花鈴のマウンドの歩き方【こんな物が許されるのかと言いたくなるレビュー】

どうも、はじめましての方もいらっしゃるかも知れません。
ProjectYoung.のプロデューサーを務めさせて頂いています、八神颯と申します。

さて、今回ProjectYoung.の仕掛けとして、花鈴のマウンドの1巻~5巻まで無料。
そして、更には6巻~9巻までを100円販売というキャンペーンを行なわせて頂きました。

「なんだよ!最後の最後で創作を餌にして、花鈴のキャンペーンかよ!」と思った方もいらっしゃるかもしれないです。
ただ聞いて欲しい。

そもそも↑こんな事を書いているNoteは「わかさ生活」及びに「花鈴のマウンドチーム」のOKを通っている記事なんだ。
そうだね、何を言ってるか分からないね。
最初から、最後までしっかりと説明をさせて頂きたいと思っております。
まずは段階を持って説明をしたいので、聞いてくれると嬉しい訳で。

※なおこの記事は「わかさ生活」様
及びに「花鈴のマウンド制作チーム」様の協力を得て、画像の貼付けを許可されている記事となりますので、無断転載などではありません。
予めご了承願います。

花鈴のマウンド × ProjectYoung.が出来るまで

もちろん、最初ProjectYoung.は「花鈴のマウンド」のPRとしてスタートをしました。花鈴のマウンドには、桐谷花鈴という主人公がいて。
凄いシンプルに言うならば
「女の子なんだけど甲子園球場で野球がしたい女の子」
な訳ですよ。

画像1
▲桐谷花鈴ちゃん。夢叶ってるように見えるけど、もちろん夢オチ(1巻32P)

なんだけど、当時は甲子園球場は女子禁制の場所となっていて、野球なんて愚か、マネージャーが立ち入るだけで問題になったりするぐらいの所謂「女子禁制」という場所だった。
そんな場所で野球をしたい。だなんて言語道断な訳ですよ。

そこで感じたのが「夢ってなんで語ると寒いって言われるんだろう」という疑問でした。
夢を語るのはかっこいい事のはずなんだけど、世の中じゃいつの間にか「非現実的な事を語る = 寒い事」として定義されているような気がして。

現実を見る事が大人だと言うんだったら、クリエイティブ続けて仕事してる俺らだってそうだし、それこそ、インディアニメを作って新しい舞台を用意しようとしている、クリエイターさん達だって、みんなみんな。
「子供でいいじゃねえか」

という訳で「夢を諦めない」いや……
夢を諦めないだと聞いた事ありまくりだな、良しじゃあもうちょっと捻ろうぜ。と言う訳で、花鈴のマウンドマインドから頂戴して
「好きなことを諦めない」というマインドが生まれました。

そして、もちろんながらクライアントですよ。
花鈴のマウンドを読む訳です。ここで問題が起こりました。
「あれ、もしかして……この漫画。1巻の時点では引き込まれない……?」

この記事、クライアントが読むって考えたら震えが止まらなくなってきましたが続けますね。

少なからず1巻を読んだ時に「どう読んだらいいか分からない」という事が起こりました。
それは何故かと言うと。1巻の時点で

・両親から秘められた花鈴という名前の想いと夢
・同じ夢を持った幼なじみの登場
・そしてその幼なじみに恋するチームメンバー

という要素が登場します。
「青春群像劇」なのか「スポ根」なのか「恋愛漫画」なのか分からないのです。花鈴のマウンドって言われて最初に「女の子が野球する漫画です」と言われて読み始めたので「楽しみ方をどこに向けたらいいか分からない」という事が起こりました。

なので、ただただ「ProjectYoung.は花鈴を応援してます!」程度じゃ、誰にもこれ伝わらないぞ……?
という状態になってしまい、そこからじゃあどうしたらいいのか?
と考えた時に「ProjectYoung.を深く知ってもらう」そして「あわよくば応援ページで花鈴の「マインド」に深く触れてもらおう」という事で、ProjectYoung.のページはかなり特殊な配置となっています。

画像2
入り口2個ってなんだよ。

最初の時点で「ProjectYoung.だよ!花鈴のマウンドも見てね!」じゃ誰も得しない企画になるな……。と想ったので、わざわざがっつり分けちゃいました。本当だったらわかさ生活さんも花鈴のマウンドチームも絶対に中に入れ込んで欲しいはずなんですよ。
「お願いですから分けさせて下さい!」
「そんなに熱量あるならいいですよ」

案外熱量って役に立つんだと実感した瞬間でした。

まずは3巻中盤まで斜め読みをする事をオススメします

俺がクライアントだったら怒ると思うんだけど、いいのかな、こんな事書いて。

さて、花鈴のマウンドの歩き方と題してますので、花鈴のマウンドを楽しむ為のオススメの読み方をご案内します。
それはまずは、物語の全貌を掴む事です。
本当に軽いネタバレからスタートしますが、時系列としてはこんな感じになってます。

ネタバレとも言える程の情報量で3巻までを整理

最初は、花鈴を中心とする「星桜高校女子野球部」のメンバー、そして花鈴の周りの人間。
更には、過去の花鈴がボッコボコにされた試合の回想が入ります。

しかし先ほど伝えた通りで1巻の時点では、かなり情報量が多く、尚且つ展開される事項も「スポーツ漫画寄り」だったり「日常系漫画」だったり、「恋愛漫画」による内容とかなり振れ幅が大きいです。

ここで注意したいのが「つまらない」とは言わないです。
ただ「1巻の時点では情報量が多い」ので、「情報量についていけなくなって途中で読むのを辞めてしまう可能性」があるという事です。

それこそ、上に時系列。という事でキャラクター名が出て来ましたが実際問題で言えば1巻で出てくるキャラクターの情報量で言うと……

1巻204P おまけの登場人物

主人公がいるのが星桜高校。
元バッテリーの朝陽さきがいるのが、彩愛女学院で、
ライバルが京都雅高校と。
そして、2巻で描かれる練習試合は京都雅と仙台杜の宮高校で……

高校の情報の流れるスピードがはええぇぇ!!

