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通夜前日、祖母の顔をみて
夕方からお寺さんが来るのに合わせて私も実家へ移動。
私自身あまり体調も良く無いため、このまま少なくとも葬式の日までは実家に連泊することになった。
家事や荷造りを終え、16時30分頃実家へ。
ちょうど祖母の生家の親戚が見えていたので帰り際に挨拶。
久しぶりに会った親戚に「茜ちゃんはお母さんに良く似とるわ」と言われた、そうかな、自分ではわからない。
お寺さんが見えるまでに少し時間があったので先に祖母の顔を少し拝むことにした。
真っ白なレースをよけると、昨晩葬儀屋さんに綺麗にしてもらった祖母がそこにいた。
本当に綺麗な顔だった、少なくとも私が最後に見た時より血色も肌艶もいい。
不思議なものだ。
昨日の記事でも少し書いたが、祖母はしばらく入院していたので母と祖父以外は半年以上顔を観ていない。
母と祖父もパンデミックの影響でリモート面会だったとのことだが…
17時、お寺さんを迎えて仏間でお経を読み上げる。
お経を読むのも久しぶりだ。小さい頃は家族5人、…単身赴任がちの父は居ないことの方が多かったが、座布団を敷いてお寺さんの後ろでお経を読んだものだ。
ひとしきり儀礼が終わり、細かい打ち合わせなどを兼ねて故人の思い出話になった。
これがやはり苦痛で、早々に退席したかったのだが流石に控えた。
祖父は、祖母には苦労をかけた。と言っていた。
祖父の両親が亡くなった頃、時間に余裕ができたから2人でいろんなところに旅行に行ったものだ、と。その話は初めて聞いた。
お寺さんの中では丁寧な人というイメージだったとの事だが、どんな人柄だったのかと問われた。
母は「ちゃんとしなきゃいけない、と思っている人だ」と答えた。
本当に、その場にいるのが苦痛だった。
正直祖母には感謝している。
両親共働き、単身赴任でほとんど家にいることがない父、田舎の村のひとりっ子。
特に小学生の頃は学校から帰った私の面倒を祖母が見てくれていた。
いつも気にかけてくれていて、いつも心配してくれて、…どうしてこんなに拗れてしまったのか。
私が鬱を患ったきっかけは祖母だった。中学生の頃だ。
祖母の死が悲しめるような間柄だったらどんなに良かったか、と思う。
訃報を聞いた時も、顔を見たときも、涙なんて出る様子もなかった。
今も仏間には祖母が綺麗な顔で横たわっている。
日付が変わって今日は通夜、そして私の31歳の誕生日だ。
物好きの投げ銭で甘いものを食べたい。