MBA受験(プロセス)

今日はこれからMBA受験を志す方に少しでも役に立てればと思い、私の受験記を書きたいと思います。ただ1点最初に伝えておくと、私は帰国子女+北米駐在と英語に関しては受験準備していないので、英語対策に一番時間が掛かるであろう普通の受験生の方には参考にならないかもしれません。でも帰国子女の人の受験記って一部の天才の様な頭脳をお持ちの方を除くとあまり無かったので、決して勉強が特別出来る訳ではないけど英語のアドバンテージを活かしてMBA受験をしたい、という方の参考になれば幸いです。

(関係ないですが最近Twitterで「帰国子女はチートだ!」と投稿された方に批判が集まっていて興味深く見ていました。自分は帰国子女であることを上手く活かしてそこそこの会社に入り、海外駐在を経てMBA合格を掴んでいるので、実際得はしています。ただいきなりアメリカに行って英語習得をするまでは馴染むのに苦労したし、多少なりとも差別も経験したし、日本に帰国してからも馴染むのに時間が掛かったし、今でも日本語の文章書くの苦手だし、プラス面もあればマイナス面もそれなりにあったのは事実。帰国子女と言っても英語圏じゃない人もいれば日本語が話せなくて苦労している人も多いので、「帰国子女」というデカい主語で軽々しいことを言うのは少し安易だなぁと感じました。ただ良くも悪くもバズってるので、本人としてはそれで良いのでしょう)

話が逸れましたが、受験プロセスはざっくり以下の通りです。

2019年7月:友人に刺激を受け、少しMBAに興味を持つ。低GPAでも受かりそうな学校を調べてみる。GMATの存在を知り萎えるが、スペインのIEが独自の試験があり、GMATよりは少し難易度が低いことを知り、欧州校を中心にリサーチ。(年齢的にも1年制が良いので、ちょうど良かった)

2019年9月:リサーチしたものの暫し悩みながらウダウダしてしまっていたところ、友人からGMAT対策本をもらい、とりあえずやってみるかと動き始める。

2019年10月:お試しにGMAT受験したところ、620点取得出来たので、680点程度までは伸ばせるんじゃないかと勘違いする。米国校も受けてみようかなぁと甘い考えが頭をよぎる。並行して本格的に学校をリサーチ、MBAイベント等に積極的に参加。

2019年11月:カウンセラー契約。(John Couke) 620点の後スランプに入り500点前後をウロウロ。いっそ受験を諦めようかと思うが、JohnにGRE転向を勧められるが英単語が難しすぎて心折れそうになりながら勉強継続。

2019年12月:1月提出に間に合わせるべく、GMAT、GRE両方受験するも撃沈。(当たり前) 結局620点で何校か提出する腹を括る。

2020年1月:GMAT/GRE両方勉強するのは愚策だと悟り再度GMATに絞る。Quantを強化するためにマスアカ(神)を入手しひたすら基礎固め。並行してエッセーを書き、睡眠不足で仕事を回す。ちょっとスコアは厳しいが、海外での職務経験等エッセーで勝負する前提で3校を1月に提出(全滅)。

2020年2月:ここで本命校含む志望度高い学校を3校提出。GMATは心許ないが、学校の下限ギリギリに引っかかっているのでエッセーとインタビューで勝負。引き続きGMATは勉強(辛み)。

2020年3月:無事に3校ともインタビュー(アセスメントデー)に呼ばれる。インタビュー対策を必死に進める。(Johnと知り合いのアメリカ人) 1校は先行して合格、そしてラストチャンスと思い受けたGMATが650点だったので、スコア更新を本命2校に依頼。(効果があったかは不明。というか間に合ったのか微妙)

2020年4月:本命2校から合格の連絡を受け、歓喜。共に欧州でもトップ校に分類される学校ということもあり、非常に悩むが元々志望度が高かった学校に行くことを決意。

夫々のプロセスでの対策詳細は以下の通り。

【GMAT】

これは本当に相性が悪いテストだった。

理由は2つで、①私立文系で且つ大学はエスカレータだったので大学受験しておらず数学は得意ではなく、Quantに苦戦。②VerbalはSCが全く出来ず。これは理由があって、帰国子女できちんと英語の文法を習わずに来てしまったこともあり、米国人が引っかかりやすい問題にほぼ100%引っかかってしまう。Quantに勉強時間を全振りしていたので最後までSCの対策に時間をさけず。

