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脅威の展開力!?新環境デッキ〝スプライト〟を徹底解説!!

1.【スプライト】とは?

【スプライト】は〝レベル・ランクorリンクの数が2のモンスターがフィールドに存在する場合、手札から特殊召喚できる〟共通効果を持っているのが特徴的なテーマです。
この共通効果を利用してフィールドに【スプライト】を次々と展開し、アドバンテージの獲得と妨害の成立を目指していくのが基本戦術となるテーマです。

ギミック内に妨害手段・アドバンテージを獲得できる展開札が多く存在しており、カード1枚からでも複数の妨害を用意する事ができます。
展開カードを多く引いた際は5妨害以上を用意する事ができる圧倒的な制圧力を誇るテーマです。

新弾発売後の大会環境に大きな影響を与える事が予想される【スプライト】を4月23日に開催された『朝霞杯』で使用し、準優勝した構築を基盤に徹底解説していきます。

また、翌日の『福福cs』で使用し、優勝した【勇者】入りの【スプライト】に関しても追記を行いました。参考になれば幸いです。


2.【スプライト】の強み

◎安定性が高く、手札誘発の貫通力も高い
【スプライト】は《ギガンティック・スプライト》の成立まで行う事ができればギミックを回す事ができます。そのため、〝レベル2のモンスターを2体並べる=初動に変換する〟ことができるので安定性がとても高いです。
今回使用した構築は1枚初動を9枚採用していますが、ランク2を立てやすいギミックを更にデッキに組み込めばこの安定感を底上げする事も可能です。
また、《スプライト・ブルー》・《スプライト・ジェット》・《スプライト・スターター》を既に引いていれば《ギガンティック・スプライト》に頼らずに【スプライト】を展開できますし、《スプライト・レッド》を横に並べれば、モンスター効果を無効化できる状態で展開を行う事ができるので手札誘発を乗り越えて展開を行う事ができます。

◎妨害数の多い、強固な盤面を作る事ができる
先程も解説したように1枚のカードから3妨害、ギミックのカードを多く引いていれば更に妨害数を増やした強固な盤面を作る事ができます。
尖ったカードの少ないメイン戦では盤面を返す事は難しく、低い要求値から大きなリターンを得ることができます。
具体的な展開と要求値に関しては後述の展開方法で解説を行っています。

◎自由枠が多く、その大会環境に合った柔軟性の高い構築を組む事ができる
初動の要求値が低く、ギミック内で充分な妨害を確保できているので自由枠が豊富です。環境が進み、多少不利なマッチアップが増えても、この自由枠のカードを切り替えるだけで相性差を逆転できる柔軟性の高い構築を組み上げる事ができます。

◎致命的なメタが少ない
【竜輝巧】、【ふわんだりぃず】に対する《ドロール&ロックバード》や【デスピア】に対する《灰流うらら》のような1枚でギミックを停止させられる致命的なメタが少ないです。
対策を立てられにくいため、サイドチェンジ後も高いパフォーマンスを発揮する事ができます。

3.基本戦術

初動となる《スプライト・ブルー》or《スプライト・ジェット》+レベル2モンスターが揃っていればレベル2のモンスターをフィールドに用意し、《スプライト・ブルー》→《スプライト・ジェット》→《スプライト・レッド》or《スプライト・キャロット》とモンスターを次々にフィールドに送り込み、展開を行う事ができます。
その後、《ギガンティック・スプライト》に対する手札誘発をケアした状態からモンスターを展開し、妨害・盤面を形成していくのが基本的な動きになります。
《ギガンティック・スプライト》まで手札誘発を溜め込まれた場合は《スプライト・レッド》・《スプライト・キャロット》で弾き、初動の《スプライト・ブルー》や《スプライト・ジェット》を止められた場合は《ギガンティック・スプライト》からギミックを回転させる事ができるので手札誘発の貫通性能がとても高いです。
【スプライト】が回転している場合は《ギガンティック・スプライト》から《鬼ガエル》を呼び込み、《餅カエル》を成立させ、妨害面の質の向上と後続のリソース確保を狙います。これが基本的な動きの流れになります。

目指す盤面は
《スプライト・エルフ》+《餅カエル》+《魔知ガエル》+《スプライト・レッド》or《スプライト・キャロット》の効果無効複数回の妨害を目指します。
この盤面は《スプライト・スターター》1枚やレベル2モンスター+《スプライト・ジェット》or《スプライト・ブルー》の組み合わせから作る事ができます。

