HARD COREな人生
去年の暮れ頃、Second Spin Cyclesのブログで有名なコレクターからGrove InnovationsのHard CoreというMTBを購入しこの間、組み上げ山で試走をしたのでインプレッションを書こうと思い立った。
5810マイルの旅
Grove Innovationsとは
Grove Innovationsは日本ではまったく知名度がないように思うGrove はセールスに熱心ではなく輸出はほとんど行わなかった。
地元ペンシルベニア州の客がほとんどで、Groveは地元の英雄だった。オーナのGrove
が作った物はすぐ売り切れになっていた
機会があればGrove Innovations についてもまとめようと思う
販売に熱心ではなかった為ブランドについての情報が非常に少ない
Hard Coreのハードな部分
購入したのは92年のHardCore
というモデルで87年からBill GroveはMTB を楽しむハードコアなライダー向けに
このMTBの製作を開始しました。
Hard Core は Bill Grove の発案の元、中央ペンシルバニアの登りが険しく岩だらけのトレイルを制覇するため設計されました。
注目すべきデザイン要素は、13.5 インチ(34cm)の高さのボトムブラケットです。これによりクランクヒットの心配がなくなり登りでクランクにしっかりトラクションがかけられるようになります。
BBがこのように高いフレームはBBがよく撓み、振動も相まってヒラヒラした乗り味と評されることがよくありますが、Bill Groveは熱処理を施した2インチの4130クロモリチューブをダウンチューブに使い、ヘッド側に対しては縦方向、BB側に対しては横方向に潰しをいれておりBBに対しての接合面積を上げて剛性強化をはかりBBの撓みを抑えました。
クランクについて、90年代に入りホットロッドと呼ばれるクランクがGroveに登場しました。
同年代のBULLSEYEクランクと比べてだが、非常に優れているといえる、クランクは2ピースの4130のクロモリシャフトになっており、こちらも熱処理が施されている
ブルズアイクランクではシャフト固定部分に溝が切ってあり、それを左アームのズレ防止としていたが、Groveでは三角のシャフト固定部分がそのままズレ防止として機能しており、優れた作りであるといえる、年代によってはサンツアークランクのようなグリスガード(グリスポート)が内蔵されており、bbを外さずにグリスアップが可能でした。
スパイダーアームは本来PCD110だが
オーダーによってはPCD94、PCD130を選べたようだ
HardCoreに対しては、クランク長が最適化されており、クランクを専用化した意味があるといえる
ヘッド角73℃とかなり攻めている
振動はさほど強くない、150mmの長いステムと寝ているフォークが機能しているのだろうか
先程長いステムと紹介したが直線距離だとそう長くはない、かなりのライズがあるおかげだろうか
ハンドルも手前側に戻っている為、バイクの見た目以上にハンドルが遠い印象はない
グリップ下のハンドルバーの微妙なカーブに注目して見てください、人間の手の内側は微妙な円弧を描いていますが、それに合うようにBill Groveはハンドルバーを僅かに外側に曲げています。
ブレーキレバーはかなり通しにくかったのですが
Bill Groveの狙いがよくわかりました。
このハンドルはとても握りやすく、特に登りでバイクを前に前に押し進める時、ハンドルに力が込めやすいです。
登りの手の疲れが減り、しびれがなくなったことを思い出します。
下りの振動で従来のハンドルでは手が跳ねたことが何度かありましたが、このハンドルではありません
ハンドル長さもこの時代の短いトレンドとは逆行しているような660mmのハンドルが備えられ、ハードコアの欠点であるハンドリングの改善に役だっています。
見た目だけではない、考えられた機能です。
感想
登りで安定しており、私が乗った中では特に好きなバイクになりました。
下りも悪くはないのですがBBハイトが高い為コースを走るとやはり位置の高さを感じます
ホイールベースが長く直進安定性は良好
クランクも四角テーパーに比べ軽量で荷重を掛けた時にグラつきません
ハンドル&ステムも握りやすく良好でした
ステム部分も振動を受けると僅かに縦方向に撓るので振動吸収に役立っています。
専用品パーツが噛み合いトータルコンポのメリットが良くわかるバイクです。
欠点としてはバイクの重量がそこそこあることです、YETI F.R.O.と比べ、軽さによるアドバンテージはほとんどありませんでした。
BBハイトの関係で自分の適正サイズを選びにくいのも微妙なポイントです。
シートチューブ長+34cmが地面からのスタックハイトになります。
フロントセンターとオフセットの関係か若干ハンドリングにも違和感があります。
総じて癖が強いですが、慣れると楽しいバイクです。
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