しゃちょうのこと

一緒に暮らしていた猫のしゃちょうが亡くなってしまった。
3月30日だった。

お涙を押しつける気はないけれど
自分の中の記憶と思い出を整理するために
しゃちょうのことを書き残しておこうと思います。



高校の時の友人が譲ってくれた猫で
2018年の7月に仙台まで引き取りに行った。

引き取った当時は友人とルームシェアを始めたばかりで
2人でものすごく可愛がって育てていた。

父猫の詳細が分からず
一緒に暮らし始めてすぐに連れて行った動物病院で
「もしかしたらこの子は心臓が弱いかもしれないですねー」
と獣医さんに言われたことを覚えている。

小さい頃からご飯を食べるのが大好きな子で
ぐんぐん成長していって
大型種の血が入ってることもあり
最終的には7.5kgくらいになっていた。

生後1年後くらいだったかな
外耳炎っぽい症状が出始めて病院に連れて行った。
先生曰く「食べ物アレルギーかもしれないですね」
とのことだったので
ステロイド入りの注射を打ってもらって
ご飯を低アレルゲンのものに変えた。

そこから注射の効果が切れるタイミングで
数ヶ月おきに外耳炎を繰り返して
その度にステロイド入りの注射で
対応してもらっていたけれど
生後3歳頃から顎に猫ニキビの症状も追加で出るようになっていた。

ご飯はずっと動物病院で教えてもらった
低アレルゲンのものしかあげていなかったし
ちゅーるなどのおやつ類も
一切与えていなかったので
「この子はほんとうに食物アレルギーなのか?」
という疑問もありつつ
事実ステロイド入りの注射を打つと
一時的に症状はおさまっていた。

ルームシェアを解消して引っ越しをした。

引っ越し先で新しい動物病院に通うようになった。
そこの先生に今までの対処、経過を話すと
「アレルギーはアレルギーかもしれないけど、食べ物が原因ではないかもね…」
との話になった。
この頃にはずっと顎にニキビがある状態で
ひどい時は目脂も多く出ていた。

新しい動物病院の先生と
しゃちょうの症状の原因を探っていくことになった。
先生によると
「免疫が弱くて常在菌に対してアレルギーを起こしているかもしれない」
とのことで
ステロイド剤の他に複数の抗生物質を試してみたりした。
何回か通っていろいろ試したけれど
結局抗生物質はあまり効果が見られず
ステロイド剤だけがどうやら効いているらしい
との結論になった。

しゃちょうは家では大人しいのだけれど
それはとてもとても人見知り気質で
勝手に敵認定した人に対して攻撃してしまうので
以前の動物病院で注射を打ってもらう時も
周りの人間に噛みつこうとして
鷹匠の使うような分厚い革の手袋で
押さえられていた子だった。
なので、新しい動物病院では
敵認定をなるべく避けるために
血液検査や注射は最後にしましょう
という方針になって
この時点では血液検査はしていなかった。

ステロイドの錠剤の一定期間の投与を終えて
一旦、外耳炎と顎ニキビの症状がおさまったのが
2022年1月下旬だった。
ステロイド剤は常用するものではないので
次に投与するとしたらできれば半年くらい期間をあけたい
と先生と話をしていた。

ステロイド剤を飲み終わって2週間程度すると
また顎ニキビの症状がぶり返してきたけど
本人はよくご飯も食べるし元気だし
次にステロイドを処方してもらうまで
なるべく期間をあけたいな、と思い
自宅で顎部分を綺麗にしてあげることに留めていた。

そんな中、2月末にしゃちょうが体調を崩した。
ご飯を自力で食べなくなって、ぐったりしていた。
かかりつけの動物病院に連れて行ったところ
喉の音が悪いので急性の気管支炎の可能性が高そうです
とのことで
抗生物質を処方してもらった。
薬を与えても、水すら飲まず心配になったので
次の日に別の動物病院に連れて行った。
(その日はかかりつけの動物病院は休診日でした)

そこで血液検査とレントゲンをとってもらったが
特に異常な数値も出ず
肺も心臓もレントゲンで見た感じでは大丈夫そう
とのことで
水すら飲んでいないのでひとまず水分補給の点滴と
喘息の疑いがあるとのことでステロイド剤も処方された。