大体の野球漫画って言うのは「主人公校」のキャラクター達で展開されて、練習試合で「ライバルやライバル校が出てくる」というのが良くある流れです。花鈴もその大筋はしっかりと通っています。

ただ、中学のバッテリーが居る高校だったり、ライバルが居る高校だったり、元チームメイトが居る高校が~とかなり情報の流れが速いです。
私は1周目で理解が追いつきませんでした。

これは、「後半戦」に行く事で大体解消します。
というのも、「後半戦」は実際に野球でお互い戦う事になるので、キャラクターに関しての情報量も感情移入もとてもしやすくなります。
だから花鈴のマウンドって「2周目がめちゃくちゃ読みやすい」漫画なんです。言うならば「2周目からが本番」の漫画ですね。
なので、最初にサクサクっと読み進めてしまって、まずは3巻の中盤まで読み進める事をオススメします。
何故ならば、一度とりあえず花鈴のマウンドは3巻中盤で終了するからです。

まさかの主人公交代【頼のボックス】

さて、星桜高校はどういう高校かを説明したいと思います。
言わば男子野球部も女子野球部も「ノーマークレベル」の「弱小高校」って所です。

3年生にとっては最後の夏の大会。
甲子園の土を踏めるかがかかった、総決算のタイミングです。
そこで監督が言う台詞がこれ。

3巻 127P 「まさか」とか言い出す始末

とんでもなさすぎて草。
「まさか」勝とうと思って緊張でもしてるのか。
いや、だとしたら弱小高校とは言え、なんで監督やってるんだ。と言わんばかりのへたれ発言。
しかしながら、この空気。
男子野球部全体に流れていた空気なのです。それに対してメンバーの台詞も。

3巻 同じく127P 9回まで野球をやりたいがボケとして成立する世界

皆の気持ちは一緒なのですよね。
言うならば「どうせ野球3年やったしかっこわるい負け方で終わりたくねえなぁ」ぐらいしか感じてないんですよ、皆。
だからこそ、こういう発言が出て笑える訳ですよ。
ただ、一人だけ。頼だけは違う感情でした。
意地でも甲子園に行きたい訳です。

実は……

時は遡り 1巻 97P

花鈴と頼は小さい頃に約束していたんですよね。
二人とも「野球で甲子園に行こうね」と。
「南を甲子園に連れてって」どころの騒ぎじゃないです。
二人ともしっかりと「大会進出」をもって「甲子園」に望もうとしている訳です。だけど説明した通りで……

1巻 95P

あくまで甲子園のグラウンドは前の時代も連載開始時も、
女子禁制。男子だけの世界の物でした。
それに対して、ぶーたれる訳です、花鈴は。
それに対しての頼の返答は……

1巻 97P 頼この時点で大人過ぎてやばい。子供の発言とは思えない。

と、花鈴を励まして、二人とも野球に打ち込む訳です。
(花鈴には他にも理由がありますが)
しかし、頼と花鈴が高校3年生になった今でも、時代は変わらず、男性だけの世界でした。つまり、この時点で「世界の判断」によって花鈴の夢は叶わない事が決まってしまっていました。
だからこそ、頼は一緒に行けなくなってしまったからこそ。
「花鈴を連れて行く」という約束の形で果たす必要があったんですね。

時は戻って3巻 113P

だからこそ、へらへらしたままでは終われないんです。
頼は、約束を守りたい。そして甲子園で野球がしたい。
その思いから花鈴を甲子園に連れて行くと、しっかりとお前の夢まで俺が背負うから!と花鈴に宣言します。
宣言した上で。

これだよ。

そりゃ、怒るわ。
そりゃこのままで終われねえわ。って訳で……。

3巻 129P

頼は諦めません。
しかしながら相手は虎ノ門高校。
虎ノ門には、既にプロ野球ドラフト候補と呼ばれる「赤坂選手」と呼ばれるピッチャーがいました。

※ドラフト→プロになってよ!ってプロ野球チームから言われるスカウト的な物とお考え下さい。

弱小高校がドラフト指名候補が居る高校に勝てる訳がない。
あくまで弱音を吐くメンバー達ですが……。
夏の大会というのは、勝てば勝つだけ試合が続きます。
もちろんながら、選手達の疲労も溜まる訳です。だからこそ、頼はそこの隙を突いた考えを提示します。

3巻 132P 名推理のシーン

チームの投手は一人ではありません。
だからこそ、違う投手が出てくる可能性が高いのでその隙を突こうと言います。

さて、3巻の面白いシーンを結構詰め込んで紹介をしているんですが、実は……。

3巻までの間で緊迫した野球シーンは

・1巻 春のセンバツ大会 回想シーン
・2巻 星桜VS彩愛女学院
ぐらいです。
(本当は2巻で京都雅と仙台杜の都もあるんだけど、キャラ紹介としての役割がメインかな?)

つまり、野球がぐわあああああ!って面白くなるのは、この3巻からなのです。3巻からは主人公がもはや、大門頼に変わって、星桜男子野球部の夏センバツがメインとなっていきます。
ちなみに単行本の帯は「4巻」と「5巻」は
「女の子だって甲子園」って書いてありました。
4巻と5巻は絶対に「男の子だもの甲子園」とかの方が合ってる。

と言う訳で、いよいよ物語は「甲子園に向かって本当に」走り出す訳で御座います。さて、ここで話を一度戻しましょうか。

花鈴のマウンド 「お願いされたから全部見せちゃうキャンペーン」の真意とは

過去の花鈴のマウンドのキャンペーンなどを拝見した時に「無料話数増大」などをやっているのは拝見しました。
だけど、例えば1巻を全て見せられたとしても、1巻の終盤って。

1巻 184P 小春が壮大に勘違いするシーン

少女漫画なんですよね。
我々が読んで伝えたいメッセージを受け取り、それを変換して、伝搬する。
という作業をする上で、1巻だけ無料で購読などをやっても、もちろん気になってくれる方は買ってくれるかもしれないけど、花鈴のマウンドの本当の魅力は伝わっていないのでは無いか?という疑惑がありました。
実はこれ、ProjectYoung.始動前からずっと感じていました。

でも「1巻だけ見せるとかキャンペーンやっても仕方無いですよ」なんて言える訳がありません。
だって、クライアントですからね!!私達からしたら!!

この時にふと感じました。
さっき冒頭で「大人になれないなら子供でいいじゃねえか」って言ってたけど。クライアントの顔色伺ってる私は。
ProjectYoung.という企画の趣旨を理解しているのか?

