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在宅介護の実際・・・③

こんにちは、長 幸美です。さて、最近のオミクロン株の拡大・・・医療機関の皆さま、介護にかかわる皆さま、本当にご苦労が多いことと思います。

私は85歳を超えた両親と娘の4人で暮らしています。父は認知症でベースに糖尿病があり、小規模多機能を利用しています。母は耳が遠いくらいで、年の割には足腰は強くどこにでも歩いて出かけます。娘はというと発達遅滞があり、障害者施設のデイサービスやショートステイを利用しています。

そんな我が家ですが、父が利用している小規模多機能、娘が利用しているセンターでコロナ感染が出てしまいました。このオミクロン株に移行してからの感染は爆発的に増加しており、感染力の強さからいつだれがどこでかかってもおかしくないな、と思っていたので、「ああ~来たか」という感じでした。日常的に手洗い、うがいはしていますが、認知症がある父は、よく理解できておらず、上手に手洗いやうがいはできません。マスクも外してしまう状態です。おまけに褥瘡ができてしまったのとほぼ同時期だったため、特別指示の訪問看護や訪問診療も回数が増えていました。

父と娘と、別々の2か所のサービスを利用している状況ですが、この2か所の対応がずいぶん違い、いろいろと考えさせられました。

小規模多機能は「小規模」ですしサービスの特性から代替えサービスがありません。もともと感染対策をされ、マスクの着用も鼻マスクをされる方もほとんどなく、入浴介助に来てくださった方も、処分するオムツなど、きちんと処分されますし、手指消毒についてもされています。それでも感染してしまうのです。

感染が分かってからの対応も見事でした。1件1件に電話で状況の説明をされ、都度どのような状況になっているのか、説明してくださいました。現状の感染対策と今後どうしていくのか、認知症の特性も踏まえ、今後の対応をどのようにしていくのか、PCR検査の実施をするが受けるかどうか、説明がありました。また、訪問診療の医師、訪問看護事業所、調剤薬局への説明もしてくださり、その日のうちに様々に手配してくださいました。濃厚接触者の認定がどう出るかわからないところもあり、翌日の訪問看護は防護服着用の異様なものでしたが、同日午後の訪問診療については、PCR検査の結果が陰性となり、通常の訪問診療の対応でした。訪問看護師さんの防護服を見て、改めて「コロナ感染症拡大」の怖さを目の当たりにした・・・というのが正直な感想です。説明といいその後の対応といい、丁寧で「お見事!」という状況でした。

一方、娘の通うセンターでも感染陽性者があったのですが・・・こちらは何の説明もなく、「コロナ陽性者が出たので、明日からセンターは閉鎖します」との連絡のみで、何の説明もありません。その日はショートステイ利用の予定でしたが、当然のごとくショートステイもお休み・・・「迎えに来て!」と一方的に言われ、ちょっとびっくりしました。その日は私も外勤のため外出していて、Web面談も予定されていて、終了後に迎えに行くことができる時間をお伝えすると、「時間調整後17時に送ります」との再連絡・・・。翌日から休園となったため、自宅にいましたが、お昼に電話がかかってきて「ご家族様はお変わりありませんか?今何をしていますか?」と一方的に質問され、さすがに状況説明を求め、現状を確認しました。一週間後に通所可能となりましたが、その間に説明はありません。保健所の調査は1週間後にもまだ入っていないとのことで、事業所の自主隔離期間を経て通所再開とされていたようです。2日後に再度別の職員に感染者が出て、また閉鎖となりました。

この二つの事例をもとに、皆様どのようにお感じになりますでしょうか? もし同じサービスを提供している事業所だとしたら、どちらの事業所を選びますか? 結果は明白だと思います。

介護報酬改定・診療報酬改定でも、感染対策及びBCPについて、対応を求められています。今回の診療報酬改定では、基本診療料の加算として新設されています。医療・介護についてはインフラとしてしっかりと対策をしてほしいということの現れです。

今回身近な家族の事例として私自身考えることが多く、しっかりと説明がなされない不安がどのように大きなものかということが実感としてわかりました。このことを今後、仕事の中でも医療機関や介護事業所の皆様にも伝えていきたいと思います。



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