それで一旦症状はおさまって
2.3日後には自分でご飯を食べられる位には回復した。

かかりつけではない動物病院の方で
症状がおさまったら数日後にまた来てください
と言われていたが
2月末から3月頭にかけて私の仕事が
詰まりに詰まっていて余裕がなかったことと
他にかかりつけの病院があったので
また症状が悪化したらかかりつけの病院に行けば良いだろう
と思ってしまい
本人の元気が戻ったことも相まって
そのまま3月を過ごしていた。

そして、3月29日の昼のご飯を半分残した。
夜のご飯には手をつけなかった。
2月末と同じように体調を崩し始めた感じがした。
2月末の時にペット用シリンジを購入していたので
水を与えながら一緒にその夜を過ごした。

次の日の朝一番にかかりつけの動物病院に連れて行った。

診察台の上でもぐったりとしていて
まだ若い年齢なのに先月も体調崩して、1ヶ月でまたこれだけ具合悪そうなのはもしかしたら危ないかもしれないですね
とのことだった。
ここで再度血液検査をしてもらったけれど
肝臓の数値も腎臓の数値も異常はなく
この前のレントゲンで心臓も大丈夫そう、ということになると
もしかしたら脳の周りに何かしら原因があるかもしれない、という話になった。

もし脳に腫瘍などがあるのだとしたら
ステロイド剤でその腫瘍の浮腫のようなものがおさまって効いていることになるので
これまで試した治療の結果も説明がつく、とのことだだった。

この具合の悪さが一旦おさまったら猫のCTがとれる病院の紹介状を書きましょう
ということで
水分補給とステロイド剤の注射をしてもらって
具合の悪さがおさまらないようなら夕方にまた注射をしてもらうことになった。

病院から帰宅して
キャリーリュックの中からしゃちょうを取り出そうとすると
もう動かなくなっていた。

苦しかったよね、ごめんね。



ルームシェアしていた友人が近所に住んでいるので連絡をして
一緒に火葬まで立ち会ってもらった。
このタイミングで一緒にいてくれた友人にはとても感謝している。
自分ひとりだったら何もできなかっただろうな…。




しゃちょうはイケメンで大人しくてマイペースで食べるのが大好きな子でした。
人見知りが本当にひどくて、家に遊びに来た友人たちを敵認定して、威嚇したり噛み付いたりしていたのだけが欠点でした。
私やルームシェアしていた友人には懐いてくれていて、撫でられるのが好きで、わたしと2人暮らしになってからは枕元で一緒に寝てくれるようになっていました。
自分の名前と「ごはん」の単語は確実に理解して反応していました。
「ごはん」って言ったら毎回そわそわしてたの可愛かったな。

私が仕事をしてたらモニターの前に割り込んで来て邪魔するのもいかにも猫っぽくて可愛かったな。
爪研ぎも段ボールでしかしないし、トイレの粗相もしないめちゃめちゃいい子だったな。
トイレの砂をかけるのが下手くそでいつまでもザッザッってやってたな。
基本的に人間の食べ物には興味なさそうだったけど、蒸しパンだけにはものすごく執着して、油断して放置してると部屋の隅っこでボロボロに破壊された蒸しパンが発見されてたな。
小さい頃はなんでも噛みたがって、イヤホンの線を何本も食いちぎって叱られてたな。
誰から習ったか知らないけど鳴き声がずっとぶりっ子で高い声だったな。
近所のディスカウントストアで間に合わせで買った雑な素材のベッドをやたら気に入って、もふもふの良いやつを買い与えてもずっと雑なやつ使い続けてたな。


もっと早く具合悪い原因を突き止められたのかな
とか
ステロイド剤を続けていたらもっと長生きできたのかな
とか
もし実際に脳に腫瘍があって手術で摘出、とかもできたのかな
とか
色々考えないこともないですが
今となっては取り返せる、取り戻せるものでもないので
深く考えないようにしています。

もっとペットロスで落ち込んで何も手につかなくなることも覚悟したのですが
周りで気にかけてくれる人たちや
ルームシェアしていた友人の家にいる猫のおかげで
なんとか色々を保てている感じがします。
ありがとう。

しゃちょうにとって、私たちとの暮らしが幸せだったならいいな。


2022年3月15日のしゃちょう


またご縁があれば猫と暮らしたい気持ちがあるので
ご縁〜タイミング〜早く来い〜早く〜
と念じながら仕事も変わらずがんばっていきたいと思います。

こんな記録と思い出の掃き溜めを読んでくださってありがとうございます。

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