という、壁にぶつかりました。

でも、時間は待ってくれません。
OpeningAct.の準備、選定者の準備。一つ一つやるしかありません。
そして、その内容は当初想定していた物よりも大きく大きく膨らみ、気付いた時にはとんでもないでかさの企画になっていました。

そして、遂に迎えた2021年8月21日。
思いは大きく空へと舞い上がり、NextAct.という新たな種子を生み出します。
ProjectYoung.は「夢を追いかけるなんて寒いという大人達をもろともしない前に進む物語」であると私は定義しています。
だからこそ、ProjectYoung.はある種、8月21日に全弾を発射してしまう訳ですが、それが終わりの合図では無く。
それは始まりの狼煙だと思っていました。

どうか、このOpeningAct.を飾ってくれた26名。
そして、アニメーションを作ってくれた花鈴チーム。
はたまた楽曲提供をしてくれたEveさん。
全ての思いが繋がって、「次の誰かに届きますように」
そして、それが「終わらない道標となりますように」
そう願いをかけてはじまったNextAct.は気付けばなんと応募100点を超える企画になっていました。

多分私が胸打たれたのは。
「アニメを作った事がある人の作品」では無くて、
「このきっかけにアニメを作ってみた作品」だったのかななんて、振り返ります。
私はこうやって文字を書く事は出来ますが、絵を描く事は全く出来ません。この前へびをかきました。

33歳が描くへび

画力クソ雑魚ナメクジか、と。
私は、こうやってProjectYoung.が少しずつ骨組みがしっかりとして、前に進む力を蓄えているのを間近で見ていたのに。
「自分には出来ない」と思っていました。

でも、応募してくれた作品の中には。それこそ。
ツールを使うのもはじめてだったんだろうな。
デジタル絵を描くのはじめてだったんだろうな。
あ、イラストが描けないから違う方法を取り入れてきたな。
なんて、色々な作品が募りました。

大人というのはもしかしたら
「判断基準が鮮明になってしまい、妥協と諦めを覚えた人」

の事をいうのかもしれません。

NextAct.の応募作品を見て。
「どうもProjectYoung.のプロデューサーを務めました、八神颯です」というのが恥ずかしくなりました。
みんな、子供なのに、なんで俺だけ大人の階段登ってるんだろう。と。

というわけで、その翌週にわかさ生活さんに提出した資料がこちらです。

要約すると1巻とか2巻ってまだ面白さ伝わって無いよね?的な資料

忘れもしません。
「花鈴のマウンドの面白さを伝える為に必要な助走に最低でも5巻は必要だと思います!!なので、最低でも5巻までは無料で読めるキャンペーンをやりたいです!」

その時の担当者さんの苦笑いの顔を。

ただ、私も大人になりきれない大人の子供で居たかったので。
ただただこれじゃ「6巻から面白い」になってしまう。それが言いたい訳じゃない。と思ったので、めちゃくちゃ資料を書き込んで、「これがこうでこうだから、花鈴のマウンドの面白さって言うのは5巻までにこう詰め込まれている!」みたいのを、まとめあげて発表しました。

断言します。
Wikiよりも詳しい情報が私の手の中にあった。

結果として、上記キャンペーンは上申をして頂き、承認を頂いた上で……

担当者さんにも言いましたが「絶妙にださくて最高なバナー」

このキャンペーンになりました。

間違い無く、私が「ProjectYoung.を通じて頂いた皆さんからのエネルギー」を「自分のやりたい事」に変換して、「貫き通してみた瞬間」だったと思うんです。多分ですが、ProjectYoung.程の企画じゃなかったら、こんな事は言わなかったと思います。
だって「ProjectYoung.成功したと言っても過言じゃないですし、花鈴の特設サイトにもアクセスありますよ!PRになりましたね!」って言って終われば良かったんですから。
大人だったら、それで終われた訳ですから。

でも、仕事を通じてではありましたが、花鈴のマウンド。
今では私の本棚のスタメン棚に飾ってあります。
それぐらいには好きな作品になりました。
そして、そこがクライアントで一緒に創った企画、それがProjectYoung.です。
だとしたら、最後の最後まで、ProjectYoung.とも、花鈴のマウンドとも向き合いたい。
たくさんの作品達が「もっと馬鹿になって、好きな事追いかけようぜ」って声をかけてくれたから、ここまで来られました。

ちなみに途中から担当者さんも面白くなってきたのか、
私は言ってないんですが「じゃあ6巻からも割引きにします?」って言われたので即答でお願いしました。
なんだ、そちらにも「大人になれてない大人」居るんじゃないですか。

さて、ここからは選択肢があります。

諸々と書いてきましたが、ちょっと足りないので、もうちょい書きたいんですよ。ただ、先ほどまで説明したのが3巻までの部分となります。
ここからはスポーツ漫画として純粋に一気に面白くなるので、ここで、このレビューを閉じて、じゃあキャンペーンで無料なので、見よう。
という選択肢もある訳です。
ここからガンガンネタバレ書いていくので、なんだったらここで一度キャンペーンに移動して頂いた上で、読んじゃうのも有りです。

ただ「まだキャンペーンに行く程じゃない」って事であれば、
良ければこのまままだまだ書きたい事がたくさんあるので、お付き合い頂ければ幸いです。

念の為、よくあるブログみたいに改行たくさんした上で歩き方のご案内を続けて行きますので、何卒何卒。









頼のボックス 大進撃

先ほどの内容でご案内した通り「頼のボックス」がスタートします。
1戦目のVS虎ノ門。
3巻で試合が始まって、ちょっとページめくると……

3巻 146P ちょっとまって、もう9回裏?

花鈴のマウンドが3巻からどんどん面白くなる一つの理由。
それは「スポーツ漫画にあるダラダラ」が無い所です。

スポーツ漫画というのは例えばですが、野球を描くという上で言うと、1巻2巻ぐらいかけて、1回からしっかりと描いていくパターンもありますよね。
ただそれは「センバツ」などだと後半にどんどん勢いが増していく傾向にあり、だからこそ、このセンバツ1回戦、虎ノ門戦はまさかのいきなりの9回裏ツーアウトからスタートします。
いや、試合終わるって。
※知らない人の為にお話をすると野球は攻守の入替を9回やる訳です。
9回裏って事はラストターンって事ですね。

3巻 147P そりゃ応援団も力入るわ

そりゃ、応援団も「あっとひーとりっ!」って叫ぶ訳ですよね。
それぐらい、いきなりラストです。
噂の赤坂投手も8回裏から登板。
それぐらいには、頼の作戦が刺さり、緊迫した戦いとなっていました。
赤坂選手の決め球はスライダー。
そのスライダーに狙いを定めます。

赤坂選手の決め球を読む頼。
そして、プライドからかお望み通り決め球で三振を取りに来る赤坂。
二人の戦いの結果は……

3巻 165P 決め球読まれて打たれて放心状態の赤坂

これちょっとだけ補足をするんですが、例えば「ドラフト候補」とか言われたりして「決め球はスライダー」とか新聞に書かれると。
「流石の赤坂、決め球スライダーで初戦突破!」みたいな事とか書かれたい訳なので、そういう考慮もしなきゃいけなくなる訳です。

