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テネシー・ワルツ

https://music.apple.com/jp/playlist/tennessee-waltz/pl.u-leyMWM6hjA33zj

31 江利チエミ/テネシー・ワルツ

1分間45回転のシングルレコード(EP盤、かつて「ドーナッツ盤」と呼ばれた)が登場した時代はレコードプレーヤーが普及し始めた1950年代後半以降で、その前は蓄音機向けの78回転のSP盤レコードが主流だった。本音源もSP盤と思われる。テネシー・ワルツはもともとアメリカのカントリーであるが、戦後間もない1952年(昭和27年)に当時14歳だった江利チエミが唄い大ヒットした。

32 真心ブラザース/マイ・バック・ページズ

ゆっくりとしたテンポで呟くように唄うボブ・ディランの原曲”My Back Pages”(1964年)はその後、The Byrdsがカバーしたことで流れるようなノリのよいロック調の”My Back Pages”(1967年)へ生まれ変わることとなり、その後、多くの者がカバーして、革命の幻想消えゆく「反逆の若者たち」の自省の歌となった(「あの頃の僕より今の方が若い」というイデオロギーに囚われた過去の自らの精神性の否定)。この曲は真心ブラザースのカバーであるが、日本語で歌われたにも関わらず2003年の米国映画「ボブ・ディランの頭の中」で劇中挿入歌として使用され、サウンドトラックにも収められた。その後、松山ケンイチが主演し、1960年代の学生運動を主題とした日本映画「マイバックページ」(2011年)では主題歌となり、最初に奥田民生が英語で歌い、その後、真心ブラザースが日本語で歌うというミックス・バージョンを聴くことができる。ストリーミングでシングル盤が聴けるのでそちらもお薦め。

33 ロッド・スチュワート/トム・トラバーツ・ブルース(ワルチング・マチルダ)

トム・ウェイトが1974年に発表した原曲"Tom Trauberts’ Blues"はブレンドされていない原酒のような渋みと苦みがあるが、ロッド・スチュワートがそれをすっきりと飲みやすいブレンド・ウイスキーへと窯変させた。「ワルチング・マチルダ」という副題は「さまよい歩く放浪者(が持つズタ袋)」という意味で、豪州で誰もが知るフォークソングから引用されているらしい。ロッドがスタンダード・ナンバーに舵を切り始めた頃の1992年の作品。

34 エリック・クラプトン+ビリー・プレストン/Isn’t It a Pity

2001年11月に死去したジョージ・ハリスンの1周忌コンサートとして、2002年11月29日にロンドンの ロイヤル・アルバート・ホールで開催された「コンサート・フォー・ジョージ」の映像。エリック・クラプトンのほか、ジェフ・リン、トム・ペティ、ジョージの息子など錚々たる顔ぶれ。ジョージの交友の広さを思う。オルガンを弾くビリー・プレストンは「5人目のビートルズ」と呼ばれた人物で、後期ビートルズにはなくてならない存在。ビートルズの”Get Back”のほか、ジョー・コッカーの”You Are So Beautiful”を作曲したComposerでもある。

35 東京スカパラダイスオーケストラ+高橋ユキヒロ/Watermelon

スカパラのアルバム「グランプリ」(1995年)より、夏になると何故か聴きたくなる名曲。それにしても、「グランプリ」というアルバムはとても遊び心にあふれたふざけた名作で、YMO+スネークマンショーの「増殖」と並ぶ傑作なのでお薦めです。

36 中村八大/荒城の月

作詞家永六輔とともに「黄昏のビギン」「上を向いて歩こう」「明日があるさ」を世に送り出した中村八大さん。出身は中国大陸の青島で、第一次世界大戦後、日本がドイツから奪って租借していた当時、そこにはナチスの迫害を逃れてきた多くのユダヤ人達がいたという。親の教育方針でピアノを習っていた中村八大少年もドイツ系ユダヤ人のピアノ教師に師事していたが、ある日、三国同盟の影響で同盟国ドイツの敵性人種とみなされつつあったそのユダヤ人ピアノ教師が日本の軍人たちを相手にリサイタルを開くこととなった。生徒だった中村八大少年も緊張しながら同席し、そのリサイタルで演奏を聴くこととなったが、そこで演奏されたのは「荒城の月」や「さくら」といった日本の曲ばかり。寸分のアレンジもなく、淡々と演奏され続けるふるさとの歌の数々。その時のピアノ教師の演奏が中村八大さんの生涯で最も心を打つ演奏であったという。アルバム「ふるさとのメロディー、中村八大ピアノ・ソロ」ではその時に記憶を辿る中村八大さん自身の演奏を聴くことができる。

37 ピラミッド/Rhapsody In Blue

日本を代表するジャズ・ギタリスト鳥山雄司さん。昨今では、テレビ番組「世界遺産」のテーマ曲(The Song of Life)として知られているが、ドラムの神保彰さん、ピアノの和泉宏隆さん(元T-スクエア)と結成したトリオが「ピラミッド」。ガーシュインの名曲をジャズアレンジした洗練した一曲。

38 クリストファー・クロス/Think of Laura

1983年のクリストファー・クロスの2枚目のアルバム”Another Page”は"Alright"などの名曲が多く、このバラードは静かな夜に聴きたくなる。

39 ケツメイシ/友よ~この先もずっと

映画クレヨンしんちゃんの主題歌として作曲されて、PVがダチョウ倶楽部という不思議な取り合わせだが、大切な友達への想いを掻き立てる。

40 Ben Folds Five/Brick

ベンフォールズファイブはピアノ、ベース、ドラムだけというギターのいない3ピースバンドで1990年代後半に活躍。日本にもよくライブで来ていた。この人たちのバラッドの右に出るものはいない。”Song for Dumped”という別れ歌があり、日本語で歌う「金返せ!」というバージョンもあり〼。

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