《スプライト・スターター》展開
《スプライト・スターター》発動。《スプライト・ブルー》を特殊召喚。《スプライト・ジェット》を手札に加える。《スプライト・ジェット》を特殊召喚。《スプライト・スターター》を手札に加える。
《スプライト・ブルー》と《スプライト・ジェット》を素材に《ギガンティック・スプライト》をX召喚。デッキから《鬼ガエル》を特殊召喚。《粋カエル》を墓地へ送る。《ギガンティック・スプライト》と《鬼ガエル》を素材に《スプライト・エルフ》をリンク召喚。《スプライト・エルフ》の効果で《鬼ガエル》を特殊召喚。《鬼ガエルB》を墓地へ送る。
墓地の《粋カエル》の効果で《鬼ガエルB》を除外し、特殊召喚。
《鬼ガエル》と《粋カエル》を素材に《餅カエル》をX召喚。
相手のスタンバイフェイズに《餅カエル》の効果で《魔知ガエル》を特殊召喚。《スプライト・スターター》の効果で《スプライト・レッド》or《スプライト・キャロット》を特殊召喚。

《スプライト・エルフ》+《餅カエル》+《魔知ガエル》+《スプライト・レッド》or《スプライト・キャロット》

レベル2モンスター+《スプライト・ジェット》or《スプライト・ブルー》展開(《スプライト・ブルー》の場合で解説)
レベル2モンスターを召喚。《スプライト・ブルー》を特殊召喚。《スプライト・ジェット》を手札に加える。《スプライト・ジェット》を特殊召喚。《スプライト・スターター》を手札に加える。《スプライト・スターター》を発動。《スプライト・レッド》or《スプライト・キャロット》を特殊召喚。《スプライト・ジェット》と《スプライト・ブルー》を素材に《ギガンティック・スプライト》をX召喚。《ギガンティック・スプライト》の効果で《鬼ガエル》を特殊召喚。《鬼ガエル》と《スプライト・ブルー》を素材に《スプライト・エルフ》をリンク召喚。《スプライト・エルフ》の効果で《鬼ガエル》を特殊召喚。《鬼ガエルB》を墓地へ送る。墓地の《鬼ガエル》を除外し、《粋カエル》を特殊召喚。《鬼ガエル》と《粋カエル》を素材に《餅カエル》をX召喚。
相手ターンに移り、スタンバイフェイズに《餅カエル》の効果で《魔知ガエル》を特殊召喚。

《スプライト・エルフ》+《餅カエル》+《魔知ガエル》+《ギガンティック・スプライト》+《スプライト・レッド》or《スプライト・キャロット》

このように展開を行い、盤面を形成していきます。
《餅カエル》の妨害・《スプライト・レッド》・《スプライト・キャロット》の妨害・《スプライト・エルフ》で《餅カエル》を蘇生し、再び妨害の3妨害を構える事ができます。
これに他の展開札が加われば《スプライト・レッド》、《スプライト・キャロット》の両立や《スプライト・スマッシャーズ》が妨害に加わります。また、展開に関わらない残りのカードは手札誘発や指名者カードの場合が多いのでそれらが+の妨害手段になるので強固な盤面を作る事ができます。

◎後続のリソース管理に関して

一度、展開を行った後は手札に【スプライト】モンスターが残らない状況が多いのですが、《餅カエル》の効果で墓地の《鬼ガエル》を回収できるのでこれを次のターンの後続として使用する事ができます。また、相手ターン中に《スプライト・エルフ》の効果で墓地から《スプライト・ブルー》or《スプライト・ジェット》を特殊召喚すれば、後続の【スプライト】を確保する事ができます。
妨害だけに振り切った展開ではなく、見た目以上に展開後のリソースは多く、息切れは起こりにくいです。

4.デッキ構築に関して

4/23の朝霞杯で使用した構築を基盤に話を進めていきます。

【スプライト】は共通効果で手札から特殊召喚することが出来るので、多種のギミックを混ぜた時に起こる〝召喚権の重複で手札に機能しないカードが現れる問題〟が起きにくいテーマです。
召喚権に割いたスプライトは基本的にアドバンテージに繋がらないカードなのでむしろ召喚権を必要とするギミックを入れた方がより強い構築になると考えています。
そこでサブギミックとして目を付けたのは、枠の圧迫が少なく、妨害と後続の両方の役割をこなせる【カエル】ギミックです。
【カエル】の強みは大まかに以下の4点です。

・《鬼ガエル》は1枚で初動になる
・フィールドに送り込んだレベル2が除去されても手札の水属性を捨ててフィールドに特殊召喚できるので攻め手に変換することができる
・《餅カエル》が妨害と後続の両方の役割を持つことができ、《スプライト・エルフ》との組み合わせで強力な妨害手段になる。
・《ギガンティック・スプライト》の効果で《鬼ガエル》を特殊召喚しても《餅カエル》を成立させることができるので【スプライト】ギミックとの親和性が高い。