多分最後は「決め球」がスライダーだからこそ、相手がスライダーを予知していると考えて、ストレートや他球種で取る。
というのも選択肢としてはある訳ですが、ドラフト候補と呼び声が高い。
というのは間違い無く本人にも伝わっている訳なので、こういう事が起きてしまう。野球というスポーツである以上、勝たなきゃならない訳ですが、プロで食べていきたいという選手からすると甲子園というのは「プロ野球チームにアピールする場」でもあるので、色々と考えなきゃいけない訳です。
大変過ぎて吐きそう。
スポーツやってる人の精神力の高さってすげえなって思ったり。

しかしながら、打たれた赤坂選手。

3巻 167P そりゃそうよね、無名校に負けるとは思ってないよね。

場合によっては「ここぞという時の勝負弱さ」的なアピールに繋がってしまい、ドラフト指名がかからないなんて事もある訳で。
スポーツというのは、弱肉強食の世界。それを痛感します。

話はちょっと変わりますが、クリエイティブの世界もそうですよね。
同じ系統のジャンルなどはありますが、結果としてその椅子を勝ち取るのは一部のクリエイターだけ。
努力は皆しているし、それは誰よりも皆が知っている。
だけど努力だけじゃ越えられない壁があって。
そういう意味ではアウトドアとインドアで全く性質は異なるかもしれないけど、本質はちょっと似てるなーって思ったりもするわけです。

しかしスポーツには明らかな「勝ち負け」が存在し、負けには限り無く何も残らないのが世の常。非情な世界です。

そしてこの後の試合も頼の作戦がしっかりと決まり、遂に星桜は……

4巻 25P 名門高校をおさえてまさかの星桜、大門頼が新聞の見出し

遂にベスト8に辿り付きます。
しかしながらセンバツから甲子園の土を踏めるのは、僅か1校。
まだまだ、強豪校との戦いは続きます。
ちなみに超細かいんですが……

同じく 4巻 25P 細かい情報なんですが、こういう所も読み込むと他校の情報も

後ほど名前が出る白狼高校などの情報もこの時点で実は出てたりします。
新聞として成立するクオリティで投げてきます。
そして、女子プロ野球クライシスはわかさ生活社長、角谷建耀知さんの書籍です。しっかりと入れ込んでくる。流石。

あと3回。勝利を収めれば、甲子園。
前までの情報ではあまり名前を出さなかったですが、ここで登場するのがサッカー部主将「青山綾斗」です。
彼は何かを知っているようで、意味深な台詞を呟きます。

4巻 31P 野球部について何かを知っているような青山

そして、彼はこう続ける訳です。

4巻 32P 意味深な台詞に意味深な台詞を重ねます。思わせぶり青山

さて。
3年前と同じだという台詞。
注意深くこの記事の画像を読んでいれば、実は青山の台詞の前にヒントがちゃんと出てました。

戻って 4巻 25P よく見りゃ「3年ぶりベスト8」そう、3年前にも同じようにベスト8まで星桜は辿り付いていたのです。

つまり、この3年ぶりという3年前の試合には何かしらの因縁が……?
という事を含ませる訳ですが、青山はここでも紹介してない事が多いぐらい何かと野球部につっかかってきます。
これも後ほど分かるんですけどね。

ちなみになんと花鈴のマウンドのクレイジーな所が出ます。
花鈴のマウンドちょくちょく「そこ端折る!?」ってとこを端折るのです。
ベスト8。あと3回勝利。
どうなるのか気になりますね。そわそわが止まりません。
花鈴だって思っている事でしょう。「頼君は甲子園に行ける……!」
周りの仲間達だって「もしかしたら本当に甲子園に……」
そんな思いが渦巻く訳です。とってもとっても大切なシーンです。
何が言いたいかってそれぐらい大切なシーンです。
その野球展開、どうなる事か!?

4巻 36P ベスト8の試合が!!9回表から!!

途中全くありませんwwwwww
どういう事なのwwwwwwwwwww
ここ2話か3話ぐらい跨ぐ所じゃねえの!?wwwwwww
それならまだいいですよ。

4巻 47P はいホームランです。

野球漫画ってこういうシーンがあるんですよ。

ピッチャー(あのバッター……また決める気か……!?でも、俺の決め球で……)
バッター(きっと最後は決め球の高速ストレート、これで……決める……!)
みたいなニュータイプが集まってお互いの心理描写みたいな事をやってドキドキさせるみたいなシーンあるはずなんですよ。
じゃあ、投手が投げる前、どうだったかというと。

4巻 43P 直ぐ投げちゃったよ。

直ぐ投げちゃうんですよ。
直ぐ投げて、直ぐ打ってホームラン。
ベスト8の試合やぞ!?それぐらい、軽快に進みます。

ただ、実は馬鹿にしてる訳じゃなくて、「大切な所は重たく」「そうじゃない所は軽く」というのをしっかりとやってもらってるので、めちゃくちゃ読みやすいです。
逆に言うと、武勇館(相手校)戦は「そうじゃない所なので軽い」シーンだった訳ですね。
いやいや、ちょっと待って下さいお客さん。
とは言え、これは9回表。
つまりは武勇館の攻撃がある訳です。6-3と3点差を最後の9回裏でひっくり返すのは至難の業ですが、まだ武勇館が輝く場所が……

4巻 51P 守備の描写すら無かった

可愛そう、武勇館。
攻撃している描写も無く終わってしまいました。
こうして、遂に星桜はベスト4に辿り付くわけです。
ここでもヒントが。

同じく 4巻 51P

「3年前のベスト8の壁を破り初のベスト4進出決定」
という事は、3年前、準々決勝で何かがあった。
ってのが分かる訳ですね。そんな事より「大狸々(ごりら)」の名前の方がインパクト強いか。

ちなみにその大狸々監督がこちら。

4巻 127P 思ってた以上にゴリラです。

効果音が「ドンドコウッホ」ゴリラ of ゴリラじゃねえか。

一方花鈴は……

主役の座から完全に転落して、頼の応援係となった花鈴。
しかしながら、彼女もまた、野球選手としての転機を迎えます。

4巻 70P 投球練習をするも、コントロールが落ち着かない花鈴

公園で黙々と練習をする訳ですが、なかなか上手く行きません。
そして、背景にはひたすらおにぎりを食べるおじさん。
投げる花鈴、食べるおじさん。The シュール。

4巻 71P 練習していた花鈴を見て……

花鈴の投球フォームが安定しておらず、上半身だけで投げる事を指摘するおじさん。
なんやかんやあって、おじさんと花鈴は仲良くなり、おにぎりおじさんこと鈴木さんと仲良くなります。
そして、鈴木さんは見た上で、花鈴の投球フォームの甘さをしっかりと言語化していきます。

