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博多千年門~商人の町の文化と地域包括ケア~

こんばんは。「#医療系事務職員応援隊」の長幸美です。
このところ手続き業務が続き、ようやく今日、ひと段落・・・
今回は、令和4年度診療報酬改定と重なり、てんやわんやの2ヶ月。ようやく今日ひと段落しました。まぁ、1日に200キロも走る日々だったことを考えると、事故もなく進めて行けたことは良かったかな〜、と思っています。
そして新しく歩み始める医療機関のお手伝いができたことに感謝しています。

この間、手続き業務はともかく、改定を挟んでいたこともあり、質問や医療機関の先生方、事務職員さんからの相談も多かったのです。
今回の改定は、コロナ禍でマイナー改定・・・という前評判がありましたが、審議会の内容を見ていても、どうも大変な改定になりそうだ・・・と覚悟していました。案の定・・・それぞれの病床の役割や、連携が取れない医療機関にとっては大変厳しい改定で、特に、クリニックの先生方にとっては、本当に厳しい改定になりました。

医療法が定められたころは、日本も発展途上にあり「医療提供体制を確保する」ことに重きを置かれていたと思いますが、今は医療技術も発展し、ある程度充足している状況があります。病床数が多く、医師や看護師が分散してしまい、十分な対応ができないこともあるかもしれません。
このため専門性の高い医療機関や急性期・慢性期等の機能別の医療を提唱され、役割分担が必要になってきています。診療報酬の評価も併せて見直され・・・つまり自院の立ち位置がわかっていないと、診療報酬の評価が低くなってきてしまう可能性が出てきています。
単に患者さんが来るのを待っているクリニックや、とりあえず満床にしている医療機関にとっては、なかなか厳しい状況です。

さて、私が暮らしている博多は商人の町で、近江商人のいうところの「三方よし」の考え方が根付いていると思います。「売り手よし、買い手よし、世間よし」~~
これは医療機関にとっても大事なことではないかな・・・と思います。

医療機関だけが良くても、地域を支えることはできません。
ひとつの医療機関で、急性期から慢性期まですべての医療機能を提供することはできません。また、クリニックの先生おひとりで、24時間365日地域を支えていくこともできません。必要に応じて、急性期の医療機関や、専門医療を提供する医療機関と、また時には介護事業所や医師会・保健所等々との連携も必要になってくると思います。

コロナ禍において、「コロナ重点医療機関」「協力医療機関」「検査対応医療機関」とそれぞれに手上げをして、県に登録されていると思います。しかし、一部の医療機関は県庁が公表することに反対され、「非公開」の医療機関があります。手上げをしていないと、助成金の対象外になってしまうため、登録を希望しているが、公表され患者を受けることは避けたい・・・というような気持ちも働いているようです。
しかし、この「重点医療機関」「協力医療機関」「検査対応医療機関」であることを公表しコロナ対応を行う医療機関に診療報酬で評価がついてきました。クリニックはこの重点医療機関又は医師会と連携することにより、「感染対策向上」に力を入れる医療機関として、評価がつくことになりました。
正直点数が低くびっくりしましたが、必要な評価であると思います。連携に点数がついていることもよかったな・・・と思っています。

この「近江商人の三方よし」の考え方を入れていくと、「地域包括ケアシステム」の中でも自院の役割・やるべきことが明確になってくるのではないでしょうか??

今回の改定で特に注目してほしいのは、「かかりつけ機能」の評価です。
このかかりつけ機能は、医師だけではなく、薬剤師・調剤薬局、看護師、管理栄養士、リハビリ専門職、そして介護従事者が、情報を共有しながら、患者さんの生活が継続できることを一緒に考えていくこと、家族の手助けをすることがとても重要になってくると思うのです。
つまり、多職種連携・地域連携です。

久しぶりにゆっくりと「博多千年門」を見ながら、今回の複数案件も無事に完了でき・・・ホッとしつつ、「クリニックよし、患者さんよし、世間よし」
これから新たなステージに入っていくのだなあ~と思っているところです。
皆さんの地域はどうでしょうか?
安心して暮らせる・・・そのために医療機関として何ができるか、考えてみませんか?


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