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太宰の跨線橋

このニュースを読んで、12月までに三鷹に行かねばと決めた。

この日は夜通しものすごい強風が吹き荒れていたが、その後は快晴であった。もしかしたら富士山も見られるかもしれない。
桜木町で午前中に英会話のレッスンを受けたあと、京浜東北線に乗って品川へ、山手線に乗り換えて新宿、からの中央線で三鷹。1時間ちょっとの電車の旅だった。

スターを取った無敵のマリオ期であるため、こうやってふと思い立ってどこへでも行けるのは、ときおりもたげる「あ〜あ、新しい仕事、ちゃんと見つかるのかな」というモヤモヤを、短時間であるとはいえ吹き消してくれる。

三鷹駅から出て線路沿いに武蔵境方面へ歩く。11月だというのに日差しが強い。東京では100年ぶりに11月の最高気温を更新したとのこと。わたしも、なんかちょっと不適切ではないかと思いつつも、半袖姿で歩く。

階段を登ると、思ったより向こう岸が遠い。細長い通路に、わたしとおなじような物見がてらの者や、鉄の者などが行き交い、写真を撮っていた。
期待していた富士山は見られなかったが、本当に味のある跨線橋で、ここまで来てよかったとおもった。

帰りは、せっかくここまで来たんだから、と吉祥寺まで歩いて、ハモニカ横丁で一杯引っかけたいきもちを抑えつつ、さとうのメンチカツを買って電車で帰宅。京浜東北線の車窓から富士山が見えたので、もうそれでよかった。

なにかが無くなって、なにかが新しく生まれる。なんでも新しくすることが良いとはおもわないけれど、新しいものにはやはり希望があるし、便利だし丈夫だし進化している。古いものは一旦失うと二度と戻ってこないけど、ずっと保っていくにも限度がある。まあなんだか世の中いつもそういうののバランスでできているからな、などと適当にわかったようなことをおもった。


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