲を15年ほど前に台北空港で聴き、ずっとその曲名を知りたかったが大分時間がかかって最近発見できた。そんなハーブ・アルパートが実はA&Mレコードの創始者であり、A&Mの”A”というのは実はAlpertの頭文字で、実業家としても成功を収めている。

69 Bird/Souls(Peach Bossa Mix)

Mondo Grossoの大沢伸一が発見した女性ボーカリストBird。”Souls”のマキシシングル盤CDの中に別バージョンとして含まれているのがこのボサノバ・バージョン。Birdファンのみならず、Soulsをカラオケで歌う人たちによって長らく支持され続けており、通信カラオケDAMにもこのPeach Bossa Mixがきちんと収められているほか、Freesoul BirdというコンピレーションCDにもこのバージョンが収録されている。

70 クリスティー・マクヴィー/Got A Hold On Me

元フリードウッドマックのクリスティーマクヴィーが1983年に発表したソロアルバムからのシングル曲。80年代の名曲の一つと思うが、なぜかしら誰も取り上げることはない。これほど美しい曲はないと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?