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源氏物語演習物語

古文の勉強のしかたがなんとなくわかってきたので、それを実践してみて、やってみたのを記録していこうと思う。

[使用教材]
タイトル画像右側の8冊から源氏物語の文章をとってきます。なぜ役割の近い参考書をこんなに持っているのか❓
古本浪だ👍👍👍8冊合わせて2000円くらい。ブックオフと古本市場に感謝する。同じ参考書を持っている人は、ページ数も置いておくのでぜひ一緒に。ページを検索→本文の最初を入力で各問題に飛べます。順番が前後しているので注意!
東進レベル別②
・p95 桐壺1/31 いづれの御時にか…(古文上達p62と同一素材)
・p107 若紫1/56 わらは病に…
古文上達基礎編
・p150 橋姫17/70 この阿闍梨は、…
極める古文①
・p38 夕顔1/60 六条わたりの…
極める古文③
・p14 玉鬘4/60 少弍、任はてて…
河合 古文入試精選問題集
・p55 澪標29/45 かの明石の舟、…
・p59 椿姫1/70 その頃、世に数まへられ…
旺文社レベル別③
・p20 絵合7/23 上はよろづのことに…
旺文社レベル別④
・p36 総角27/156 御服などはてて、…
古文上達
・p62 桐壺1/31 いづれの御時にか…(東進レベル別②p95と同一素材。同時に扱う。)
・p64 桐壺9/31 野分たちて/野分だちて…
・p116 若紫7/56、8/56 清げなる大人二人ばかり…とて起ちてゆく。
以上。
思っていたよりも量が集まった👍余談だが、手持ちの『はじめの一歩 古文読解問題集』に源氏物語出典のものが一つもないのと、『古文上達基礎編』にも一つしかないのが意外だった。センター/共テ対策の問題集では、源氏物語のような有名出典は省かれがちだが、そうではないので。東進のレベル別問題集は品詞分解が載せてあるのがすばらしい。訳をみればだいたいはわかるが、やはり載せてあると確証が持ててうれしい。
2024/09/08追記 東進レベル別、ちょっと訳がヘボいかも…品詞分解が有用であることに変わりはないが。

[やり方]
1日数題ペースでぼちぼち進めていく。基本は上から進めていく。おおかた参考書の(想像)難易度で配列したので、後ろらへんは時間の都合等でやらないかもしれない。自分で助動詞/敬語チェック→解答作成→助動詞/敬語の確認+解説+(前回記事登場の)半現代語訳の手順で取り組む。noteには半現代語訳と感想(難しかったところ、話の内容など)を載せる予定。

1個目 桐壺1/31 いづれの御時にか… 東進レベル別②p95、古文上達p62

[感想]桐壺の一発目の話。見覚えがあるので有名な部分だと思うが、かなり難しい。初っ端から省略があり、「際(きは)」、「時めく」、「安し」、「まばゆし」、「はしたなし」など現代語とは違うぐあいの単語が多く、敬語も出る。訳例と辞書をみると確かにそうだなと思うが、なかなかしんどい😿
「いとやむごとなき際にはあらぬが、」の「が」は、自分で読んでいるときは接続助詞(逆接)を採用した。これが一番意味が通りやすい気がするが、格助詞とするのが普通らしい。なお、『古文上達』は格助詞同格を採用、東進『レベル別』は接続助詞逆接を採用、前田春彦師訳では格助詞主格を採用。『古文上達』問二は変な問題…
『レベル別』は文章の途中が省かれている(『古文上達』にはある)。この部分は特にしんどかった。「恨みを負ふつもりにやありけむ、いとあつしくなりゆき、物心細げに里がちなるを、」は読んでいてほとんど理解できないこともありうる。「つもり」に「積」、あつし」に重篤の「篤」の字をあてると、なるほどと意味が通る。

[半現代語訳]
どの帝の御治世デあっタダロウか。女御、更衣がたくさん伺候シナサッタ中に、大変高貴な身分デはナイノガ(→ケレドモ?)、際立って寵愛を受けナサルノ(→人)ガいタ。
※「にか」の後ろに「ありけむ」(あっタダロウ)結びの省略

