春の日に感じたこと~食べる喜び~
こんにちは!「#医療系事務職員応援隊」の長幸美です。皆様いかがお過ごしでしょうか?すっかり春を感じる日差しにメジロたちも元気よくにぎやかに飛び交っている姿にほっこりする毎日です。
先日、所属している全国連携実務者ネットワークで「社会連携フォーラム」が行われました。病院時代から「地域連携」「院内連携」に携わってきましたが、当時は、多職種連携といってもリハビリ専門職や管理栄養士さんと個別にやり取りをする程度で、個々の症例に対して個別に対応を検討していくのが精いっぱいの状況でした。地域の方と連携するといったら・・・認知症の方の所在が分からなくなってしまい、タクシー会社の方に協力してもらって情報をいただいたり、地域の警察や民生委員の方、介護事業所の方とやり取りをするくらいで、あまり積極的ではなかったと思いますし、それが連携だと感じていた時もあったように思います。
そして10年ほど前からでしょうか、あちこちの町の活性化や移住者の募集などで、地域で暮らすことや人口減少をしないようにするための方法が各地で工夫されるようになり、UターンやIターンという言葉も聞かれ、そのための取り組みが見られるようになってきました。最近では、コロナ禍になりテレワークが進み、地方で暮らすという方も増えているようにも聞いています。
私は福岡市に住んでいますが、福岡市はまだ人口増加地域で、比較的平均年齢も若い街だと思います。しかしその周辺地域に行くと、高齢化が進み、若い世代が少ない地域が目立っているのも、現状です。私が住んでいる地域は福岡市の端っこで四方を山に囲まれた地域です。鳥のさえずりも聞こえ、自然豊かなところですが、車がなければ買い物にも行けないため、高齢者にとっては住みにくい地域です。その分ご近所さんとのつながりにより、支えてもらっているような感じを受けています。遠くの親戚より近くの他人とは、よく言ったもので、何気ない日常的な会話に支えられるということが多いですよね。
社会連携って、実は身近にあることではないでしょうか?
例えば、フォーラムの中で、京都の老舗料亭の方々が医療者の呼びかけにより、「嚥下食」・・・つまり嚥下しにくい方々も同じように食事を楽しむことをテーマに、器や彩、だしを取っておいしい食事の提供を考えておられる方の話がありました。介護をしているものにとって、食事は苦痛だったりします。固いと口から吐き出してしまったり、柔らかく炊くと見た目から箸をつけてくれなかったり、食事の量も減ってしまい、味の好みも変わるため、どう調理したらいいのかわからなくなったり・・・そうなるとどうしても、「なんで食べないのよ!」という気持ちが顔に出て、食事自体が楽しいものではなくなってしまう・・・
山形県では「ハレの日のごはん」というテーマだったと記憶していますが、同じように嚥下しやすいように工夫をしたものを旅館や料亭の料理長と管理栄養士さんがコラボして試食会をされていたり、レシピ公開してくださったり・・・これは弊社のそれいゆという雑誌でも取り上げていたのですが、日本全国で様々な「食」に対する取り組みが行われています。
福岡でも、仕出し屋さんが介護用の食事を作るサービスを始めていることも聞いていますが、食事は毎日のことなので、日常的に活用することは難しかったりすると、家族の負担も増加します。けれどたまには外のそういった力を借りて、楽をして、楽しく食事をするということも、大事なのではないかな~~と思っています。
私が考える社会連携は、特別なものではなく・・・地域の中でのささやかな支えあい・・・新聞や〒配達の方とかわすあいさつ、もその一つではないかなと思います。何も医療者や介護者に限られたことではなく・・・地域の方々が緩くつながっていく街・・・これこそが社会連携ではないか、その中で医療者・介護者をはじめとする医療・介護にかかわる方々が、もしかしたら、少し音頭をとる必要もあるかもしれません。
写真はとある日の夕ご飯、何気ない日常の中のささやかなお祝いには、ちらしずしを作って、お野菜たっぷりのお吸い物とおでん風の煮物です。食事をしながらのコミュニケーションを大事にしつつ、こうして食卓を囲めて、一緒に食事を楽しめる時間が何よりも大切なのではないか・・・と思いました。