4巻 87P 棒人間だけど俺の蛇より上手い。嫉妬。

フォームというのはどうしても「長年」やればやる程癖が付いてしまうので、それを改善するのは非常に困難です。
しかしながら、鈴木さんのアドバイスの甲斐もあり……

4巻 97P しっかりと身体に覚えさせようと練習をする花鈴とおにぎりおじさん

花鈴も成長していきます。
ただここで挟み込まれた時「1周目」ですら思いました。
もしや、ここで花鈴の成長を描くという事は……。
頼は……。
そして、遂に星桜VS黄猿という、大門の運命を大きく揺るがす大切な一戦が始まるのです。

星桜VS黄猿 気持ちと戦略が交わりそして……

さて、ベスト4。言わば準決勝です。
ここは流石に1回からやr……

4巻 119P 流石花鈴のマウンド。と言いたくなってきた。

実際には1P半程のダイジェストはあるんですが、ダイジェストです。
さて、ここで野球を知らない人にも説明をしなきゃいけません。

野球って言うのは、ピッチャー(投手)が投げたボールをバッター(打者)が打つ訳ですが……。ボールはどこにでも投げて良い訳ではありません。

ストライクゾーンと呼ばれる「目標」に投げなくてはいけなくて、
そこに投げると「ストライク」
入っていないと「ボール」という判定となります。

バッターがボールを振らなかった場合、3ストライクで1アウト。打者は交代となります。
逆に4ボールで「フォアボール」といって「打っていないけど前に進んで権利」が貰えます。

野球場の説明、及びにルールの説明が続きます。

野球のバッターは「一塁」「二塁」「三塁」を踏んで、ダイヤのような形で走り、最初の場所に帰ってくる必要があります。
この時に良い当たりが出ると、二塁とか、三塁まで進める可能性があります。しかし「フォアボール」の場合は一塁までしか進めません。

4巻 47P 3打席連続ホームラン = 3回連続ホームラン

一方でホームラン。というのは、真っ直ぐ打球が伸びて「観客席」以降まで飛んだ時にホームランになります。
ホームランはなんと「一塁」「二塁」「三塁」を無条件に踏んで、帰ってきて良い権利が貰えます。
そして大門は、武勇館で3打席連続ホームランを出した「神ってる男」
つまり、大門はバットにボールを当てりゃあ好成績が出るはずなのです。

4巻 119P 敬遠される大門

そんな中、黄猿、ゴリラ監督の指示の元、徹底的な敬遠指示が飛び、まさかの4打席連続フォアボール。
9回裏まで、ボールに触る権利すら、大門には与えられませんでした。

4巻 141P ヤジを飛ばす観客達

言わば高校生達からしたら真剣な勝負の場であったとしても。
「観戦」している人からしたら野球というスポーツはある種「エンターテイメント」なのです。
星桜の神ってる大門頼のホームランが見たい。
そう思って観客席に来ているお客さんもいらっしゃる訳です。
そうなった時に、この黄猿の作戦は、観客からヤジが飛ぶ程の行為。とも言える物でした。

さてさて。
ながーい事、敬遠の話をしました。
なんで、この話をしたのか。
そして、花鈴のマウンドの面白さってどこにあるのか。
その本質の一つを語ろうと思っている訳ですが。

それは原作者「紫々丸」こと先ほども名前が出たわかさ生活社長の「角谷建耀知」さんが、「高校生野球マニア」である事です。
言うならば知らない人からしたら「9回裏満塁」が多いのって、「なんか漫画ご都合主義だよね」って思う人もいると思うんです。
しかし、多分ですが。聞いた訳では無いですが。
このシーン。「現実にあったシーンがベース」のはずなんです。

実際に1992年8月16日、第74回全国高等学校野球選手権大会の明徳義塾高等学校 対 星稜高等学校 戦で起こった「松井秀喜選手への5打席連続敬遠」と言う事件と言っていいレベルの出来事がありました。

今の若い方は知らないかもしれないですが、当時の巨人を間違い無く支えた「ゴジラ松井」の名前でも有名なパワーヒッターです。
その松井選手が5打席連続でフォアボールを選ばれてしまい、ボールに振れる事なく、敗退した。という出来事が過去に存在しました。

つまり、これはある種の「再現性」がある「あり得る」出来事な訳です。
ちなみにこの5打席連続敬遠はなんとこのあと、日本高等学校野球連盟が記者会見を開くほどの社会的問題に発展しました。
野球を見る人、そして野球をする人のモラルが問われる事態に発展したのです。多分この時代にTwitterあったら、大炎上です。
「松井ボールに振れられなくて草w」
とか書かれてたんだと思います。

でも、じゃあこのヤジを耐えて。
それでもなんで、敬遠して。誰からも認められない野球をするのか。

4巻 141P 黄猿の過去

勝たなきゃ。甲子園の土は踏めないんです。
彼らからしたら「なんとしても勝たなきゃいけない」んです。
例え、野次られても、何があっても。
スポーツは「勝った人だけが前に進む」物なんです。
努力した人を褒めるのがいくら日本社会だったとしても。
勝ったら褒められて、お金も得られて地位も得られて。
でも負けた人にあるのは同情だけ。
勝てなきゃ意味が無いんです。勝たなきゃ。駄目なんです。

でも。
人だから。人間だから。
血が流れてるから。

4巻 141P 耐えろと祈るキャッチャー藤吉。試合も勝負も勝ちたい日吉。

敬遠指示。
それは「お前は負ける可能性があるから最小限のリスクを取れ」という選択でもあります。
だけど、ピッチャーとして3年間。必死に戦い抜いた彼らには彼らなりの人生があります。
だからこそ、ここで日吉は「投げて勝ちたい」と思うようになります。

4巻 143P 監督の指示を無視し、「一人の投手として」戦いを挑む日吉。

さぁ、この流れ。
日吉が独断で、自分のボールを投げる。
そして、大門がホームラン。逆転。
美しいじゃないですか、納得感バリバリです。
それでいいですね。

4巻 145P ツルって何?不穏だから、やめて、ねえ。やめて。

力んだボールは。
日吉が思った所に投げられず。
同時に汗が染み込んだ手から、ボールは意図せずに、放たれ……。

やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!