メインデッキにたった5枚のカードを積んだだけでデッキパワーを大きく底上げすることができます。
【カエル】ギミックのみだと召喚権がまだ余り気味なのでランク2を速やかに作れ、《鬼ガエル》のコストにもできる《深海のディーヴァ》を採用しています。
《深海のディーヴァ》は1枚から《ギガンティック・スプライト》をX召喚できるので初動になります。《増殖するG》を重く踏んでしまうリスクはありますが、《氷剣竜ミラジェイド》のようなフリーチェーン除去の妨害を使用されても場にレベル2を残すことができるので手札から【スプライト】を特殊召喚できる状況を作ることができる事が大きなメリットです。

自由枠のカードは現在の環境で評価が上がり、分布を増やしている【ふわんだりぃず】を筆頭に【斬機サーキュラー】の登場で強化された【@イグニスター】を意識して採用しています。
どちらも低い要求値から強力な展開を行うデッキなので《エフェクト・ヴェーラー》や《無限泡影》の最大枚数投入に加えて《ドロール&ロックバード》をメインデッキに採用し、展開を阻止する事を意識しています。
手札誘発の耐性は高いのですが、《増殖するG》が重く刺さってしまうのでドローに対して《ドロール&ロックバード》を使用し、被害を抑える効果もあります。

5.採用カード解説

内容が長くなってしまうので汎用性の高いカードに関しては割愛しております。

*このテーマを解説する上で〝レベル2・ランク2・リンク2のモンスターが〜〟といった文言が何度も登場します。
読み手も疲れると思いますので今回の記事内では〝レベル2・ランク2・リンク2のモンスターが〜〟といった文言は〝☆2・R2・L2のモンスターが〜〟に省略して進めていきます。

◎《スプライト・ジェット》

固有効果は特殊召喚時に『スプライト魔法・罠』を手札に加えます。
速攻魔法でデッキから【スプライト】を特殊召喚できる《スプライト・スターター》が存在するので、《スプライト・ジェット》は【スプライト】ギミックを回す初動として使用する事ができます。
また、もう一つの【スプライト】魔法カードの《スプライト・スマッシャーズ》を手札に加えれば妨害手段を増やす事ができます。
素引きすれば手札誘発の貫通率も高くなるので3枚採用しています。

◎《スプライト・ブルー》

固有効果は『スプライトモンスター』を手札に加えます。
《スプライト・ブルー》→《スプライト・ジェット》→《スプライト・スターター》の手順でモンスターを次々にフィールドに送り込むことができるので展開を強める事ができます。
素引きすれば手札誘発の貫通率も高くなるので3枚採用しています。

◎《スプライト・レッド》

【スプライト】ギミック内で用意できる妨害手段で固有効果はモンスター効果の無効化です。
効果の使用のためには自身以外の『☆2・R2・L2のモンスター』1体のリリースが必要になります。
展開を行う際は優先的に場に出し、手札誘発を無効化しながら展開を狙います。
効果の無効化なので、ダメージステップ中に使用できません。注意しましょう。
今回は1枚しか採用してませんが、素引きも弱くないので枚数を増やしてもいいと思います。

◎《スプライト・キャロット》

【スプライト】ギミック内で用意できる妨害手段で、固有効果は魔法・罠カードの効果の無効化です。
効果の使用のためには自身以外の『☆2・R2・L2のモンスター』1体のリリースが必要になります。
発動ではなく効果を無効化するので《烙印融合》や《アラメシアの儀》を無効化した場合に2枚目を発動される事を防ぐ事ができます。
《スプライト・レッド》と同じように効果の無効化なので、ダメージステップ中に使用できません。注意しましょう。

◎《スプライト・スターター》

デッキから【スプライト】を特殊召喚することができます。
【スプライト】の優秀な1枚初動でありながら、召喚権に割いたレベル2モンスターが除去された場合でも、攻め札になる点が非常に優秀です。
速攻魔法なので相手ターン中にも使用でき、《スプライト・レッド》、《スプライト・キャロット》を特殊召喚すれば妨害手段を増やす事ができます。
特殊召喚した【スプライト】の攻撃力分のライフを失い、発動後『☆2・R2・L2のモンスター』しか特殊召喚できないデメリットが存在しますが、メリットになる部分があまりにも大きいので3枚の採用となっています。

