日記20231023

 きのこ・たけのこ戦争ってあるじゃないですか。

 きのこ・たけのこ論争だっけ? まあどっちでもいいや。

 公式が「あなたはどっち派?」とかって宣伝したのを機にずっとインターネットでやってる、まあ言ったらくだらないやつ。なんかここ数年急に見なくなった気がするけどまあそれはそれとして。(デビルマンMADもすっかり見なくなったなあ)

 僕には兄貴がいます。
 兄貴はたけのこ派です。
 なんでそれが分かるかって言うと、兄貴は一日中家にいて、そんで大学から帰ってきてお菓子の棚みると、親が買ってくるきのこたけのこアソートのうち、きのこだけいっつも残っているからです。公然と「兄貴ってたけのこ派?」なんて聞いたわけではありません。もう21なのに、いきなり「たけのこ派?」なんて聞くのは恥ずかしいし、聞かれる方だって恥ずかしいに決まっています。兄貴は自分がたけのこ派であることを恥じているに違いないのです。だってあんなんどっちも美味いからね。

 と、言いつつ僕はどちらかといえばきのこ派です。なんでかといったら残ってるきのこばっかり食べてるから。お下がりの概念ってお菓子にもあるんだ、と思いました。

 すっかり冬になりました。最近ストレスからか、つい夜中にものを食べ過ぎてしまうようになりました。今日も冷蔵庫を開けてみると、冷蔵庫の上の段に黒いキットカット、カントリーマアム、そしていつものアソートパックのたけのこの里が入ってました。僕はたけのこの里を手に取り、食べました。「美味しいなあ」と思いました。それから、
 「なんでたけのこの里が残ってるんだ?」
 と思いました。

 僕は兄貴の部屋に行きました。ノックすると兄貴が出てきました。深夜に兄貴が寝ていることはあまりありません。
 「なあ、兄貴ってきのこ派やったっけ?」なんjゆずりのエセ関西弁で僕は尋ねながら、顔中から火が噴き出るのを感じました。
「きのこ派じゃないやで」兄貴もなんjの関西弁で応じました。

 おかしいな、と僕は思いました。きのこ派のいない世界で、きのこの山が先に姿を消すなんてことはありえないはずでした。頭の中で声が聞こえます。「いやそこはきのこ、きのこ、あれよ」
 こうして神はきのこの山をお造りになった。

 僕はその言葉と共に、全てを思い出すのでした。
 僕にたけのこ派の兄なんかいないこと。
 僕は割と普通にきのこ派であること。

 そのようにして僕はみるみる太っていくのでした。もしこれを見ている人がいるのだとしたら、その人たちに言っておかなければならないことが一つあります。
「もうすぐドラフト会議ですね」

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