大門の左足首を直撃。
ちなみに野球を知らない人の為に話すと打者に当たってしまうボールは日本語では「死球」と呼ばれ英語では「デッドボール」という判定となります。
デッドボールになったら、どうなるか。
「一塁進めます」
昔から、コスパ悪いだろって思ってますが、それは個人の感想です。

本来でしたら、かなり低めのボールなので、避けられるはず。
ではありますが、日吉の投球フォームを見て「ボールをちゃんと投げてくれる」と感じた大門は、打ちにいきました。
その姿勢は、死球を避けるという体制が取れないぐらい前のめりだったんでしょう。だからこそ、この敬遠地獄による痺れが切れた両者の前に出た気持ちが故に起きたトラブルでした。

満塁で迎えた2点差。
一塁に出た大門がホームベースを踏めば、逆転勝利。
監督は「代走(代わりの走者)を出す」と提案をしますが、自ら塁に出る事を選ぶ大門。

そして、次の打者は星桜、岩淵。

4巻 161P 岩淵の打球は左中間の丁度良い当たりに

更なる追加点のチャンス。更に……

4巻 163P 更に打球は壁を跳ね返り、更に防衛ラインを崩す展開に。

さぁ、大門がホームベースに帰るチャンス。
塁と塁の間は「27.431m」つまり、このヒットで大門は「約82m」を全力疾走する事になります。

4巻 165P 大門の左足首に激痛が……

待って待って待って待って。
もういいじゃん、大門神ってる男って言われてたんだから、もう勝てばいいじゃん。何急に試練襲いかかってるの。
しかしながら、ボールがホームベースに大門より先に帰ってきたらタッチしてアウト。
同点止まり。
大門が帰れれば、1点追加のサヨナラとなる訳です。
止まる訳には行かない大門、そうはいかない黄猿。
両校の想いが正面からぶつかります。

多分ここで続きは「本編で!」とか言うのが正解でしょう。
このレビュー、許可をもらったからには止まりません。

4巻169P 無論大門も止まらない。つーか飛んでる。やべえ。

ボールは藤吉のミットの中に。
飛ぶ大門、後は捕捉してタッチするだけの藤吉。
いざ決着の時。

4巻 171P さぁ、審判の判定は……!

タッチした藤吉。
ホームベースを踏んだ大門。
後は審判の叫び声を待つだけ。
セーフなら、星桜が。
アウトなら、黄猿が。
決勝に駒を進めます。

4巻 173P 審判の判定はセーフ!!

遂に、星桜は大門の左足首という代償と引き換えに、9回裏3点差をひっくり返して、センバツ決勝戦に進むのでした。

遂に決勝、花鈴のマウンドが本性を現す5巻

花鈴のマウンドは「女の子だって甲子園」という言葉で。
桐谷花鈴が甲子園を目指す物語です。
それは大門と花鈴がした約束だから。
つまり、「大門が果たしたとしても」ある程度は成立する訳です。

もちろん二人とも選手として、それが理想。
しかしながら、花鈴はどうしても今の日本のルールでは、それが果たせない。
だからこそ、大門が連れて行く。
その想いの上で、遂に5巻。センバツ決勝である、星桜VS白狼の試合が始まります。
しかしながら、ここまで他者を寄せ付けない圧倒的な力で勝ってきた白狼。
もちろんながら、大門の足のケガは周知の事実。

5巻 68P ピッチャーの氷爪はわざとバッターが後ろに反り返るような球を投げる
5巻 69P 「おっとごめんね」じゃねえんだわ、キャッチャーの甲牙め。

星桜はここまで、大門のアシスト。
そして、大門が周りを引っ張って戦って来れた訳で。
だからこそ、大門を消せばいい。
汚い戦略に見えるかも知れませんが、立派な戦術です。
対戦校の事を研究している白狼だからこそ、出来る戦略でもある訳ですね。
そんな中……。まさかの。

5巻 72P 自打球とよばれる自分に当たってしまう事故。ダメージの蓄積がエグい。

どうしたの。
原作者も花鈴チームも急に大門嫌いになっちゃった?
ってぐらい、大門に悲劇が続きます。
歩き方では飛ばしてますが、自宅に帰ってからも左足首の痛みが止まらない描写もありました。
それぐらい痛かった、左足首にダメージが。
直後、大門はセンバツで初の三振を取られてしまいます。

これには、周りも流石にしょげる。
これだけ大門がやられた……。
もう駄目だ……。そんな最中でも、大門は周りの士気を高める事を忘れません。

5巻 81P 周りを元気付ける大門。

多分ですが、大門パワプロの選手だったら。
「サヨナラ男」と「ムードメーカー」付いてるんだろうな。
って書こうと思ったらパワプロ2012から「ムード」に変わってた。
一番好きなパワプロは99の男、八神です。

5巻 90P アウトは取られるが、左足に向かってスライディング。

この後も、白狼は全員で全力で大門の左足を狙い続けます。
挙げ句に甲牙によるツーランホームランを決められてしまい、1回裏の時点で2点差に。
そして、まさかの。
こんな大事な局面でも、流石花鈴のマウンド。お約束は大切に。

5巻 109P やっぱりやりやがった

5回終了
じゃねえのよ!!
いやね、無得点だったからのスキップなんでしょうけど!
なんでしょうけど!!
決勝戦でまさか4イニングいきなり吹き飛ぶと思わなかったわ……。
油断してたぜ……

5巻 115P 109P~ここまでの間は星桜ベンチの会話のみ

油断してたぜ!!!!!!!!!!!!!!!!
6回表からだと思ったら、気付いたら6回も終わってたぜ!!!!

そして7回表。
白狼氷爪VS星桜大門。
東東京大会ではなんと自責点(取られた点数)が0点の氷爪。
しかしながら、執念の大門との一騎打ちの結果。

5巻 126P 大門のホームランが決まる……!!

なんと、氷爪から大門がホームランを獲得。
初の自責点という氷爪に大きな傷を付け、1対2とまだまだ分からない状態になってきました。

恐らくここで氷爪が怒りから覚醒するのか?
星桜が取り返すのか、7回表はまだツーアウト!ここからまだまだ先は分からねえぜ!!

5巻 129P またかああああああああああああああああああああああああ!!!

たった今。
スポーツ漫画の見所のみをしっかりと選別し、そうじゃない所はバッサリとカットするという事を「花鈴る」と名付ける事にしました。
命名は私です。使いたい場合は一報下さい。

9回表、ワンアウト。
満塁というチャンスに、この男。そう。

5巻 138P 星桜の切り札、大門頼の登場だ!!

これでホームランなら、逆転で3点差。
頼むぞ!頼!
さぁ、氷爪との大勝負!!!!

