新社会人〜2週間の研修を終えて〜

大学中退の後、再度大学へ通い、30手前にして、ようやく社会人を迎えることができた。
周囲の同級生たちは、とうの昔に社会人となり、立派な先輩社員として、また、妻子を得、一家の大黒柱として、立派なオトナとなっている。

大学中退当初はネガティブな考えしかできなかった。しかし、新社会人生活が始まった今、その考えは180度変わって、前向きになっているように自分で思う。

2度目の大学在学中から就職活動、そこから社会人生活が始まり、2週間の研修を経て、配属される今までの心情の変化を振り返ってみる。

2度目の大学に通っている際は、大学を途中で辞めたことから、何をしても達成感を得られず、自信を持つことができない日々が続いた。周囲から遅れをとっている分、早く追いつきたいと焦るばかりだった。周囲からどう見られているのか気にしてばかりで、近所の人や知り合いを避け、周囲との繋がりを拒んでいた。

しかし、アメリカへ1年間の交換留学経て、その考えが少し変わった。相変わらず焦る自分はいたが、学費生活費免除のスカラシップをもらって1年の交換留学に行く目標を2年間かけて達成できたこと、また、その分の英語力の向上が自信になった。さらに、日本の外に出て、異文化に触れることによって、「自分は自分だ。人と違っていいんだ」と思えるようになった。人と比べ、周囲と同一であろうとする考え方を捨て、徐々に周囲とは違う存在であることに誇らしさのようなものを感じられるようになった。

就職活動中は、こんな自分を雇ってくれる企業はあるのだろうか?と思うことも多かった。一方で、それまでの大学生活の充実ぶりが私の自信となり、就職活動に対してポジティブに行動させてくれた。自分と向き合って、自分のやりたいことを考えることは正直難しかった。長年の経験から、自分の傾向はある程度わかるが、やりたいこととなると難しい。結果、人々が余暇時間を充実させるためのお手伝いができる仕事をしたいと考えた。今思うと、私自身のストレスに負けて引きこもった経験から、ストレスで疲弊した人たちを観光やエンターテインメントといったところからサポートしたいという考えから来たのかもしれない。
大学に入る前にホテル業で働きたいと考えたきっかけは、"サービスを極めたい"ということであったが、今では、自分のためではなく、人のために働くという周囲との関わり意識した目的が持てていることに嬉しさを感じている。

内定をいただいて、ようやくスタートラインに立つ資格を得られたと思った。それまでは自分や自分の過去について話すのが億劫であったが、内定を得られたことによって、少しではあるが自分の過去について前向きに捉えられるようになったと思う。

さて、6月に入社となり、2週間の研修が始まった。研修に行く前は、同じ会社へ入社する同期はどんな人たちなんだろう、周囲の人たちとうまくやっていけるだろうか、という不安が大きかった。
しかし、研修が進み、周囲とのコミュニケーションをするうちに、考え方の違いに面白いと思うようになったり、この中で自分ができることはなんだろうと考えるようにもなった。

また、会社の先輩社員や、会社の価値観にも触れ、この会社でなら、頑張っていけるんじゃないかと思えるようになった。

今、配属先での仕事が始まろうとしている。大学を辞めた頃では考えられないような、前向きな考えを今持てていると思う。仕事を始めて、また変わるかもしれない。今思うのは、とにかく仕事に溺れない。自分を自分で守るということだ。仕事にひた向きに取り組むことはもちろん大切だが、私自身放っておいてもそうなるだろうと思っている。その先に、また疲弊して、立ち直ることができなくなるということのないよう、自分を守るということを意識して、仕事に取り組んでいきたい。

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