はじめから「私は」と思いあがりナサッテイル御方々は、気に入らない者だと下にみてねたみナサル。同じ身分、それより下の身分の更衣たちは、まして(心が)安らかでナイ。

朝夕の宮仕えにつけても、他人の気持ちを揺らがし、反感を買う積もりデあっタノダロウカ、とても重篤になってゆき、なんとなく心細く里にさがりがちなノを、(帝は)ますます名残惜しくいとしくオ思イニナッテ、世間の人の非難も慎む(?)ことができナク、世の悪例にもなっテシマウニチガイナイご寵愛デアル。
※『レベル別』の省略部分。「はばかる」は、どの訳例も違う訳をあてていてよくわからない(そしてどれもしっくりこない)。

上達部、殿上人などもわけもなく目をそむけナガラ、(とても)目もそむけたいほど程度が甚だしい帝の御寵愛デアル。とても体裁が悪いことが多いけれども、もったいないほどの帝のご愛情の比類ないノをあてにして混ざりナサル。

[設問](漢字の読みなど、解答そのままのものは載せない)
配点は
『レベル別』問1①×2問2⑩問3②
『古文上達』問1④問2②(完解)問3①×6問4②×2
の合計30点満点の24/30点でどうだ❓

『レベル別』
問2 ほとんど逐語訳。「時めく」の意味と、連体形の後ろに体言を補うのとが重要かな。
修正前 とても高貴な身分ではないけれども、とても寵愛を受けなさる人がいたということ。
修正後 たいそう高貴な身分ではないが、とても帝の寵愛を受けなさる人がいたということ。
問3 「めざまし」の意味だけ。
修正前 気に入らない者
修正後 Ø(原案で完解)
『古文上達』
問1 補うのは「帝」と結びの「ありけむ」
修正前 どの帝の御治世であっただろうか。
修正後 Ø
問2 変な問題。本番ではどう採点されたんだ浪🥸
解説もなんかテキトー
い=逆接 ろ=接続助詞 は=主格/同格 に=格助詞
問3 イが女御だけなのがポイントかな。完解👍
問4 簡単。
2の「せ給ふ」を解答では「せ」+「給ふ」に分解してあるが、一語で取った。
以上。

2個目 若紫1/56 わらは病に… 東進レベル別②p107

[感想]若紫の一発目の話。「まゐらせ給へ」のところ以外話の流れは苦労せず読めるはず。ここは古文重要事項の「まゐる」の訳にはないが、謙譲サシアゲル+使役サセル+尊敬ナサルでサシアゲサセナサルと組める。手持ちの文法書(『これからの古典文法』)にはこの意味の「まゐる」が書いてあった。さすがに重要事項も万能薬ではないのでしょうがない。全訳しようと思うとかなり苦労しそうだ。題材が古文古文した文章だからであろうか、『レベル別』の全文解釈と設問解答はいろいろ気になるところが…😾

[半現代語訳]
瘧病におかかりニナッて、色々とまじないや加持祈祷などをサシアゲサセナサルけれども効果がなくて、何度も(病気の症状が)起こりナサッタノデ、
※手持ちの辞書には「よろづに」で「色々と」とか「あれこれ」とかの訳語は載っていないが、ここはこの意が合うだろう。「あまたたび」が「何度も」になるのは、「度」を「たび」と読むことを考えればわかりやすい。

ある人が「北山に、なになに寺という所に、優れた修行者がゴザイマス。去年の夏も世間で流行って、人々がまじない(をするのに)苦しんだノを、すぐに治す例がたくさんゴザイマシタ。
※『レベル別』の訳例は古文からかなり離れて意訳されているように思われる。「まじなひ苦しむ」は「〜し損ねる」などと同じような構造とみるほうが良いように思え、前田春彦師訳もそのようになっている。過去の助動詞「き」の連体形「し」の下に「ノ」を補って、「去年の夏も世に起こりて、」からの部分は一連の流れの一部ととみるほうが良いように思われる。ここも前田春彦師訳のほうが正しいように思われる。

こじらせテシマッタ時は厄介でコザイマスノを(→カラ)、早くオ試しナサルノガヨイ。」
※「うたて侍る」はどの訳例もよくわからない。一応辞書の訳を採用したが、変に現代語訳をする必要はなく、ぼんやり「うたてし」のイメージがあればいいような気もする。「む」は適当の「ノガヨイ」でとってみると、前田春彦師訳とビンゴ。『レベル別』の「お試しください」という訳はどこがどう対応しているのかよくわからない。