5巻 140P お互いのプライドを賭けた、最後の大勝負!!
5巻 142P 放たれる球、そして……

さぁ、どうなるんでしょうか!!
氷爪のプライドが勝利するのか、大門が大空に虹を描くのか!!!!
6ページ後をご覧下さい。

5巻 148P 待って。

待って。
ねぇ、待って。
待ってってば!!!!!!!!!!!!!

6ページ!つまり3回しかめくってないの!
3回めくったら、この展開ってどういう事なの!!!!
なんで、大門救急車乗ってんの!!!
試合の結果どうなったの!?!?
ちょっと、花鈴どうなったか教えてよ!!

5巻 162P あ、え、負けた……ん……すか?

「負けたよ……」
圧倒的情報量不足!!!!!!!!!!!!!!!!
どうなってんの!?

そして、花鈴が語ります。
肋骨に3本ヒビ、そして左足首にヒビが入っており、
氷爪の投げた球は「意図的では無く」デッドボールに。
右脇に当たり転倒した大門は転倒してしまい、頭を打った。と。

しかしながら、四つん這いの状態で、なんとか一塁に向かって、這って進もうとした。

5巻 164P 球場は大門コールに包まれる中、一塁に進もうとする大門。

ちょっとここは流石にページ貼りますね。
これだけ貼ったら、もはや5巻の大詰め完全に無料公開キャンペーンだけど許されるのだろうか。怒られるのだろうか。
でも、私はこのレビューでこのシーンはカットしたくないので。
提出前だが、書いちゃう。
(この原稿が公開されてたらわかさ生活さんが許してくれたって事です。よっ!太っ腹!!!)

5巻 166P 震える氷爪、戦く甲牙。氷爪は本当に勝つつもりで投げたボールが当たったのです。

観客からしたら最大のエンターテイメント。
本来ならば、止めるべき状況ですが、それでも地を這って進む大門。

5巻 168P 流石に審判からも臨時代走が認められる状況に、しかし止まらない。

一塁に向かって。
そう、この一塁は、満塁だから、同点への。一点。
たとえ、どんなに身体がボロボロでも。
一塁に、手を伸ばして、花鈴との約束を。

5巻 170P 一塁に手を伸ばす頼

花鈴との約束を

5巻 172P 一塁に僅か手が届かない所で気を失う頼

いいじゃん!!
どの道、気を失わせるならば一塁振れさせてあげていいじゃん!!
どうしたの!?制作チームの皆さんの血は流れてますか!
大門頼に親でも人質に取られてますか!?それぐらい恨んでますか!?

そして、同点になった9回裏。

5巻 176P 結果的に甲牙のサヨナラホームランにて、星桜。決勝戦敗退。

星桜は負けが確定します。
これにて、大門頼の。
高校生活の野球は。
おしまいです。
甲子園の土を踏めずに、神ってる男と言われた大門ですが。
このまま、終わりです。

最後の記憶も無く、花鈴から告げられた事実を受け止める事しか出来ずに。
大門頼の夏は終わりました。

5巻 180P 約束が、誰にも、果たせなくなった瞬間だった。

花鈴を、そして自分達チームを、そして自分を。
甲子園に連れて行く夢は終わりです。

本当に初回読んでびっくりしましたが。
大門頼という男の人生を。本当にボコボコに。
完膚無きまでにボコボコにして。
フルボッコの状態で、3巻から続いた、【頼のボックス】は突如終わりを告げてしまいます。

一人にしてくれと言う頼を残し、病室を去り、花鈴は祈ります。
もし、もし野球の神様がいるのなら。

5巻 190P
5巻 192P

女子にも甲子園大会を目指せるチャンスをください!
と。

普通ならば。
男子が「神様」に「甲子園球場に行きたい」と祈ればいいのですが。
この時の世の中では「そのチャンス」すらありませんでした。
いくら花鈴が頑張った所で、甲子園に女子は入れない。
それが歴史の中の掟でした。

さてさて。ここまでの感想です。

一言で言いますね。
「続き気にならね?wwwwwwwwwwwwwww」
そうなんです、花鈴のマウンド。5巻まで読んだら「続き気になる」んですよ。普通に面白いんですよ。
でも、それは1巻だけ無料とかじゃ、辿り着けないんです。
だから今回、無理言って5巻まで無料にしてもらいました。
本当に言ってみるもんだなって思ってます←

言ってしまうと、5巻までは先ほどまでも何度も書いた通りで
「花鈴のマウンド 序章編」及びに「頼のボックス」なんです。
花鈴が本当の意味で甲子園に行きたい。と望むのには、5巻かかります。
元々強い想いではあるんですが、それが確固たる意思と変わるのは、まさしくこの頼の敗退にあったと思います。

ここまで読んで頂いた上で「6巻~9巻」が「100円」って言われたら、
興味を持って頂けると思うんです。
ただ、それを伝える場が無かったので、今回、このようなレビューをさせて頂きました。
レビューって言うか「一緒に歩く、花鈴のマウンド」状態ですけどね。
自覚はありますし、「花鈴る」とかいろいろと言いましたが。
愛情ですので、許して下さい、わかさ生活さん。
僕は怒られたくはありません。

しかしながら、もうちょいとだけ。
掘らなきゃいけない事があります。
花鈴のマウンドとProjectYoung.が繋がった部分。
それがどこにあったかです。
その話をする為には話を6巻まで進めなくてはなりません。
つまりこのレビュー。
この時点で、17,000文字超えてるんですが、もうちょっとだけ続くんじゃよ。(20,000文字越える覚悟は出来てる/作文用紙50枚分)

夢を現実に。

6巻であった事を、簡単に羅列すると。
・新キャラの紹介
・青山綾斗の真実
・白狼の謝罪、そして頼のキャッチャーミットを甲子園に連れて行く為、甲牙への貸し出し
そして。
全日本高校女子野球選手権大会 組み合わせ抽選会
が始まります。

東西に高校を分けた上での試合が行なわれる仕組みとなっているこの大会。
その組み合わせを各チームの主将がくじ引きで決めていきます。

その抽選回が行なわれる前に、司会より挨拶そして野球の歴史が語られました。

5巻 144P 女子野球の発展について語られる。

女子野球という文化は、最初はわずか5校の学校でスタートしました。
しかしながら、時代と共に。
そして、女の子達の想いと共に、野球部は日本に増加し、
現状では50校を越えるようになった。
という内容でした。

野球を本気でやるのに性別は関係無い。
でも、野球の歴史には、女子が居ない。

5巻 146P 応援するのも、プレイするのも性別は関係無い

応援をする人達もプレイする人達も本気です。
しかしながら、どれだけ頑張って真剣に向き合ったとしても、女子は甲子園で。高校生球児の聖地である、甲子園球場では野球が出来ない。
でも、「野球をさせてあげたい」という想いは、人達に少しずつ伝搬されていきました。
そして。

6巻 148P 遂に、決勝大会が、甲子園球場で開催される事に。

たった2校だけ。
たった2校だけしかいけないけどけど。
遂に「女子野球が正式に甲子園球場」で行なわれる事が決定。

そう。
遂に、骨の皮一枚で。

6巻 152P 花鈴の想いは、途切れない……!!

