「オレと気持ちいい事・・・しよ?」って闇の魔導師に言われて、俺の股間は持たないんだが


「はぁ~!!やっぱシャロたそは可愛いんですぞ~!!」


「ハハハまた始まったよ」
「まーたお得意のシャロ語りかあ???」
からかう声も気にならない。
俺の愛しのシャロたん!!
白く輝くサラサラの銀髪!!
宝石のように煌めくサファイアの瞳!!
釣り上がった目と生意気な態度が欠点だがそれさえもむしろ・・・


「萌えええええええ!!」

しかし、最愛の彼女は二次元の中。
華の大学生の俺、絶賛かなわぬ片想い中デス・・・。

まあなんでこんな話をしているのかというと、今はサークル活動中。いわゆるオタサーってやつだ。2回生の俺は入部当初からの愛の活動が身を結び、シャロたん応援隊として部内の居場所を確立していた。今日もそのサークルの集まりで、本日発売の新作ゲームソフト(勿論シャロたんが出演する)について熱く語っていたわけなのである。
もちろん予約済みの俺は初回特典とともに家に届いている予定だが・・・。
「おお神よ!!どうしてこんな日に限って俺はバイトがあるんでしょうか!!こんなの絶対おかしいよ!!」
悲劇の魔法少女になったつもりの渾身の悲鳴!!そう、今日という神聖な日に神は俺にバイトの緊急シフトという試練を課したのだ!!


これを悲劇と言わずして何と言うか!!
グッバイ、俺のシャロたそとのスイートな時間・・・


~~~~~~~~~~~~~


「はぁ・・・もうこんな時間かよ・・・」
今日はまた一段とこき使われたな・・・。店長の野郎・・・何が

「私も君くらい元気ならなぁ~」

だ。店長が休むとは何事だ・・・。
「その癖しっかり指示書まで内容びっしりで用意しやがって」
悪態もつきたくなる。許せ。
クタクタになった俺は玄関の扉を開けた。
「これで帰ったら本物のシャロちゃんが『待ってたぞ♥』なんて、出迎えてくれたりs

「待ってたぞ、やっと帰ったか」


・・・・・・え?」
ここ、俺の家だよな?
目の前には待ち望んでいた銀髪碧眼のーーーーーー・・・


「オレと、気持ちいい事しないか?」
俺が想像していた声よりずっと低い声で誘うシャロちゃん・・・ではなく知らない男(?)がいた。

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