など申シ上ゲルノデ、お呼びにオヤリニナッタトキニ(→トコロ)、「年をとり腰が曲がって部屋の外にも退出シナイ。」と申シ上ゲタノデ、「しかたがない。とても人目を避けていコウ。」とオッシャッて、お供に親しい四、五人だけを使って、まだ夜明け前にオデカケニナル。
※「いかがはせむ」は辞書通り訳出。「む」は意志だろうがそのまま訳出するのは不自然で、よく見かけるんで、連語的に考えてしまうほうがよさそう。

[設問]
配点は問1②×2問2①×2問3④くらいでどうだ浪🥸

問1(1)現代語で「(病名)に罹患する」というように、「わづらふ」は「病気にかかる」の意味でとるのが普通だろう。
修正前 おかかりになって
修正後 Ø
(2)こちらは異論なく一致👍古語「しるし」の意味を問う問題。
修正前 効果がなくて
修正後 Ø
問2 本来は特に言うこともないような設問だが、Aの解答が終止形「侍り」だと書いてある…
いくつかネットに落ちているのを見ても連体形「侍る」となっているし、Bと同じく係り結びを問う問題だろうし、なにより品詞分解で「なむ」を係助詞ととっているのだから、ここは「侍る」ではないか(解説には「ある」が省略されていると書いてあるが、その根拠はなく、不合理に感じられる)。
問3 これも解答例が微妙。傍線部の半現代語訳は「すぐに治す例がたくさんございました。」
主語→北山の/なになに寺の優れた修行者
述語に注目すると、「なにを」治した?→「去年の夏も世に起こりて、人々まじなひわづらひし(連体形)」
いつ?→「去年の夏」や病気の内容も入れたいが、字数制限と相談して
修正前 北山の僧が流行症をすぐに治す事例がたくさんあったということ。
修正後 Ø
解答例は主語の部分を「某寺の修行僧」としているが、「北山の」と「某寺の」の重要性を比較すると、修行僧がどこかの寺にいることはふつうで、それよりも「北山」という場所の情報に価値があると判断できるので、消去すべき情報は「某寺の」の方であるように思われる。
以上。

3個目 橋姫17/70、18/70 この阿闍梨は、… 古文上達基礎編p150

[感想]「橋姫」は源氏の死んだあとの話らしい。宰相の中将=源氏の子ども:薫が主人公。『古文上達 基礎編』の方は、出題大学の改変がちらほらあるようで、最後が『「〜嘆き給ふ」と奏す。』となっているが、実際には『「〜嘆き侍りたうぶ」と奏す。』のよう。詳しくは前田師のページへ。会話の途中も消されている。
敬語ががつがつ出てくるが、重要事項の訳がビシッとハマるので、難しくはない。一文目から院には出ている尊敬語が阿闍梨には出ていないので、ちゃんとした使い分けがあって、それが読解上の鍵となるのかなと思いながら読み進める。
設問は全体的に取り組みやすい。主語の遷移がちゃんと捉えられていれば、全部解ける。

[半現代語訳]
この阿闍梨は、冷泉院にも親しく伺候シて、お経などを教え申シ上ゲル人デアッタ。京に出タついでに参上シて、(冷泉院が)いつものように、しかるべき経典などをゴ覧ニナッて質問しナサルこともあるついでに、(阿闍梨が)「八の宮が、とてもすばらしく、仏教の御学問理解深くいらっしゃっタナア。心から深く仏道に専念しナサッテイル様子は、本当の聖の心構えにオ見えニナル。」と申シ上ゲル。
※述語より下は重要事項訳がビシッとハマり、それ以外の部分は注釈そのままか、現代語とほとんど変わらないのなので、とても読みやすい。「かしこし」は『古文上達 基礎編』では「聡明な」を、前田師訳では「優秀な」をあてている。「ものし給ふ」は手持ちの単語帳(『みるみる覚える古文単語300』)の訳語「〜(て)いらっしゃる」がよさそう。

(冷泉院が)「まだ姿は変えナサラナイノカ(=出家ナサラナイノカ)。俗聖とか、この若い人々(=冷泉院に伺候する人々)が名付けタトイウノ(は)、殊勝なことデアル。」など、オッシャル。
※前田師の解説によると、俗聖というのは褒め言葉らしい。最初に読んだときは、「あはれ」がイマイチわからなかったが、そういうことくるま。(冷泉院が)であることは、「のたまはす」から判断。「この若き人々」には注をつけてほしい…