花鈴は、頼との約束を果たす事が、出来るチャンスを得るのです。

さてさて。
コレを見て「なんとご都合主義」と思われるかも知れません。
しかし。

2021年8月23日。
この、物語は、現実となりました。

実は忘れもしない。
ProjectYoung.の開催日。8月21日。
この日は、この女子野球決勝が開催される日程の予定日でした。
天候不良により、開催は8月23日となってしまいずれてしまいましたが、
一つの物語が現実になった。
夢を諦めない物語が夢を掴む物語に変わった瞬間を。
ProjectYoung.の開催日としたのが、8月21日に開催された理由でした。

これは現実の物語となりますが、
「男子に勝った女子のエース」という肩書きを持つ、女性選手「島野愛友利」さんという選手がいます。
(2023年から読売ジャイアンツ 女子公式野球チームに入団予定)

島野さんも、それこそ花鈴同様、女子野球の知名度を高めたい。
女子にも甲子園のような大会が欲しいと訴えていた選手でした。

そして、島野さんの。女子野球を愛する人の。
言葉が届き、決勝試合が、まさに花鈴のマウンドと同じく、決勝戦が。
甲子園球場で開催される事になりました。
そして、神戸弘陵の島野選手は。
実際に、甲子園のマウンドで、ボールを投げ。
見事に、「全国高校女子硬式野球選手権大会決勝」にて勝利を収めました。

この物語は「好きなことを諦めない」を。
我々の畑とは異なりますが、スポーツという弱肉強食の世界で。
祈り続け、願い続け、そして叶えた物語だと思います。

抱いていた物語は。
信じ続ける事で、現実に変えられるし。
100%では無いとしても、「信じ続けた者にしか変えられない」んだと、
改めて感じさせてくれました。

でもまだ、花鈴は叶えてないからこそ。

漫画のキャラクターかもしれませんが、花鈴はまだ戦っています。
10巻の時点では、まだまだ大会は2回戦。
これからが花鈴の本番。と言った所でしょうか。

でもそれはきっと、私達も一緒なのかなって。
私は、今回こんな大きなプロジェクトのプロデューサーを務めさせて頂き、努めさせて頂きました。

いやー怖かった。死ぬ程怖かった。
クリエイターさん達とミーティングをして。
色々な話をして。
想いを伝えて、一つ一つ前に進めていく。
だけど、皆さんの力を得て。
もちろんわかさ生活さんも。
花鈴チームも。
そして、NOKIDの仲間の力も借りて。

少しでも、クリエイターさんが前を向く為の。
何かの力になったのであれば、と思いながらやらせて頂きました。

そして、NextAct.を見た時に。
嬉しい気持ちと同時に一つの疑問を抱きました。

NextAct.は本当にとても良い作品が投稿され、
OpeningAct.も素敵26名、そして花鈴チーム。
Eveさんという大きなお力もあり。
とてもいい企画になったと胸を張れるようになったと思いますが。

「あなたは何か果たせましたか?」

いくら自分自身に問いかけても答えは返ってきません。
そうですよね、自分もプロデューサーという立場ですが、色々と創作活動を続けていて、何か面白い物を世に出したいと思っていて。
このProjectYoung.という作品は。

27本のOpeningAct.
そして、Eveさんの遊生夢死
そして100本を超えるNextAct.
それが、【それが】とても面白かった企画です。

方向性をとりまとめたのは、自分達かも知れませんが。
自分達は「意思をまとめた」だけに過ぎず、別に以上でも以下でもありません。少なからずそう思っています。

だから。

桐谷花鈴も。
NextAct.の作品、そして創られたクリエイターの方々も。
応募したいと思って出来なかったクリエイターの方々も。
ProjectYoung.なんて知らないけど前に進んでいるクリエイターの方々も。
そして、我々も。

まだ「好きなことを諦めない」「夢の途中」なんだと思います。

野球に興味が無い方も、実はたくさん花鈴のマウンドには、補足が書いてあります。なので、野球にあまり詳しく無い方でも、手に取って頂ければ、嬉しい限りです。

キャンペーンのおかげで、今なら花鈴のマウンドに触れやすいのかな、とか思ったりしております次第です。
私の立場でこんな事言っていいのか分かんないけど。
これで、もしも花鈴のマウンドを手に取ってくれる人が増えるならば。
きっといつしか、「第二のProjectYoung.」が開催出来ると思うんです。

今回、桐谷花鈴のように。
「好きなことを諦めない人達がたくさんいて、その人達と前に進む企画がやりたい」
そんなワガママに付き合って頂いてこの企画は始動しました。
だから、もしもこれが成功体験になったら。
「うちもやりたい!」なんて人達がもしも集まったら。
こんな馬鹿騒ぎがまた、みんなで楽しく出来る気がするのです。

プロデューサーとしては最後のお仕事です。
もしも、ご興味を持って頂けたら、花鈴のマウンド。
読んで見て頂けたら嬉しいです。

そして、花鈴のマウンドだけじゃなくて。
興味を持って頂けたらインディーアニメクリエイターの皆さんも応援してみてあげて頂けたら嬉しいと思っています。

OpeningAct.に参加された方の中で、CMのアニメーションを作ったり、
次のお仕事を頑張られたり。と、様々な方が動き出しています。
OpeningAct.の皆さんも「更なる好きなこと」の為に動き出しています。

そして、それはきっとNextAct.というこの方法でも。同様に。
どんどん前に進むきっかけになるのでは無いかと信じています。

私も。
皆さんほど頑張れるか、花鈴ほど頑張れるか分からないですが。
まだまだ「好きだけどやりたいこと」がまだまだ出来ていないので。
それを全て果たせるように頑張るつもりです。
だって。
「信じ続けた者にしか変えられない」から。

どうか、皆さんも。
クリエイターの皆さんや、花鈴からパワーをもらって。
次の目標に向かって歩き出せますように。
もっと、このProjectYoung.が誰かの背中を押せますように。
そして。

皆さんの「好きなこと」がずっとずっと。
皆さんにとって「好きなこと」であり続けますように。
そんな願いを込めて、21,000文字の記事を締めたいと思います。


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