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Boyfriendはもういない

浅草、午前9時。
雨が降ったり、晴れたり、まるで私の心をうつしてるみたいだった。アメリカ製の黄色の折りたたみ傘は、見るたびに思い出してしまいそうだったから借りるのはやめた。
私は映画の主人公でも漫画の登場人物でもないけど、恋人に振られた今日くらいはそう思わせて欲しい。

最後は彼が好きな喫茶店へ入った。
いつもより笑顔で、テーブル席にも横並びで座った。
側から見たら朝から痛いカップルだったろう。
これで最後の日なんて誰も思わなかっただろう。
私達2人以外は。
肩を寄せ合って、「左手が寒いから」という理由で手を繋いだり、彼の肩にもたれかかったりした。
あわよくば昨日の別れ話なんて忘れたフリしてくれてないかな、と思ったけどそうはいかなかった。
彼の意思は揺るがなかった。
私から別れを切り出したはずなのに、最後はあっけなく振られてしまった。
なんとなくわかっていたけど、わからないフリをしていたかった。日に日に重たくなっていく自分にも、それで彼を苦しめてしまっていた事実にも気づかないフリをしていたかった。
されど3ヶ月。半分は不満なんてなく上手くいっていた。半分は辛いことばっかりだった。でも、大好きだった。
短すぎて、全ての思い出がこの間すぎて、余計に辛い。辛い。もしあの時もっとこうしてれば、とかそんなのばっかり出てきて、きっと結果は同じなのに。私が彼を幸せにしたかった。いつからか要求ばっかりになってしまって、それが彼を苦しめていた。まだまだしたいことなんて山ほどあったけど、もう友達には戻れない。戻りたいけど、しない方がいいし、このどうしようもない気持ちは時間が解決してくれることも大体わかっている。
最後にハグする?とか、涙を堪えてる時にさすってくれたりとか、最後まで優しくして欲しくなかった。そういうところが大好きだった。
短かったけど、本当に愛していた。
いつも笑顔で受け止めてくれる彼に甘えていた。
ありがとう。こんなとこに投稿して恥ずかしいけど、気持ちを消化するために残しておきます。
元気でね

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