宰相の中将も、御前(冷泉院)に伺候シナサッて、「自分こそ、世の中をとてもつまらないとわかっていながら、仏道修行など、人に目をとどめラレル(=注目される)ほどは勤めナク、残念に(なまま)過ごしてきている。」と、ひとしれず思いながら、「俗のまま聖になりナサル心構えはどのように」と耳を止めて(=傾けて)オ聞きニナル。
※「人の目とどめらるばかり」は、感覚的には受身「らる」の連体形で、訳例も『古文上達 基礎編』もそう書いてあるが、「らる」の連体形は「らるる」のはず。よくわからない。中止法「ず」の訳を「ナイ」に置換したが、前田師訳ではそのままにしてある。

(阿闍梨が)「(八の宮は)出家の意思はもとからアリナサッテイルノを(→ケレドモ)、ちょっとしたことデ心が鈍って、今となってはおいたわしい姫君たちの御身の上を見放すことができナイと、嘆きナサル。」と申シ上ゲル。

[設問]
配点は問1⑤問2①×3問3①×4問4②問5②×2問6②の計20点で。
問1 逐語訳(伺候シて、経典などを教え申シ上ゲル人デアッタ)そのまま!心地良いほどの完解。
修正前 伺候して、経典などを教え申し上げる人であった。
修正後 Ø
問3 本文理解の誘導問題なんかなあ🥸
以上。

4個目 玉鬘4/60 少弍、任はてて… 極める古文③p14

[感想](順番を間違えて先に③を解いてしまいました。)一文が長い。そして難しい。ひっかかるポイントがいくつかあって、私は『「ただこの姫君〜な思ひそ」』で少弐を死んだものとし、「その人の御子とは館の人にも知らせず、」以降は玉鬘がもう京にいると勘違いしてしまった。後ろの「京の出立」も名詞化されて「京を出る」のか「京に出る」のかが判断できず、(「出立」ということばの意味をよく知らなかったせいもあって、)理解の訂正には役立たず、「国の人多くなどして」や最後の「好いたる田舎人ども」で、自分の誤った理解を確立させてしまった。後からみてみると、(In retrospect,)「好いたる田舎人ども」は「聞き継いつつ」手紙を出していることと、「にはかに失せぬれば」の主語判別とで、回避できたかもしれないミスである。「出立」についても、二行目「すがすがしくも出で立たぬ」と結びつけて考えるのがよかった。なお、前田師の参照しているものと原文が異なるよう。問題集の方に合わせて訳を作っていく。本文の内容については、ひたすらに少弐が真面目!という感じ。にもかかわらず、少弐には敬語が使われず、少女玉鬘には敬語が使われる。身分社会を感じる🥸いわゆる古文常識的な要素も誤読の一因となっていることと、単語の連想ゲーム(はるけし→遥など)の重要性とについては、やはり演習でどうにかなる問題なのだろうか。解説と訳例は、(意外と)しっかりしている👍

[半現代語訳]
少弐は、任期が終わって上京しテシマオウとするトキに、遠い旅程に、格別の勢力のない人(:少弐)はぐずぐずしながら、思い切りよくも出発しナイ
※「はるけき」に「遥」の字をあてれば「ほど」がここでは「旅程」のことだとわかる。「勢いなき」というのはどうやらお金のことで、金がないから旅に出発するのをためらっていたということのようだ。

あいだに、思い病気にかかって、死ノウとする気持ちにも、この君(:玉鬘)が十歳くらいにもなりナサッテイル姿の、不吉なほど美しいノを見申シ上ゲて、「私マデモ見捨て申シ上ゲて、どんなふうに流浪ナサロウとするノダロウ。いやしい所(:筑紫)で成長ナサルノも、おそれおおく思い申シ上ゲルケレドモ、早くも(=早いうちにも)京にオ連れ申シ上ゲて、しかるべき人(玉鬘の実の父内大臣)にも知らセ申シ上ゲて、(その後は)御運勢にまかせて見(?)申シ上ゲルヨウナトキにも、都は広い所デアルカラ、とても安心ダロウと、心づもりしタノを(→ノニ)、ここ(:筑紫)デアルノニ命がもたナクなっテシマッタこと。」と、心配に思う。

※「不吉なほど美しい」については解説または前田師のページを要参照。「あやしき所」は「賤」の字をあててリード文にある筑紫(not京)と判断。辞書をみると「生ひ出づ」は「生まれ出る」のほかに「成長する」の意があり、ここでは、リード文も参考にしながら、こちらでとる。「思ひいそぎつる」について、「いそぐ」はここでは現代語の「急ぐ」ではなく「用意する」をとる。「命たへず」は「耐/堪」をあてる。

