夜明け前

痛みに触れる前に ため息に変えて 明日を待ち望んでみる

明けないでほしい夜があった
止まないでほしい雨があった

それは僕の傷 確かに君といた、という証拠
今でも傷が痛むときがある

明けない夜に優しく抱かれて いつまでも君といたかった

痛みに触れる前に 涙をこぼしてみる
朝日にキラキラ輝く朝露のように光ったなら

痛みに触れる前に ため息に変えて 明日を待ち望んでみる

開けていく夜を止めて
上がっていく雨を止めて

もう少しそばにいて
君の姿が見えなくなっても 声だけがあたりに響いている

明けない夜に優しく抱かれても 君は想い出になっていく

痛みに触れる前に 涙をこぼしてみる
朝日にキラキラ輝く朝露のように光ったなら。

そんな夜明け前があった。

Written by kanon kobayashi 2011-2015

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