毎日同じ電車に乗って、同じ場所に行くのが嫌。

というだけの理由で、フリーランスになってしまったようなものだ。私なんて。

フリーランスになった頃は、情熱を傾けているものがあった。サーフィンと、彼氏と、エコの世直し。
10年経った今、サーフボードは埃をかぶっている。
彼氏はとっくの昔にいなくなった。
エコの世直しは、誰かがやってくれればいい。

フリーランスになれば、
波がいい時に海に行き、
彼氏と結婚したあとも子育てをしながら無理なく仕事が続けられて、
会社の利益最優先ではなく、自分の興味最優先で仕事が選べる。
そう思った。

それは全部、実現している。
波がいい時に海に行ける。
時間と場所に縛られず、長時間労働にならずにお金が稼げる。
仕事の選択権はわたしにある。

それなのに、
もう大して海に行きたいと思わない。
仕事より優先したい彼氏も旦那も子供もいない。
仕事の選択権はあるけど特に選びたい仕事もない。

こうなってくると、何で自分を満たすかといえば、
お金と権力しか思い浮かばない。

お金はさておき、権力は、得ようがない。
フリーランスの社会的地位は最下層。
フリーターと同じだ。

とどのつまりは、もうお金しかない。労働の喜びはお金。
自分だけの力で稼いでいること。自尊心も、そこに集約される。

時間と場所に縛られず、やりたいことだけやって、
同世代の女性の平均以上のお金が稼げる。それだけ。

なんて空しい人生なんだろう。

それもこれも、自分のことしか考えてこなかったからなのだ。

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