男子が三人いるノに対して、「ただこの姫君を京に連れ申シ上ゲナケレバナラナイことを考えよ。私の身のことは、考えるナ。」と遺言しタ。
※「な〜そ」に注意。「孝」は親孝行に近いんかなあ🥸

だれそれのお子様とは館の人にも知らせず、ただ「孫の大切に育てる理由がある」と言いなしタノデ、
※やはり中止法の「ず」は「ナイ」と置換せず「ず」のままにしておくのがよさそうであるから、ここからはそうする。いわゆる格助詞同格は、師の教えに従って避ける。

他人に見せず、この上なく大事に育て申シ上ゲルうちに、(少弐が)突然亡くなっテシマッタノデ、しみじみ不安で、ひたすら京への出立をするケレドモ、この少弐が仲が悪かっタ国の人が多いとかで、あれやこれやと恐れて遠慮して、正気でもなくて年を過ごすウチに、この君(:玉鬘)が成長しナサルにつれて、
※「われにもあらず」は辞書を参照せよ。「ままに」は英語の接続詞asっぽい

夕顔よりもいっそう美しく、父大臣(:頭中将)の血筋マデモ加わるノデデアロウカ、上品でかわいらしいようすだ。気性はおおらかで理想的でイラッシャル。聞き伝えナガラ、好色でイル田舎者たちは、(玉鬘を)恋慕し、やりとりしたがるノガ、とても多かっタ。忌まわしく気にいらなく思われたノデ、誰も誰も承諾しナイ。

[設問]配点、解説ともに『極める古文』で十分。
以上。

5個目 絵合7/23、8/23 上はよろづのことに… 旺文社レベル別③p20

[感想]前半はすらすらと読める。ところどころ設問と関係のないところで、主語のとりづらいところや、「描きかよはす」、「いみじくいましめて」など意味のとりづらいところがあるが、大枠のストーリーには影響しない。後半もリード文と注釈をちゃんと読んでいれば大丈夫。なお、手持ちの問題集では「二なく描かせ給ふ」の「か」が脱字。師の8/23訳例と解説はぜひ参照すること。出題校はなぜ後ろの部分を消去したんだ浪🥸
訳出時も、とりたてて注意すべきところは少なかった。

[半現代語訳]
帝は何事にもまして特に絵をおもしろいものとオ思イニナッテイル。とりわけオ好みナサルカラデあロウカ、(帝は)またとなく上手に描きナサル。斎宮女御が、とてもすばらしく描きナサッタノデ、これ(:斎宮女御)に御愛情が移って、何度モオいでにナッテハ、絵を描きナサッて心を通わせナサル。若い殿上人も、このこと(:絵を描くこと)を習うノを、御心を持って好ましいことにオ思イニナッテイルノデ、(帝は)まして、かわいらしい人の、風情ある様子で、型にはまらず思いのまま描き、優美によりかかってあれやこれやと筆を休めナサッテイル御様子、かわいらしさに御心を打たれて、とても頻繁にオいでにナッて、以前より際立って御愛情が強くなっテイルノを、権中納言はオ聞きニナッて、どこまでも心がとげとげし当世風でありナサッテイル御性格デアッて、「私は人より劣っテシマウダロウカ」と奮起しナサッて、優れテイル名人どもをオ呼びつけナサッて、厳しく他言を戒めて、またとない様デアル絵どもを、すばらしい紙どもに描き集めサセナサル。「物語絵こそが風情が見えて見どころのあるものデアル」トイウコトデ、おもしろく風情あるものばかりを何度モ選んデハ描かセナサル。

いつもの月次の絵をも、見慣れナイ感じで、ことば書きを続けて(帝に)オ目にかけナサル。
※「させ」を使役で取る。

とりわけすばらしくしテアルノデ、また局でもこれをゴ覧ニナルトキに、気軽にも取り出しナサラず、とても厳重に隠して、(帝が)この斎宮の女御へ(絵を)持ってオいでにナルノを惜しんで独り占めにして手放しナサラないノデ、大臣(:源氏)はオ聞きニナッて、「やはり権中納言の御性格の子供っぽさは、改まり難いヨウダ。」など笑いナサル。

[設問]配点、解説ともに『全レベル』で十分。
以上。

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