Quant: 上述の通りの状況で数学は苦手だったが、ギリギリ出題範囲の中学から高校1年くらいまでの数学はちゃんとやっていたので最低限は出来た。ただケアレスミスが多かったのと時間配分に苦労し、勉強時間の大半を割いたが高得点は獲れなかった(最後は48点)。同じようなレベルの人には、とにかくマスアカを何度もやって基礎固めをして、Prepテストで時間配分に慣れることを強くお勧めします。

Verbal: ほぼ勉強せず、31点でした。受験を1年遅らせてSCをしっかり徹底的に対策すれば35点以上とれそうな気はするので、ちょっと勿体ないなという思いはありつつ、年齢を踏まえると今年受けるのが得策だと考えたので深追いしませんでした。まだ20代だったら絶対にもっとやってたと思います。

GREに関しては数学がGMATよりも易しいという話を聞いてチャレンジしましたが、そこまでハマらず。英語は単語が異常に難しく、その暗記にスゴイ時間をとられてしまい結局2度受験してGMAT換算600点弱に留まりました。元々数学に強く、TOEFL等で英単語をやり込んだ方はGRE転向がハマるんじゃないかと思います。

エッセーはJohn Coukeに色々と引き出してもらって助かりました。彼は返信のスピードも早く、ポジティブに良いところを引き出してくれるスタイルなのでとても相性が良かったと思います。私は追い込まれた方が力を発揮するタイプですが、エッセー等で過度に詰められると考え込み過ぎて停滞してしまっていたと思います。海外駐在歴が長かったのでエピソードは色々とあったのですが、軸となるWhy MBAやShort term/Long term goalは何度も議論をしながら自分のしたいこととこれまでのキャリアでの経験を上手くすり合わせて作り込んでいきました。スコアが伸びない中でも彼が励ましてくれてとても助かりました。

インタビューは正直なところ対策は最低限しかしていないと思います。Johnと数回、米国人の知り合いに数回練習してもらいました。1校はアルムナイとのインタビュー、これは運良く日本に住んでいた米国人がインタビュアーで、私が掲げていたLong term goalと同じGoalを持って受験していた方で、とても話が弾みました。もう一人は元コンサルの方でかなり鋭い質問をいくつかされたのですが、何とか答え切って合格。残り2校はアドミッションとのインタビューでしたが、いくつか上手く答えられなかった質問はありましたが、全体として和やかな雰囲気で自分の思いを率直に伝えました。

対策としては、Why MBA、Whyその学校とShort term/Long term goalをエッセーでしっかり作り込んでおけばまずは基本的な部分はカバー出来ているはずです。後はカウンセラーやインターネットでリサーチして、その学校特有の難しい質問、突拍子の無い質問等をリストアップして、回答を文章に落とし込み、話す練習をする。インタビュー練習をお願いする際には、瞬発力を鍛える為に全く見たことない様な質問をしてもらうといったことをやっていました。

欧州校特有のアセスメントデーにも出ましたが、グループのバランスを調整する役割を担うことを意識しました。話が弾んでいなかったら盛り上がりそうなトピックを提供したり、グループワークがスムーズに進み過ぎていたら敢えて反対意見を提示してみたり(言い方としては、「Just playing Devil's advocate, but ○○」と前置きしてから反対意見を提示すると、角が立たないのでお勧めです)、我ながら上手くグループのバランスをとれたと思います。

以上が私の受験記です。帰国子女の方で、GPAが低かったりGMATが出来なさそうと悩んでいる方も、英語が得意ならばそれだけで他の方と比べて大きくリードしているという強みを活かして是非とも受験してみて下さい。絶対に後悔はしないと思います。欧州の学校はHolisticに評価してくれるというのは事実だと思います。Diversityを重視するので、どこか足りない部分があっても、得意な部分があればその点を個性としてきちんと評価してくれると感じました。私の場合は、GMATとGPAが低いが英語力、海外経験や珍しいコンシューマ製品のマーケティングをしていた職歴が評価してもらえたと思います。


ということで、次は学校選びのポイントについて書きたいと思います。

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