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ギブ・アンド・テイクな世の中で

よく外国人の友達を紹介してと言われる。

その多くが「英語を話す機会が欲しいから」とか「外国人と付き合ってみたいから」とか自分本位な理由で言ってくる。

私はそれ自体は悪い事ではないし、本気で言ってくる人には紹介する。
というか私はマッチングアプリじゃないから、パーティーとかお出かけするときに誘ってあげる。それで断る人は本気じゃない、もしくは直接会う勇気はないけど、チャットだけしたい人と判断する。もちろんそんな人を友人たちと繋げる気はないけど。

以前私は外国人留学生とルームシェアをしていたことがある。
そこには大体40〜50名くらいの留学生が住んでいて、国籍もアメリカ、中国、韓国、ドイツ、フランス、タイ、インドネシア、チリ、コロンビアなどとバラバラだった。

私はルームメイトとは基本的に日本語で話していた。せっかく日本に留学に来てくれたから、日常でも日本語に触れてほしいと思っていた。彼らは私に国のことをたくさん教えてくれたから、そのお礼の意味も込めて。もちろん彼らは親切で私に英語を教えてくれたり、英会話の練習に付き合ってくれたが。

そんな中に1人、日本語が全く話せないアメリカ人の女の子がいた。

私は彼女に対しては英語で話していた。コミュニケーションがとりたい。そして向こうもそれほど日本語を学びたいと思っていないのではないか、と考えていた。なんせ周りの留学生は文法こそめちゃくちゃでも、ある程度は勉強してから来ていた。だけど中には、単位を取るだけのため、観光の延長線みたいな気分で来る人がいることも分かっていた。

だけど彼女は本当は違っていた。

ある日のパーティーでいつ通り彼女に英語で話しかけたら
「練習してるから日本語で話して下さい!」と言われてしまった。
おそらくこれが初めて彼女の口から聞いた日本語。
酔っていたのもあって口調がキツくてびっくりした。
それと同時に私がいかに、彼女の需要に気が付けず、イメージで判断していたかにショックを受けた。

「英会話練習のために外国人を紹介して!」
と言ってくる人には一度考えてほしい。
「あなたを紹介することで彼らに何のメリットを与えられる?」
言語のためだけでなく、偏見も持たず、1人の人間として
彼らと付き合っていける人。かつ何かメリットを与えられる人なら喜んで紹介する。

最後にもう一つ

私が日本に来てくれた人に紹介したくなる人の特徴。
それは「面白い人」だ。
「面白い人」は英語なんか話せなくても、日本語が伝わらない相手にも
ユーモアなセンスを持って接することができる。
ギャグが面白くなくたって、何か一つ特技を持っていれば、その人は面白い。誰からも興味を持たれる。
そんな人を私も目指そうと思う。



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