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【サスゲ時代に向き合ったメンバー離脱との向き合い方と気づき】

サスゲ時代に常に一貫して取り組んでいる上で衝突したのは、メンバーの離脱や資金繰りの問題である。様々な事情でメンバーが抜けていく現状、お金がとにかく足りない問題、それらに対処するのが私の責任だと考えていた。

そのため、私は抜けそうなメンバーがいた場合、それが自分の姿勢や態度に非があったのか、メンバーと組織のミスマッチ(活動時間が合わない、やりたいことが違ったetc)なのか、ゆっくりと相手に耳を傾けながら考えるように徹底した。前者の場合、間違えを認めて素直に謝る。そしてどのように改善して欲しいのかを可能な範囲で聞いていった。ある時は、誰かに自分が入らないMTGなどを意図的につくってもらい、その時に私に改善して欲しいところを列挙してもらったりもした。本来は直接言って欲しいけれど、人数や活動時間の制約が大きい組織だったのでそうせざるをえない事情もあった。

一方で、自分の非があったときは次のMTGで謝ったり、日曜や長期休暇を利用して1on1をすることを徹底した。しかし、残念ながら自分を変えるというのは時間がかかる。もちろん、非を認めて改善する努力をしつつ、ちゃんと謝った時に指摘してくれる組織づくりと、改善を助ける仕組みづくりが大事だと考えている。例えば、代表が話す量が多いMTGが多いという問題は、時間制限を設けたり、無理やり時間に達するとミュートにされる試みをした。組織内では、お問合せメールや会計状況をコアメンバーに、重要なMTGの議事録をメンバー全てに公開し、メンバーが具体的な改善点の提案をしやすいような仕組みづくりを試みた。(改善の余地は大いにあると思う)

これはプロボノメンバーが集める組織とかでもそうだと思うが、代表や一部のメンバーだけで意思決定をすると、メンバーの存在意義が薄まって、大抵の場合、しらけて終わることが多い気がしている。無償で多くの時間を割いてもらっているメンバーには、情報を開示し、指摘をしてもらいながら一緒に意思決定をするべきだと思う。また、自分の非をしっかり指摘してくれるメンバーをコアメンバーに含めることは確実に行うべきだと考えている。これを謝ってイェスマンばかりをチームにいれると基本的にSustainable Gameではなく、teamYujinになってしまうだろう。(この点は、プロボノで動いているチームなら徹底的に問い続けるべきだと思う)正直、teamYujinからの脱却には3.5年はかかったと思う。今回は、これについては多くは触れない。

そして、活動や組織のミスマッチがあった場合、これは主に採用をする際に「蓋を開けたら違った」という広報を行ってしまったことを反省し、主に広報のメンバーと話しながら以下の3つの改善を行った。①採用面接で活動内容やカルチャーをわかりやすく伝えること。②できる限り直接会って相手がやりたいこととマッチしているのかを話し合うこと。/コロナ禍では採用面接で3人以上のメンバーとこれらについて話し合う施策をとった。③採用前に活動時間をどれぐらい確保できるかを相談できる機会を設けたり、お試しで活動に参加できる機会を設けること。

これらの取り組みによって徹底的にミスマッチを減らせたのではないかと考えている。(実際、メンバーのコミットも高かった気がする)一方で、すでに活動に参加しているが、体調や家庭の事情、他団体の活動で重要な役割に就くことになったetcなど、途中で活動にコミットできなくなったメンバーもいる。私の悪いところだが、「皆で一緒に活動したい。」という思いが強いあまり、「ちょっと辞めたいなって思ってるんです」という一言を言いづらくしている問題があった。突然「あれ〇〇来なくなってる,,?」となる経験も何度かした。少し寂しかったが、私はなぜそうなってしまったのかを徹底して考えていった。

これらに対処するために(メンバーの役割や事情によっても大きく変化するが)、まず相談できるセーフティーネットを広げた。辞めたい時に、「辞めたい」と言えるのは私でなくても良いのである。まずは組織内にあるリーダーポジションにいるメンバーなら誰でも相談できるようにし、メンバーに許可をとって、そのメンバーと相談したリーダー、私の3人でMTGをセットし、心理的な安全性が高い状態で相談できる状態をつくることを心がけた。(こういう場合、私に非があることが大抵なので、基本聞くに徹する。)

他にも、中高生団体の特有の問題なのだと思うが、親や家庭の事情で「参加したいけど、参加できない」というメンバーも多くいる。そういう時には、私みたいな「親に活動することをなんだかんだ許容してもらっている人間」を不快に思うメンバーも実際いたと思う。なので、この相談ネットワークの設計は、メンバーの抱える重要な悩みをキャッチアップする上で不可欠だった。実際、何度もこのネットワークを通じて深刻な悩みと対峙することになった。そういう時、一緒に解決策を考えることもしたが、大概はメンバー自身が親と交渉しないと解決されない問題が多い。そのため、心残りはあったが、結果的に「活動を休もう」「いつでも相談してね」という選択を提案をせざるを得ないことが多かった気がする。一方で、活動に参加することが、メンバー自身の家庭や学校以外の居場所である場合もあるので、辛抱強く相手の抱える悩みやバックグラウンドを聴くことに徹した。実際、結果的に活動に復帰してくれたり、より前向きに参加してくれるようになるケースも見られた。こういった判断の技術を上げることができたのは本当に貴重な経験だった。組織に答えなど存在しないとは思うので、世間のテンプレではなく、属する組織に合わせながら日々改善していくものだと思う。次の組織ではさらに様々な検証を試みたい。

2022年5月




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