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武者修行生の仲間

今週、日本一のビジネス教育プログラム「武者修行」を運営する株式会社旅武者の創業者である和也さんが黄泉に旅立たれてからというもの

自分の意識は常に半分で、仕事をしているか以外は常に和也さんのことを考えている自分がいるが、これで僕が止まることなんて和也さんも望んでいないし、前に進み続けようともがいているような感じだ。

日本中の武者修行生たちが和也さんへの感謝の投稿をしたり、武者修行が日本のTwitterのトレンドに入ったり、僕らがどうやって生きていくべきか改めて語り合ったりしているのを見て、和也さんが育ててくれた何千人という武者修行生にいかに影響を与えてくれていたのかを再確認した。

本当に偉大な人だ。あんなに他人に優しくて、自分に厳しい人は他に見たことがない。

金曜日に武者修行生の女子大生に僕の話を聞きたいと言われ、仕事終わりに一緒に飲みに行ってきた。

彼女と僕は別に一緒に武者修行をやっていたわけでもないし、彼女は岐阜に住んでいる女子大生で、僕は東京に住んでいるアラサーのサラリーマンで、僕らをつなげているものは和也さんが作ったビジネスプログラムに全然違う時期だが二人とも参加していたということだけだ。

だけど、東京まで会いにきてくれて、和也さんが残したものが僕らをつなげてくれて、自然と仲良くなって、なんの不安もなく心の底から真剣に話し合える。

和也さんは本当にすごいものを作ったんだなぁ。

彼女は和也さんの教え子らしく、真っ直ぐな綺麗な目をして

「私は誰もが尊厳を持って生きられる世界を作りたいんです」

と僕に言う。

彼女が言うには、
ーそのために自分の気持ちや想いを捨てることなく、それが社会に還元されるような世界にしなくてはならない。

ー人間は自分を本当に愛している状態になることによって、他人にどう思われるかなんて考えずに本当に純真な気持ちで生きていくことができる。

ーそのためには、家庭や教育や組織で影響力を持った人たちを変えなくてはいけない。

ということを僕に伝えてくれた。その上で、人事コンサルタントとして働いている僕に自分がどういう生き方をするべきか相談したいということだった。

結論から言えば、決まった答えなんかないだろう。内省し彼女にとっての答えを見つけなければいけない。

僕は何時間もかけて僕と彼女の生い立ちや今までやってきたことを語りあって、僕たちの違いだったり、そこから導き出される大切にしている価値観を語り合った。

その上で、経営コンサルタントが使う思考フレームワークを紹介して、一緒に紙に書きながら考え、どうやって生きていくべきか語り合った。

その場限りで答えは見つけることはできない。

答えを見つけることは自分一人で何日間もかけて考えるしかないだろう。だけど少しでも和也さんに育てられた彼女の役に、和也さんに育てられた僕の経験や知識が役に立てれば本当に嬉しいと思う。

彼女が望む世界は絶対作れると思う。和也さんが何千人という僕たちの新しい世界を作ったように。

一方、ヒトをメインに経営コンサルティングをしている自分とはいうと
その役割は、日本人がみんな自分らしくやりがいを持って働ける社会を作って、結果として日本を素晴らしい国にすることだと思っている。

だけども彼女の夢を語る真っ直ぐな目を見ていると、自分が日々目の前のタスクに追われているうちにそんな目的意識がどこかに忘れている時があることに気づかされた。

僕がやっていることにいつしか意味がなくなり、お金を稼ぐために働いている奴隷のような生き方になってしまっている時がある。

偉そうに思考方法やビジネスの知識なんかを教えている自分が、彼女のような真っ直ぐな社会を変えてやろうとする想いすら持っていないのに何を言ってんだって話でもある。

和也さんに教えられたはずなのに。
「そんなもんがお前の本気なのか?」和也さんに言われている気がする。

自分は学生の頃から今まで、唇噛み締めて、必死に、時にはくやしくて泣きながら、がむしゃらに勉強して働いてきた。
それが自分のためなんかで終わっていいはずがないんですよね、和也さん。

和也さんは本気で僕らを変えてくれた。

僕は和也さんの教え子である。和也さんに恥じないように生きていきたい。

金曜日に飲んだ彼女だけでなく、和也さんが旅立たれてからFacebookには、「社会を変えてやりたいんだ。」「使命を全うします」と宣言している武者修行生たちの投稿をたくさん見る。

僕もこの命、世の中の役に立たせます。和也さん

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