思っているよりもずっと愛されている

ひとり暮らしは、孤独が重い。

ひとり暮らしの部屋をすみずみまで満たす孤独に毒されたときには、この話を思い出すことにしている。

鏡の前に立ってみて、自分の姿が映ったなら、誰かがあなたのことを考えている証拠。

意に沿わないできごとを跳ね返す勇気や、うまくやり抜く賢さを振りかざしているうちに、いつのまにか心が空っぽになっているときがある。その心の隙間を狙って、孤独が入り込んでくる。

その孤独にとってかわることができるのは、愛だ。

愛は関心だ。

愛の反対は無関心。

だから、鏡の前に立つ。

鏡の前に立って、そこにいつもどおり私が映っていたら、誰かが私のことを考えている。そう信じてみる。

そうすると、不思議なことに、無関心だったのは自分だと気づく。

誰かの気持ちに。あの人の気づかいに。今目の前にいなくても、ふと思い出してはわたしに会いたがっているであろう人々の思いに。

本当は無関心ではない。忙しくて少し忘れていただけ。わたしが、わたしのことを。わたしが、みんなのことを。

そのことを思い出しただけで、愛が孤独にとって代わるのだ。そうしたら不思議と、誰かからのメッセージが届いたりする。

わたしもあなたも、わたしやあなたが思っているよりもずっと、愛されているのだ。

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