観光の世界史 ー観光学を簡素に「総ざらい」 vol.3

こんにちは。あっという間に8月が終わり、夏休みモードも終わりな日々ですね。このブログも夏休み中に前期の内容をおさらいするつもりでしたが、既に間に合わなさそうな予感がします(笑)。ごめんなさい(汗)。

観光の歴史と時代区分

さて本日のお題は「観光の世界史」です。観光の歴史を世界規模でみていきましょう。

なお、我々は「観光はtourismの訳」として使用する立場ですので、観光をかなり広い意味で捉えます。(単語の意味は前回の記事をご覧ください)

上の図(学生が作成)を見てもらうとなんとなく流れがわかりますが、大きく時代を古代中世・近世近代の3つ(+現代)に分けてお話するのが一番わかりやすいかもしれません。なお、この時代区分は主にヨーロッパのものなので、観光の世界史=観光のヨーロッパ史であることがわかります。

オリンピックは観光の原点?:古代

まず、古代。古代といえばギリシャとローマ帝国。この時代には「参詣」という形で、人々が日常圏を離れていました。また、もうすぐ東京で行われるオリンピックの原点といえば、ギリシャのオリンピア。これも人々が日常圏を離れて移動する理由、つまり観光の理由となっていました。つまり、観光は、歴史的には信仰や芸術(スポーツ)鑑賞などが起源といわれています。

宗教も観光?:中世・近世

中世や近世になると、人々の移動が少し容易になりました。参詣も多くの人々に頻繁に行われ、「巡礼」と呼ばれるようになりました。ローマやエルサレムは今でも巡礼の地として多くの信者が集まっていますよね。

エルサレム旧市街

ちなみに「聖地巡礼」という言葉は、アニメのロケ地を巡る言葉として最近よく使われていますが、その語源は、この宗教の聖地を巡ることです。

さらに近世にはグランドツアーという、今でいう修学旅行のようなものが始まります。勉強、つまり国外を知る為のツアーですので、参加できるのは裕福な貴族達だったそうです。

こうしてみると、古代から近世までの観光というのは、ごく限られた人々だけが行える高級な行いだったといえるでしょう。

観光の大衆化:近代

近代になると、カール・ベデガーによる旅行案内書が普及したり、トーマス・クックによって団体旅行やツアーが行われるなど、人々の移動は大衆化し、現代観光における重要なキーワードも頻出します。

ちなみに、この観光の大衆化に貢献したのは産業革命です。産業革命といば蒸気機関の開発です。蒸気機関によって交通が飛躍的に向上し、誰でも観光に行くことが可能になったのです。

皆さんの旅行は?:現代

そして、今、現代。皆さんはお金さえあれば、いや時にはお金がなくても?、飛行機に乗り、自由に海外や国内に行けるようになりました。これもジェット機が開発されたり、インターネットで宿の予約ができたりと、産業革命に匹敵する様々な技術革新があったからともいえるでしょう。

とすると、今後はどのような技術が観光を変えていくのでしょうか。わくわくしますし、もしかしたらもしかすると、その技術を開発するのはあなたかもしれませんね!




記事は無料でご覧いただけます。気に入っていただけましたらサポートいただけたら幸いです。学生の教育費(教材費、旅費等)として使用いたします。