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失うことに向き合うということ。

もう戻ってこない過去がある。
過去に起きたことで、自分ではどうしようもなかったことで、
いつまでも恨んだり悩んだりするなんて、意味がないことは
わかっている。

だけど、どうしようもなくさびしいときには、
心は過去にさまよい出てしまう。

与えてもらえなかったこと。不十分だった愛情。
うんと小さいうちから能力で評価され続けてきたこと。
理不尽な暴力や介入。思い込みや常識を押し付けられたこと。

押し寄せるさびしさを、全て過去の、
他人からされたこと/されなかったことのせいにしたくなる。

真っ黒な感情で心がいっぱいになって、立ちすくむ。
生きるのを嫌がる心を引き摺り回して、なんとか毎日をやり過ごしている。

こんなふうになる原因は、いくらだって見あたるような気がするけれど、
そのどれもが、はっきりしない。本当にそれのせいなのか。
はっきりしないから、解消することもできない。

そういえば去年も、11月はこんな調子だった。
人生、いつだって明るく楽しく、なんてわけにはいかない。
やることをやって、もうさっさと寝てしまおう。

そして、男でも女でもいいから、一緒に生きていける人を見つけようとしよう。いまいてくれる人たちを、もっと大切にしよう。

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