寝息は揺れる葦のように、

眠るときにイヤホンから流したままにした音楽は、覚めたときに思わず大きすぎるほどになっていることがあり、こんなにもこんなにも意識の無い私を揺さぶってどうするのかと動揺し、すこしうんざりとした心持ちにさえなって、静寂を求めてそれらを耳から外す。部屋の蒸し暑さに耐えられずに開けておいた窓。日が昇る気配と、遠くの鳥が啼いたけーんけーんという声が部屋に染み込んでくる。家族のいくつもの寝息が重なって、そのまま目を瞑ると、さわさわと揺れる葦の合間で横たわっているようだった。今朝は穏やかだった。

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