◎《ギガンティック・スプライト》

デッキからレベル2のモンスターを特殊召喚する事ができます。
【スプライト】に触れていない場合は、《スプライト・ブルー》、《スプライト・ジェット》を特殊召喚する事でギミックを回転させる事ができます。
レベル2を2体フィールドに用意できればこのカードを初動として利用する事ができます。
また、レベル2のモンスターであれば特殊召喚する事ができるので《鬼ガエル》や《プランキッズ・ドロップ》、《ゲール・ドグラ》を特殊召喚し、別テーマのギミックを回す事も可能です。
効果処理でX素材を外すので《エフェクト・ヴェーラー》や《無限泡影》といった効果無効系のカードを使用された場合はエクシーズ素材が減らずに残ります。『☆2・R2・L2のモンスター』しか特殊召喚できない縛りも生まれないので《ダウナード・マジシャン》を経由し、X素材4枚の《天霆號アーゼウス》を狙う事ができます。また、外すエクシーズ素材は自身以外のモンスターでも可能です。
しかし、効果処理でX素材を外す必要があるので効果処理を行うタイミングまでフィールドに《ギガンティック・スプライト》が存在する必要があります。(他にX素材を持ったXモンスターがフィールドに存在しない場合)
《スプライト・レッド》+《ギガンティック・スプライト》の状態で《エフェクト・ヴェーラー》を使用された場合に《スプライト・レッド》の効果で《ギガンティック・スプライト》をリリースしてしまうと特殊召喚を行う事ができないので注意する必要があります。

◎《スプライト・エルフ》

自分・相手のメインフェイズに墓地のレベル2モンスターを特殊召喚する事ができます。相手ターン中にも効果を使用できるので《スプライト・ジェット》や《スプライト・ブルー》を特殊召喚すれば後続を用意する事ができます。相手フィールドにモンスターが存在する場合、ランク・リンク2のモンスターも特殊召喚する事ができるので、1度効果を使用した《餅カエル》を特殊召喚すればもう一度、妨害を行う事ができます。この動きはとても強力なので意識的に狙いましょう。また、こちらの《増殖するG》の発動に対して相手に《墓穴の指名者》を発動された場合、対象に指定された《増殖するG》を《スプライト・エルフ》の効果で特殊召喚する事で《増殖するG》が《墓穴の指名者》で無効化されてしまうのを防ぐ事ができます。また、リンク先のモンスターは相手の効果の対象にならないので妨害効果を持ったモンスター(《餅カエル》や《スプライト・キャロット》、《スプライト・レッド》など)は左・右端、中央の位置に出す事を意識して展開しましょう。

◎《鬼ガエル》

《ギガンティック・スプライト》の効果で特殊召喚し、《餅カエル》のX召喚を狙い、盤面の妨害・リソースを増やす目的で採用しています。手札から水属性のモンスターを捨てることで特殊召喚する事ができるので召喚権に割いたモンスターが除去されても【カエル】や《深海のディーヴァ》をコストにする事でフィールドにレベル2を用意する事ができます。

◎《粋カエル》

《鬼ガエル》の効果で墓地へ送り、自身の効果で特殊召喚を行い、《餅カエル》のX召喚を狙うために採用しています。《粋カエル》の墓地からの特殊召喚はターン1制限が無いので、コストになる【ガエル】モンスターが残り続ける限り、特殊召喚を行う事ができますが、《餅カエル》は特殊召喚のためのコストにできないので注意する必要があります。

◎《魔知ガエル》

《餅カエル》の効果で相手スタンバイフェイズに特殊召喚する事で、《スプライト・キャロット》、《スプライト・レッド》、《スプライト・エルフ》が効果の使用前に戦闘によって破壊される事を防ぎます。③の効果は時の任意効果なので多くの場合に発動タイミングを逃してしまいます。・《スプライト・レッド》・《スプライト・キャロット》の効果でリリースした場合・《餅カエル》の効果でリリースした場合・リンク召喚の素材にした場合このようなよくあるシチュエーションで墓地へ送られた場合はタイミングを逃してしまいます。戦闘破壊や《サンダー・ボルト》のような除去カードを使用された場合に効果を発動できます。

◎《深海のディーヴァ》

このカード1枚からレベル2のモンスターを2体並べる事ができるので《ギガンティック・スプライト》をX召喚する事で初動として活用する事ができます。
2体のモンスターを並べる事ができるので《氷剣竜ミラジェイド》などで除去されても1枚が残れば手札から【スプライト】を特殊召喚する条件を満たす事ができます。
また、《水晶機巧-ハリファイバー》を経由すれば《ギガンティック・スプライト》の素材に《水晶機巧-ハリファイバー》を埋め込むことができるので打点を倍にする事ができます。キルラインの到達を狙いやすくなります。

◎《海皇の重装兵》

《深海のディーヴァ》の効果で特殊召喚する相方にあたります。
このカードを採用すると《深海のディーヴァ》に対して《増殖するG》を発動された場合、《海皇の重装兵》を素材にした《キャット・シャーク》をX召喚する事で妨害を構える事ができます。
《冥王結界波》を使用されても妨害を残す事ができる点に魅力を感じて採用しています。
また、《深海のディーヴァ》被りの状態の時に《海皇の重装兵》を特殊召喚する事で2枚目の《深海のディーヴァ》を召喚できるので、妨害数を増やす事ができます。

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